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自分らしさとはなにか| 粥川 愛生

こんにちは。はじめまして。
今年の4月から新社会人、そして札幌市男女共同参画センターの職員となった 粥川愛生(かゆかわめい)です。
今回のnoteでは私の自己紹介をさせていただきつつ、男女共同参画について一緒に考えていただけたらと思います。

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幼少期を岩内町で過ごした私は、とにかく体を動かすのが大好きだった。
友達や弟とクワガタやカブトムシを求めて山や崖を上ったり、泥だらけになって遊んだりするのが日常だった。幼稚園の先生や友達の親からも「ひょうきんで面白い」「明るくて元気」と可愛がってもらっていたと思う。
小学校に上がると同時に札幌に引っ越し、小3からバレーボールを始めた私はほぼ毎日ジャージで登校した。髪はショートカット、給食はおかわりじゃんけんの常連メンバー、中休みや昼休みは友達と鬼ごっこやかたきをするような子どもだった。勝負事なら男女関係なく負けたくない、逆に言えば男女問わず仲良くできる性格だった。

そんな私に変化が起き始めたのは中学生の頃。
中2くらいからふと同級生の間で異性を意識し始める空気が流れ始めた。
友達との話題が恋バナ中心になり、ダイエットや美白を意識したり化粧や整形をしたりする子もいた。給食を残すのが「かわいい」みたいな空気さえ流れ始めた。
一方で、担任から「男勝り」と言われるほど「女の子らしい」に疎い存在だった私は、ただ周りから浮かないように行動した。ハンカチティッシュ、絆創膏、くし、日焼け止め、制汗剤などあらゆる女子力アップアイテムを毎日持ち歩いた。
そのうち、私は「女の子らしく」なりたいと思うようになった。「女の子らしい方がいい」と周りの大人に押し付けられた感覚はなかったが、今振り返ると「男勝りだね」「もう少し女の子らしくしたら?」という何気ない一言一言が私の中に刻まれていたのかもしれない。

高校では今までの自分を知らないメンバーの中で、新しい「女の子らしい」自分になりたいという思いから、楽譜も読めないのに吹奏楽部に入った。クラスでも発言を控えておしとやかに振舞ったり、男子との距離を置いたりした。
しかし、猫を被り続けることにストレスを感じている自分もいた。自分には吹奏楽が向いていないことにも「女の子らしい」が性に合わないことにも心のどこかでは気付いていた。運動がしたくてたまらなかった私は、体育の時間と体育祭や耐久遠足などのイベントが唯一自分を表現できる時間だった。

そして、本当の自分を隠しながら大学に進学した。
大学には今まで出会ったことのない色々な人がいた。髪の毛がピンクの男の子、結婚している人、化粧やアイプチをする男の子、同性と付き合う人。
私の知らない「普通」の感覚を持っている人がたくさんいた。自分を表現しても怒られたり、否定されたりしないのが新鮮だった。そんな生き生きとした人たちを見て、私は今まで育ってきた小さな枠の中の「普通」に縛られていたことに気が付いた。次第に私も、自分の被っていた猫をちょっとずつ脱ぎ始めた。自分の意見や自分はこういう人間だと周りに発信できるようになって、生きやすくなった。

今の私は、読書よりも運動が得意だし勝負事は本気でやる。
沢山食べるしメンタルも強い。
おしゃれなカフェよりも渋めの大衆居酒屋の方が好きだ。
そんな自分を今は受け入れているし、そんな私が私らしくて好きだと言ってくれる人たちが沢山いる。

今年から、私は新社会人になり「男女共同参画センター」で働き始めた。忘れかけていたモヤモヤ、自覚のなかったモヤモヤを掘り返して向き合う日々を送っている。ここに来て改めて、「女だから」「男だから」生きにくい社会になってはいけないと強く感じる。
もちろん性別だけではない。年齢、障害、国籍などでは括りきれない一人ひとりの個性があり、それを活かしてこそ社会で輝ける力になると私は思う。
そんな社会を目指して、目の前の課題に一つずつ向き合っていきたい。
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最後に

拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
私自身も今回のnoteを通して、改めて自分や社会に感じていたジェンダーギャップを言葉にして考え直すきっかけになりました。
最後まで読んでくださった皆さんに、
8月10日(木)に行われる、女子中高生向け無料ウェブサイト作成講座『Waffle Camp in札幌』というイベントをご紹介したいと思います。

体育が大好きな私の苦手科目は、ダントツで「理科」です。
もちろん性別が成績や学習能力に直結するわけではありませんが、実は理系分野・IT分野のジェンダーギャップは日本の女子中高生全体の課題となっています。これは、社会のジェンダーに対する固定観念と、早い段階での文理選択が影響しているとも言われています。

今回ご紹介する『Waffle Camp in札幌』は、そんな日本のICT(※1)分野のジェンダーギャップを解消することを目的として開催されます。
オンラインでの実施なので、自宅から受講することができます。

ICT分野が得意な人、興味はあるけど実際にやったことはない人、もしくは私のように苦手意識のある人、誰でも参加することができ、自分の将来の幅を広げるきっかけになると思います。女子中高生のみなさん、ぜひチラシの応募フォームからご応募くださいね!
(応募フォームURL:
https://share.hsforms.com/1KJQEJp_YTbu 5vis0Ug_W9wcjgs8

※1:PCだけでなくスマートフォンやスマートスピーカーなど、さまざまな形状のコンピュータを使った情報処理や通信技術の総称のこと。


男女共同参画センター 粥川愛生
プロフィール
札幌生まれ札幌育ち。大学では教育や心理学を学び、卒業制作として発達障がいの子どもをテーマにした小説を執筆。塾と児童会館でアルバイトを掛け持ちするほど、子どもが大好き。特技は子どもの名前を覚えることと仲良くなること。趣味は安くておいしい居酒屋探し。
オススメがあったら、ぜひ教えてください!

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