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今さら「せんべろ」に挑んだ

これは「東京の北東部分、生活圏内じゃないからあんまり行かないよね」と話していた3人の30代男性が、上野・北千住を中心としたエリアでせんべろと真剣に向き合ってみた、ある2022年11月26日の記録です。

その日のルール

【まず】
今回の事前リサーチはほとんど「せんべろnet」を使って行いました。
せんべろnetさん、ありがとうございます。

(1)上野駅に集合して1店舗目を決める。

最初に行く店は事前に作った「上野・御徒町、昼飲みできる店ルーレット」で運に任せて決定。
このルーレットには、せんべろnetで調べた上野・御徒町付近で12:00から開いている且つ予算1,000円で楽しめるお店を入れていますので、その辺りで昼飲みしたい時にはぜひお使いください。


↑こんな感じのルーレットです。

(2)各自、1店舗での注文は1,100円(税込み)に収まるように。

厳密でなくてもいいが、意識する。
多少超えてしまうのは仕方ないが明らかに超えている状態での追加注文はNG。

(3)2店舗程度で街を移動する。

これまた事前に作った、「どの街でせんべろするルーレット」で決定。
このルーレットには上野・御徒町や北千住の他、せんべろ店がある近隣の駅である町屋・亀有・南千住などが入っています。


↑こんな感じのルーレットです。

(4)PM4時を狙って銭湯に行く。

中間地点として、入浴前後でマジックアワーの空気感を味わうことで幸を得よう。

(5)柔軟に楽しむ。

いくつかルールはあるものの、テストプレイ的にゆるっと守る感じで。

【計画していたが実行できなかったルール】

1店舗もしくは1駅での滞在時間を決める。(1店舗目で時間を測って目安を決めようと思ったものの、2店舗目から楽しさが加速してどうでも良くなって来たので、今回は廃止)

ここからが30代男性の本気せんべろ本編

とまぁ、いろいろ説明しましたが、ここからはどんな街・どんなお店に行って、俺がどんな注文を繰り広げて行ったのか、時系列に沿って紹介させてもらいます。
一緒に散歩でもしている気分で何となくご覧ください。

【1店舗目】三幸酒店(上野)

とある土曜日の12:00に上野駅にて集合。
個人的には、その日のために1週間アルコールを抜き、前日は仕事後に長めのジョギングを行うことでなるべくお酒を気兼ねなく楽しめる身体にしていったため、準備は万端です。

改札近くで先ほどのルーレットを回した結果、はじめの目的地はアメ横にある「三幸酒店」に決定。

いかにもせんべろ店な、半分外で飲める立ち飲み屋。
休日ということもあり混んでいるお店が多い中、するっと入れた混雑状況。その日の充実っぷりを予言していたかのようなルーレット結果だった。

いかにもな立ち飲み

1杯目はレモンサワーで乾杯。仕上げたコンディション・真っ昼間・屋外・穏やかな仲間、美味さを増幅させる要素しかない。そう、美味かったのだ。

つまみは「秘伝のうずら」「もも」「究極の豚バラ」という3本の串モノ(トライデント)。
いずれも絶妙な塩味で決まっており、レモンサワーの酸味と引き立て合っていました。

炭火の薫り高いうずらが最高
塩味がたまらない「究極の豚バラ」

以上で990円。快調な滑り出し。
ちなみに、一緒にいた2人は生ビールを注文した時にグラスだということを言いそびれてジョッキ(たしか500円くらい)で来たため、早くも予算オーバーをかましていた。これもまた一興です。

【2店舗目】アメ横二郎(上野)

三幸酒店での会計を済ませて、再度「上野・御徒町、昼飲みできる店ルーレット」を回したところ、アメ横二郎に止まる。

地図を見る。…近そうだぞ。
と、左斜め後ろを振り返るとありました。アメ横二郎さん。

おばちゃんがガッツリ写っていたので、猛烈にボカす

提灯にもある通り、このお店のメインはお寿司…!
2022年の初頭にオープンして、一気に名を挙げた新興店らしいです。

という情報もありつつ。ここでも乾杯。
俺はビール、他2人は緑茶ハイにしました。

積み重なったビール箱に厚めの板を載せているだけのカウンターなので、寄りかかってしまうと「ちゃぶ台返し」ならぬ「立ち飲みカウンター返し」を起こしてしまう恐れが。
行ってみる方、特に長めに飲んでやろうという方はお気をつけください。

つまみはもちろん寿司
小皿にぎゅうぎゅうな3人分寿司は想像以上に迫力があった。

まさに寿司詰め状態


近くに寄ると、映えヂカラが増します。

書きながらお腹空いてきた

どれもネタが大きく、つまみとして丁度いい…!


