✯☲ ”人魚姫” Rewrite;かぬれ　　　　（La Petite Sirène）

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その海を泳いで
辿り着いたのは星が降る海
カラフルな星が落ちる海に潜って
星の砂が積もる海の底に落ちて
惹かれて溺れる


海の底で息を戻す
海の中で息を戻す
頬に
肩に
腰に揺れる
泡に撫でられて遊ぶ
潮と太陽で焼けた毛先の茶色い靡く髪
海の泡に撫でられて
溶ける

全部溶けて泡になって
海になる
海になったら風になって
撫でて飛び回る



風になってあなたの頬を撫でて
あなたの肩に触れていたずらする


あたたかい春の風にあなたが微笑んだら
春風で答えて飛び回る


少し苦い顔のあなたも可愛くて
もう一度飛び回る


あたたかく優しい風をもう一度吹かせて
頬を撫でる



満ち足りた様子の風に
雨粒が少しだけ


明日には虹が掛かる
星の海に虹が掛かる


少しだけいいでしょ


星の降る海に
泳いで

海の底に辿り着いたら
消えて


あなたの頬を撫でて
風になった



満ち足りた
愉しい場所は


私の中
私の心の中
私の頭の中


愛の中にあなたを呼んで糸を手繰り寄せる



*



星の降る海に
ぼーっと光って浮かぶ船



もうすぐ嵐が来る
あなたを介抱したのは私


あなたが結婚するのは
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



*



星の海で体を遊ばせて
纏わりつく髪の毛と泡で戯れる


体を撫でる水に息を戻して
また深く潜って



海に潜る前に
あなたと夕日を眺める場所に
貝殻を並べて石を磨いたの


私は人魚
私はわたしのままで


掟を破って人魚のままで
あなたに声をかける



私が泳げる場所は星の海



もうすぐ嵐が来るから
あなたに声を掛ける


人魚のまま
これが私


掟を破って人魚のままで
あなたに声をかける




                               ➳✩⡱




ただあたなたがそこに
在るだけで
あなたを感じられたら
息をつける