【詩】真冬の冒険

一面に広がる雪景色
一面に赤に広がる僕の頬

ゆっくり眺めたい
でもそんな余裕は
いまはない
いまは冒険の途中


ザクッ
ザクッ

新たな道を
切り拓いていくように

ザクッ
ザクッ

閉ざされた
心の扉を開くように

せっせと雪を運んでいく

アパートの駐車場
僕は一人、スコップを動かす


一人の女性が
スコップを持ってやってくる
ヒロインの登場


ザクッ
ザクッ

一人では太刀打ちできない
ボスと戦っているように

ザクッ
ザクッ

開かれた心に
あたたかな優しさをそそぐように

せっせと雪を運んでいく

アパートの駐車場
僕と彼女の二人、スコップを動かす


一面に広がるアスファルト
僕たちの冒険の終わりの合図

ゆっくりと彼女の姿を眺める

真っ白な雪景色のように
美しいたたずまい
僕の頬はさらに赤く染まる


冒険の先に見えたもの

どんな観光地にも
負けないくらいの絶景が
僕の瞳に映っていた


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