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相談担当者が陥りやすい落とし穴 ②  

上司が部下からのハラスメントに対応しようとしたが解決に至らず、それを相談した上司がさらに相談担当者からのハラスメントを受けて外部機関に相談に来る、というケースもあります。

ケース2:つい出てしまう態度や言葉

「常に反抗的な態度を取る部下から、容姿や仕草などに関した悪い噂を流されるというモラハラに合っている」というリーダー。社内のハラスメント相談担当に相談するも「リーダーなのに部下からそんなハラスメントをされているのか」と蔑んだような表情で言われ、本人の指導不足と取られた。部下に対する対処はなく、リーダーだけが指導不足を責めらた。解決に至らず、リーダーは落胆して外部機関に相談。

よくよく聞けば、この職場の相談担当者は人事部長で、いわゆる昭和世代でした。「それぐらいのことは自分でどうにかできないのか?」「部下にそんなことをされるなんて情けない」といった気持ちがあったのかもしれません。それがつい表情や言葉に出てしまい、相談者を傷つけてしまったというケースです。

無意識に出てしまう表情や言葉に注意

相談担当者は、相談してくる人の感情や心情を仕草や表情からも理解しようとします。同時にそれは、相談者も同じこと。自分の話を真剣に聞いてくれているか、どう思っているのかなど、表情や態度からも感じています。「真剣に相談しているのに半笑いで話を聞かれた」「話の最中にため息をつかれた」など、ほんの些細なことにも敏感です。相談担当者は無意識に行っていたり、さほど重要ではないと思うことであっても、相談者にとってはまた別なのです。

自分の価値観はいったん横におく

相談者の話を聞く際には、いったん自分の価値観は忘れましょう。「部下ならこうあるべき」「上司ならこうすべき」といった価値観はまず脇に置き、相手の立場に寄り添って話を聴こうとすることが大切です。相手を理解しようという傾聴姿勢があれば、このケースのような無意識な態度や言葉は出ないはず。ハラスメントに悩む相談者を、相談担当者がハラスメントするようでは本末転倒です。何のためのハラスメント相談担当なのか、担当となった場合はいま一度考えてみてください。

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