20241004「風化の化身」
砂の城を崩しながら
その様子を見ている
ベージュの塊
帯刀の土偶を吐いて
さらさらと落下している
時にざっと
更にずっと
少しずつ崩れながら
別の要素で再付着している
寄り添うように
お互いがお互いを
同等に認め
それでいて
意志などないくらいに
もう砕かれている
風は遠くから吹いて来る
揺れる一輪を
誰が見ているのか
見られてない方が多いものの
しっかりとその様子を充てがい
再生の麓を拵えている
乾ききれない残像の中で
深く遠く
浅く近くに
それらは在る
気にしていないから
気づけもしない
それでいて
視野のどこかで垣間見ていたはず
注視しながらも
大抵は見過ごし
あわれもない事態に遭遇している
版築を載せて
更に風化しているくせに
その肌はひび割れつつに
肌理を与えて
すさのちょろ髭を収めている
風合いの転び具合で
風が吹いて目も開けれれないくらいに
もう転がっている
誰が穿つのかは解ってはいない
風化の化身で
奏でられる風物の物語
誰が紡ぐのかは
わたしたち次第
宵々の練習で
叶えられる妄想の踊り
一粒の構成を更に砕いている
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