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心が震える。

こんにちは。北海道とかち帯広で、児童養護施設や少年院出身の青年の自立をサポートする団体、NPO法人スマイルリングでの、青年達との日常をnoteしています☺️


初めまして。
私は○○刑務所に服役する
無期受刑者です…。

昨日届いた手紙の封を開け、
電話で理事長の堀ちゃんへ読み上げながら、
胸がいっぱいになっていった。

私達のところへは、
想いの詰まったお手紙が月に何通か届く。

拘置所の中から、
少年院の中から、
グループホームの中から、
統合失調症で苦しむ人から、
前科持ちの人から、
子育て、人間関係などで悩む人、

あまりに苦しく、
なかなか上手くいかない自分の人生を
見つめ、格闘しながらも、

今度こそ、
やり直したいという青年、大人や、

自身も大きな悩みを持ちながらも、
スマイルリングの青年達や、

私や堀ちゃんの事にまで思いを馳せて
応援して下さる人達からの、
切々としたお手紙が多く、

返信の手紙を
時間を見つけては書いている。

昨日も郵便受けに、
堀ちゃん宛の手紙が届いていた。

ゴールデンウィーク前まで
千葉で青年達と仕事をしている堀ちゃんは
関東に行っても引っ張りだこで、

いろんな人に“会いたい”と呼ばれては、
仕事の合間をやりくりし、
せっせと車を走らせている。

先週は元受刑者の方と会い、
初対面で7時間もお話したのだと、
そのお相手の方から私に
『堀田さんは熱い人でした!』と
電話やメールを頂いた。

昨日は後楽園ホールで、
坂本博之さんのジムの青年の
ボクシングの試合を応援し終わり、
これから千葉へ帰るところなんだと、

駐車場へ移動しながら、
バックヤードの様子などを楽しそうに
教えてくれていた堀ちゃんに、

堀ちゃんの人生は面白いねぇ。
なかなか出来ない経験、沢山してるもんね。

そうそう、手紙、届いてるよ、
○○県の○○さんて人から。

と伝えると、

知らない人だなぁ、、
読んで下さい、と言うので封を開けた。

そして目に飛び込んできたのが、
冒頭の文字だった。

あらっ…。
無期懲役の受刑者の方からだよ。
ドキドキしてきた。
それじゃあ、読むね…。

とても綺麗な文字で
丁寧に書かれた手紙には、

自分の犯してしまった罪や
被害者の方への思い、

20年という年月を
刑務所の中で暮らしていて、

その中で信仰に出会ったこと、
“利他的”な生き方があると知ったこと、

一年前に、NHKの「dearにっぽん」
というドキュメンタリー番組を観て、
私たちのことを知り、深く感銘を受け、
日記に、『北海道 十勝 堀田豊稔』と
記したこと、

それからずっと、塀の中にいる自分が
どうしたら応援出来るのだろうかと、
思索し続けて来たことなどが綴られていた。

手紙を読み進めていく私の心も震えていき、
電話の向こうで、時折「うん…うん…」と
小さな声で言いながら聴いている
堀ちゃんの心も震えていくのが分かった。

罪を犯すこと、
被害者に、
一生忘れられない傷を負わせてしまうことは、
どんな事があっても決して許されないことだ。

でも私は、
今までどんな罪を犯した人であっても、
“人間”じゃない人には出会った事がない。

もしかしたら、
私もこの人のように罪を犯して
刑務所の中で人生を送っていたのかもしれない。

そう思う事が本当に多くて、
どうしても他人事とは思えない。

そして堀ちゃんのように、
過去に“かなりな”過ちをおかしたけれども、

その過去を最高の価値に変えて
生きている人たちも沢山いることを
私は知っている。

その人達の持つ輝きは本物だ。
人の心、胸を打つ事が出来る、
とても魅力的な人たちなのだ。

何故、そんな人になれたのかといえば、
やはり、自分の犯した散々の失敗から
学んだことが凄く沢山あるからだと思う。

そして、そんな時に出会うことが出来た
人、場所、本、思想、、、など、何らかの
“縁”に触れる事があったからだと思う。

その時人は、
まるで生まれ変わるように
人生を一変するような体験をしている。

“一変”とは言っても、一瞬ではない。
どんな苦労をしてもいいから、
自分の人生をより良く生きて、

自分だけでは無く、
自分のような思いをした人達の為にも
何とか役に立とうと、

自分の使命みたいなものを自覚して
生き始めるというような、
そんな自己変革の生き方だ。

その受刑者の方が一生懸命に考えてくれた
青年達への申し出を、
私も堀ちゃんもとても嬉しく思った。

塀の中からの、
青年達へのプレゼント。

手紙を写真に撮って堀ちゃんに送ったら、
何度も読み返したそうだ。
私も何度も手紙を読んだ。
今日、返事を書こうと思っている。

この人に会いに行きたいです。

という堀ちゃんの言葉に頷き、
いつか、私もお会いしたいと思った。

こんなに心が震えるほど
感動出来る事に出会えるのは、

私にも奇跡のような出会いが重なって、
スマイルリングをしているから。

新しい、
いろいろある青年たちとの出会いも続き、
ますます賑やかになりそうな
スマイルリングの春です。

特定非営利活動法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき💫

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