Local Gender Magazine Sapporo 小さい空を、のぞいたら。

札幌市男女共同参画センターでは、札幌で暮らしたり、働いたりしている人たちを中心に、ジェンダーについて感じていることや、想っていることを、書いてもらうことにしました。 運用ポリシーはHPよりご覧ください。 HP:https://www.danjyo.sl-plaza.jp/

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    コロナ禍の子育て家族の生活と貧困|保田真希

    2022年10月に札幌エルプラザ情報センターで実施した「エルプラシネマ」に向けてコラムをご執筆いただきました。 1.貧困みなさんは、「貧困」という言葉を聞くと、どのような人や生活を思い浮かべますか?近年、子どもの貧困、女性の貧困、高齢期の貧困など、貧困に対する関心が高まっています。 しかし、貧困は特別な人に限った話ではありません。程度の差はありますが、誰もが貧困のリスクを抱えています。例えば、高齢期の貧困は、年金の問題、現役世代の働き方が関係しています。女性の貧困率は65歳

      • 多様と未来|小路 楓

        こんにちは。 北海道地方ESD活動支援センター/EPO北海道の小路(しょうじ)といいます。 ESDのほかには社会教育、学校教育、中間支援、プロセスデザインをキーワードにお仕事をしています。 大学院生時代からお世話になっている「環境」や「SDGs」で働く業界の方が飲み会で冗談言いながらも楽しそうに仕事の話をしているところを見て、この人たちと仕事がしたいと思い立ち、今に至ります。 だいぶざっくりしたSDGsとESDの話SDGsやESDの説明は対象ごとにいろんな切り口でなされます

        • 「らしさ」に縛られてきた自分に気づく一冊|下川原清貴

           私は25歳で転職し現在に至っている。それまでは民間の営業職だったこともあり、ジェンダーのことはほとんど意識をしてこなかったし、そもそもジェンダーという言葉すら知らなかった。 私が仕事をしていた営業所の女性社員はそのほとんどが事務職で営業職は男性だけだったように記憶している。当時は、今の時代なら確実にハラスメントだろうと思われる言葉が日常的に飛び交い、営業成績を上げるために夜遅くまで働くのが当たり前とされる時代だった。 確かに体力的にも精神的にも厳しかったが、その時の私は

          • もう、空気も顔色も読まなくていい。ただの“個人”が自分らしく生きるために ~田嶋陽子『愛という名の支配』に出逢いなおして~|本間 恵

            田嶋陽子/著『愛という名の支配』 1992年、太郎次郎社より初版刊行。 2005年、講談社にて文庫化。(講談社+α文庫)刊行。 2019年、新潮社にて文庫化。(新潮社文庫)。2020年2刷。 そう、2019年11月に新潮文庫で復刊された本書が、図書館の「ジェンダー」棚でよく動いていることに気がついたのは今年になってからでしょうか。 (注 : 現在私が勤務する図書館では貸出をしないため、表紙を見せて置いてある本を誰かが読んでいるとその場所が空白になり、返本の際にチェックしやす

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          • #読書の秋2020#ジェンダー:小さい空を、のぞいたら。
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          • 教育編:小さい空を、のぞいたら。
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          • セクシュアリティ編:小さい空を、のぞいたら。
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          • 働き方編:小さい空を、のぞいたら。
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          • 介護編:小さい空を、のぞいたら。
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          • ジェンダー入門編:小さい空を、のぞいたら。
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            《理解》って何だろう? ボーイ★スカート|藤井 ももこ

            性別、年齢、学歴、国籍、セクシュアリティ等、あなたは日常の中で「少数派」になる瞬間はあるだろうか?私はある面で自分が少数派だと思っていて、答えたくない話題や質問が周囲から出ることがある。 そんなときによくやるのが、愛想笑いをして曖昧に流す。 理解してもらえるか分からないリスクを負ってまで、「普通」であれば言う必要がない説明をしたくないし、「そういう人」とレッテルを貼られるのが怖いからだ。 でも、何とかその場を切り抜けてひと安心、するわけではない。 帰宅後、なぜあんな不快な

            「#読書の秋2020」に参加します!

            こんにちは、札幌市男女共同参画センターです。 note「小さい空を、のぞいたら。」は毎月テーマを決めて「ジェンダー」についての記事を連載しています。 このコラムで私たちが大切にしていることは、 「ジェンダーってよくわからない」という人がジェンダーについて知るきっかけになるコラムを届ける ということです。 「小さい空」を始めて半年、「入門編」から始まり「働き方」「介護」「教育」など様々なテーマを取り上げてきました。 少しでも多くの人に身近に感じてもらいたい!という思いが

            「教育とは世界を変えるために用いることができる最も強力な武器である。」| 北川愛梨

            タイトルのこの言葉はネルソン・マンデラ(元南アフリカ共和国大統領)の言葉です。 教育…… 教え育てること。知識,技術などを教え授けること。人を導いて善良な人間とすること。人間に内在する素質,能力を発展させ,これを助長する作用。人間を望ましい姿に変化させ,価値を実現させる活動。 (引用:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典) ジェンダー…… 生物学的な性差(セックス)に付加された社会的・文化的性差を指します。 「ジェンダーは、男性だから・女性だから」、と枕詞がついて「こうあ

