見出し画像

感覚

2021年も残りわずか。今年私が一番印象に残ったことは、東京オリンピック!……の、聖火リレートーチをデザインした吉岡徳仁さんの言葉です。

「人が感動するのには、5分も必要ない」

そして吉岡さんは「形だけのデザインには魅力を感じない。トーチの形をデザインするのではなく、炎そのものをデザインしたかった」とTVのインタビューで語っていました。

吉岡徳仁さんはデザイン、建築、現代美術の領域で活躍している佐賀県ご出身のデザイナー/アーティスト。吉岡さんは創造するとき、五感(視覚・触覚・味覚・聴覚・嗅覚)を大切にしているそうです。

形のないもの・目に見えないものをデザインする、とても興味深い話でした。

デザインの仕事というと、形を作る仕事というイメージになりがちですが、ある時、そうではないと気づいて。あえて形で表現せずに、ときには風や香りだけで空間をつくったり。つまり、人間が感じるすべての感覚をデザインすることを大切にしたいと思うのです。食器だったら、美味しい料理がテーブルいっぱいに並んでいる食卓の空間、家族で楽しく会話しながらご飯を食べている空間そのものを見据えてデザインしたり。

学生の時から、形のデザインに対して違和感がありました。「形を変えないといけない」と考えるのも、何か違うのではないかなと思っていました。当時はその感覚の正体は分かりませんでしたが、学んでいくうちに、視覚から得る情報だけが100%ではないということに気付いて。人は、情報からそのものを見ることもありますし、音楽などの形のないものに感動したりもします。つまりデザインは、形だけではない、もっといろんな表現の方法があると思っていますし、いろんな要素で人間の感情を揺さぶることができるんじゃないかとも思います。

視覚が全てではなく、形のないものが人間の感情を変化させる。時代の変化とともに、デザインは形が重要ではなくなっています。ただ、形がなくなっていく代わりに、そこには別の何かが必要だと思うんです。その何かをデザインしていくと考えると、それが感覚なのかもしれません……。

画像1

今年最後のスタッフ日誌となりました。皆さまにとって、来年が幸せな一年でありますようお祈りいたしております。

大堀


聡窯・辻/Sohyoh・Tsuji

〒844-0002 佐賀県西松浦郡有田町中樽1-5-14
営業時間:9:00~17:00(土日祝日/定休日)
電話:0955-42-2653 メール:artgallery@sohyoh.com


WEB


SNS

Instagram / Facebook

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?