それに加えて注文したのが、見慣れないお品書き「鮨屋のオムライス」。

初めてのビジュアル

玉子焼きに酢飯・サーモン?・チーズを載せ炙った後に、マヨネーズ・ネギ・とびっこをトッピングされたもの。
チーズの塩気と酢飯・玉子の甘さに香ばしさが混ざった初めての感覚。また食べたい逸品でした。

一見、冬と相性が悪そうな立ち飲み×寿司ながらも、メニューには豊富な日本酒やおでんもあるので、寒い時期にでも楽しめそう。

今度はぜひともゆっくりと食事するつもりで訪れたいお店でした。

ちなみに、1貫分の計算を間違えて早速の1,000円オーバー勘定でした。

【3店舗目】幸楽(五反野)

寿司も食べたところで、そろそろ上野から移動しようと「どの街でせんべろするルーレット」を回す。

…出たのは五反野!田ではなく野です。
上野からは、東京メトロ日比谷線から直通でスーパーランドマーク・東京スカイツリーに行く時に乗ることでお馴染みの東武スカイツリーラインにのり15分ほど。

駅の目の前にマクドナルドもある
左側に見える自転車屋さんはセール中でした

もちろん、行ったことはありませんし、こういうときでしか行かないと思っていたものの、街並みを見ても遊びで行く街ではなさそう…
しかし、落ち着いているながらも程よくお店があるので、住み良さそうな予感がします。

事前にリサーチしていたお店が閉まっていたので、電車内で新たにリサーチした駅前の居酒屋「幸楽」へ。

珍しく中華屋じゃない「幸楽」

地元民に好かれていそうなビジュアル。
昼は定食もやっているそうですが、店内は地元民らしきおっちゃんやおばちゃんが飲み始めていました。

と、いうわけで乾杯。
お酒は店名が入った「幸楽ハイボール」をチョイス。しっかりと飲みましたが、何が幸楽ハイボールたる由縁なのかはわからずでした。

こういうお店だと、頼んじゃうんですよね……ハムカツ。

あとは、ボリュームたっぷりで満足感の高い厚揚げ焼きも良かったです。

3品できっちり980円。落ちついて飲める、地元にあったら通いたくなるお店でした。
余談ですが、このあたりから滞在時間は完全に忘れていることをお伝えします。

【寄り道】街の酒屋さん

ここでタバコが吸いたいという1人が見つけた、店頭に灰皿があるお店の前に。

それが酒屋さんだったので、タバコを吸わないメンバーで暇つぶしに入店。

酒屋さん
酒屋さん

タバコを吸い終わった1人が冷蔵庫のビールゾーンにスッと近寄り。
「これ、美味いのに珍しいから全然見つけられないんだよ」と迷いなく麦のワインことバーレイワイン・ウィートワインを購入。

三角錐の青いやつと白いやつがそれ

俺は最近、クラフトビールをいろいろと飲んでみるのが好きなので、この2本を購入。

ペールエールと黒糖スタウト

不意の寄り道でしたが、いい時間でした。

【4店舗目】cafe satsuki(五反野)

と、寄り道したばかりながらも、午後3時頃だったので甘い物を求めて喫茶店を探すことに。

そこで見つけたのが「cafe satsuki」、コンパクトながらも可愛らしいお店でした。夜はバー営業もしているそう。

この並びに、見たことない名前のカラオケ屋が2軒ありました。

レジ横においてあるケーキはどれも美味しそうでした。

そんな中で、迷いながらも抹茶のマフィンとホットコーヒーを注文。
マフィンは抹茶の風味で甘くなりすぎず、飲酒と飲酒の間に挟む甘味としてちょうどよかったです。上にかかったホワイトチョコもいいアクセント。

