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20240128「想いの果て」

少しずつ
朝が早くなっている
椿がぽとり
梅も蕾として待っている
聞いたことない鳥声に
耳を澄ませ
森の奥方から
次の知らせが来る
吸収された音たちを
侍らせては
耐え切れない重荷で
ばさりと落ちる
白さを乗せて
景色として漂白し
汚れさえも
わたしのものとする
余りにも静か
それでいて
どこかで息をしている

ちろちろと流れ
下る先へと舵を取る
操れらるのはお手の物
誘われるままにしておけば
何かが飛んで来る
噂の極意
垂れ流しの水桶
あわれない唾棄
水面の漣を捉え
落ちる一滴の飲む
それでわたしが生き延びれらるのなら
それでもいい
大飯食らいでもそれがなければ
何を得るというのだろう
もう動かないけれども
まだ痕跡らしきものは
横たわっていて
そこで合わせるのは
いつかの想いの果て

通るたびに
不意に思い出し
少し速度を落とす
曲がり切れないそれらは
いつに佇み
いつに忘れ去られるのか
誰もが泣いて
誰もが零す
次の番はあなたかもしれない
そういうわたしであっても
かまわない
燻った煙の雪先では
溶ける結晶のまどろみで
融解に誘われ
もう一度宙に舞い
力を得るのだろう
地面に穿たれたその重みで
繰り返される各々の重なり
地味として次につないでいる

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