            選んでいるのか選ばされているのか|長堀 紀子

            ここでは女子の進路選択について考えてみたい。 日本の大学/大学院における専攻分野別の男女差を見てみると、人文科学、薬学・看護においては、女性が6割以上を占めており、逆に、理学では男性が7割、工学では男性が8割以上を占めている。みなさんは、このデータについてどう思われるだろうか?「当たり前?」「不思議?」。 この“理工系分野に女性が極端に少ない状況”が問題であるとし、科学技術分野への女性の参画を促進するため、あるいは、大学等研究機関における女性研究者の活躍を推進するために、

            若者との会話から気づいた「らしさ」のこと|遠藤佑介

            子育て経験がなく教員免許も持っていない僕だが、「親でも学校の先生でもない大人」として、10代の若者と関わる仕事をしていた。 主に15歳~34歳の若者を利用対象とした施設の職員で、そこでは勉強を教えることや、生活態度を注意することを求められるわけではない。しかし、施設の管理者として安心安全に過ごせるよう気を配りながら、ときには若者と同じ目線に立ち、彼ら彼女らに新たな気づきや出会い、居心地のよい空間を提供する、という役割だった。それまで他業種の一般企業で働いていた僕は、当初は多

            小さい空を、のぞいたら。 教育編

            いつもローカルジェンダーマガジン「小さい空を、のぞいたら。」をご覧いただき、ありがとうございます。 日に日に風が冷たくなってきて、札幌もあっという間に秋の装いとなりました。 そんな10月は「教育編」をお届けします。 家庭での教育、学校での教育、社会での教育。 そんな様々な教育の場で、ジェンダーについてどれだけの人が正しい知識を持っているでしょうか?「男の子だから」「女の子だから」という言葉が自然と使われていないでしょうか? 学校で自分の本当の性を隠さなくてはいけない

            女性が性とカラダについて話すことをタブーとしない社会に向けて|菊島 聡美

            “セクシュアリティ”というと広義な言葉ですが、 「女性の体と生きること」について。 幼稚園の先生をしていた時代の私はとにかく自分に対して無関心でした。 汗を流して働くしメイクなんてしない。 毎日時間があっという間に過ぎる中で、鏡を見る瞬間は顔を洗う時間くらい。 食べ物もコンビニで買うかスーパーのお惣菜。 「あ、わたしのことだ。」と当てはまっている方、いませんか…? すると生理の日は元々重たい生理痛がどんどん重たくなっていく。 自分の体であって自分の体じゃないかのように思

            あなたは、あなたで、素晴らしい|柳谷 由美

            私のセクシュアリティは、レズビアンだと思っている。 「いつから自分のセクシュアリティに気付いたのか?」と聞かれると、少し戸惑ってしまう。 私は、小さい頃から男の子と一緒に遊ぶことが多く、サッカーをしたり、ドッジボールをしたりして過ごすワンパクな女の子だった。 自分のセクシュアリティについて小さい頃はよくわからなかったが、性別にとらわれた生き方にはなぜか抵抗があった。 小学生時代、学校行事で行う演劇では「走れメロス」のメロス役に、「白雪姫」の王子様役に立候補をして男役を担っ

            画面の向こう側にいる子たちのことを考えて|芦名沢 明菜

            私には双子の姉がいる。 性格も見た目も、好きなものも得意なことも全然違う。 「違う人間なんだから、違って当たり前」 今はそう思える、でも昔は違った。 双子で生まれた私たちは、いつも色違いかおそろいの服。 1人が泣くと、続いてもう1人も。 1人が不安でいっぱいなときは、もう1人にもそれがうつって不安になる。小さいときは何でも。 いつも一緒で、同じ、それが当たり前だった。 幼稚園から高校までは同じところに通った。 「やっぱり双子って〇〇〇なの?」 「双子だけど、〇〇〇は

            小さい空を、のぞいたら。 セクシュアリティ編

            こんにちは、「小さい空を、のぞいたら。」をいつもご覧くださりありがとうございます。 連日30度を超える暑い日が続いていた札幌にも、そろそろ秋がやってきそうです。 9月には札幌であるイベントが行われるのですが、ご存知でしょうか? ヒントは、「さっぽろ」「風船」「虹」です。 9月12日、さっぽろの中心部でさっぽろレインボープライドが開催されます。 LGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティについて理解を深めるとともに、当事者の自己肯定感を高め、すべての人が自分らしく

            介護をめぐる意識に潜むジェンダー問題|山根 純佳

            みなさんは日頃、誰に介護してもらいたいと思っていますか。 夫でしょうか、子どもでしょうか、それとも専門職でしょうか?  介護に関する意識は、自分が「する側」になったときにも、「される側」になったときにも、ジェンダーの影響を強く受けています。 55歳以上の男女を対象とした内閣府の調査では、「必要になった場合の介護を依頼したい人」を「配偶者」とする回答は、男性は56.9%に対し女性は19.3%にとどまっています。 (内閣府「高齢者の健康に関する調査」(平成29年)) また4

            介護とジェンダーについて考えた5ヶ月 | 堤 香奈子

            皆さんは介護について誰かと話し合ったことはありますか?我が家は、80代の母と50代の私が共に暮らしている。我が家では父が健在であった時から介護について話し合ってきた。 その時から母は「介護施設に入る」と言っている。    なので、私達の間ではこんな会話が成立している。私が有名人の名前などを思い出せない時に、「介護施設に入る」と言っている母が「(あなたを)先に施設に入れるよ」と言い、私は「お先に(施設に入ります)」と言い、笑い合っている。お互いに元気だからこそできる会話である。