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気候変動 今すぐ読めば間に合う Vol.078

【 今なら地球温暖化は止められる!今すぐ始める私の脱炭素アクション !! 】

     Before It’s Too Late 通信 ―手遅れになる前に
                       2021年12月27日 第078号
2021年を振り返る:気候変動関連でも色々なことがありました。
 今週は私なりに今年の気候変動関連トピックを時系列で振り返ってみたいと思います。
 まず、1月にバイデン大統領が就任。就任直後に、トランプ前大統領が離脱したパリ協定に復帰しました。その後もケリー気候変動担当大統領特使の任命、 4月に気候サミットの主催など矢継ぎ早に対策を講じています。2030年の二酸化炭素排出を2005年比で50~52%削減まで引き上げ、2030年に新車販売の50%を排ガスゼロ車にする目標も掲げました。世界第2位の二酸化炭素排出国で、国民一人当たりの排出量も日本より64%多い米国が気候変動対策に真剣に取り組むことは、世界全体に大きな影響を与えます。

 IPCCの第6次報告書が8月に公表されました。報告は、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と断言。温暖化が人為的起源であることについては、2007年の第4次報告書では90%以上の確率、2014年の第5次報告者では95%の確率としていたのが、この報告で100%に格上げ(?)されました。逆に考えると、私たちは14年間10%の確率、7年間5%の確率に賭けてきた訳です。100%になった今もまだ賭けを続ける愚は起こしたくないです。

 10月には岸田内閣が発足。2050年温室効果ガス・ネットゼロを表明した、菅首相と気候変動対策に積極的だった小泉環境大臣のタッグから、山口大臣とのコンビに変わってから気候変動に関する発信が殆どなくなりました。2周遅れと言われている日本の対策のさらなる停滞が懸念されます。

 11月に開かれたCOP26の合意文書では、パリ協定の1.5℃目標を追求することを確認。排出削減対策を講じていない石炭火力の段階的な削減も合意されており、日本が真剣に合意を守ろうとするのであれば、今年改定されたエネルギー基本計画を来年に修正する必要があります。

 驚いたのはトヨタが12月に、2030年のEV(電動自動車)の販売台数を350万台まで引き上げたことです。トヨタはハイブリッドで世界をリードしサプライチェーンを守る必要から、5月の発表では200万台と抑え気味だったものを半年で引き上げました。背景には脱炭素に消極的だという評価で企業価値が毀損するリスクがあったものと思われます。脱炭素の国際的潮流の凄まじさを感じます。

 そのような中、今月IEA(国際エネルギー機関)が、コロナからの経済復興と天然ガスの価格高騰から今年の石炭火力の発電が、過去最高になると発表。気候変動の深刻な現状にもかかわらずこの現実を見ると、0%の確率に賭けたい人はまだ多いようですが、マンデラもガンジーも粘り強く運動をして最後には勝利しましたので、先人に習い来年も頑張りたいと思います。皆さま、良い年をお迎えください。
                              横山隆美

出典 )Before It’s Too Late 通信 ―手遅れになる前に― 2021年12月27日 第078号

ここまでお読みくださり、ありがとうございました m(_ _)m by 350クルー.


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