アルコールの後に飲むコーヒーは美味い

このイベントの計画中に存在を知った駅で、酒を飲んで酒屋に寄って、ケーキを食べて…と街の良さを楽しんだところで、五反野を去りました。

もちろん、cafe satsukiでも1,000円以内をキープ。(べろではないのですが)

【5店舗目】タカラ湯(北千住)

この時点で、午後4時が見えていたのでルール(4)を適用して、銭湯を目指して移動。

歩きながらすかさず撮った

今回は、北千住駅から少し離れた「タカラ湯」へ。
歩くには遠いので、(特に)数人で行く場合は駅からタクシー移動がおすすめです。ワンメーターには収まらないものの、たしか800円くらいでした。

タカラ湯は縁側に定評があり(陵南の池上ばりに)、外観からも溢れる風情が感じ取れるため、ドラマの撮影地にもよく使われるそう。

最近だと、仮面ライダーリバイスで有名とか
リバイスは観たことないのですが、Wと555が好きです

もちろん、脱衣所や浴場は撮影できないので写真はあるわけがないのですが、下町スピリッツなのかやや熱めの風呂は、この後も飲酒をするという断固たる思いを持った我々の身体をリフレッシュさせてくれました。

風呂上がりはコーヒー牛乳かフルーツ牛乳を…とも迷ったものの、この日ばかりはビールを一発決めました。
火照った身体、冬の訪れを感じる風、冷えた黒ラベル、最高です。

ここでいい感じに日も落ちてきて、北千住駅付近に戻りつつ、後半戦をスタートさせます。

いちおう、ここも入浴料・タオルレンタル含めて1,000円未満で。

【6店舗目】さかづきBREWing(北千住)

ここでルーレットを…と思ったのですが、下調べをする中でぜひとも行ってみたいお店があったので、そこに移動。

商店街から1本横道に入ると現れるのが…

ビールの醸造設備!

ここは醸造所(ブルワリー)が併設されたお店で、1階は醸造所を目の前にした立ち飲みスペース、2階は料理も注文できるレストランになっています。

1階は狭いながらも我々以外で常に数人のお客さんがいて、レストランへ入っていくお客さんの何組もいました。

というわけで、カウンターにて気になるビールを選び、グラスに注いでもらって…

このビールたちの故郷である設備を見ながら乾杯。

俺が選んだのは「虎の尾」というペールエール。
程よい苦味と、ペールエールらしい柑橘系の風味、ピリッとしたスパイスの刺激が感じられてる、特徴的な1杯でした。

もうビールはいいかも…と言っている2人を尻目に、2杯目の「時間泥棒」へ。
抑えめのアルコール度数と、ほんのした甘さ・香ばしさから優しさが感じられ、長時間ダラダラと飲んでいられそうな時間泥棒っぷり。

とは言うものの、今日はまだまだ色んなお店に行ってみたいので、名残惜しくもここで出発することに。
今度はレストランの方にも行きたい。

ここでは、2杯頼む時点で1,000円未満は諦めてました。

【7店舗目】久助(北千住)

お店を出る前にサクッと「北千住せんべろルーレット」を作成して回したところ、選ばれたのは北千住駅近くにお店を構える久助。

にじみ出る、いかにもな居酒屋感

店内は外から見た印象よりも広く、テーブル席あり・カウンター席ありで、少人数でも大人数でも楽しめそうなお店でした。

夜になり気温が下がって来ていたので、焼酎のお湯割りを頼んで乾杯。
つまみには、お酒に合うこと間違いナシな青唐辛子の串焼きと、ガッツリ感を求めて鶏皮餃子を注文。

奥に見えるタコの唐揚げも含め、3人で分け合って食べました。
鶏皮餃子もタコの唐揚げも、どこにでもあるわけではないものの、置いてあるお店だとだいたい美味しいですよね。
特にタコの唐揚げは、唐揚げ界の中で最もレモン汁が合うのではないかと勝手に思ってます。(写真にない料理を熱弁)

その一方、念願の味噌汁を疲れが見え始めた身体に注ぎ込んだ男もいました。

北海道料理もいくつか出しているみたいなので、またゆっくり来たいお店となりました(同じような事ばっかり言ってる)。

そろそろ終盤戦に向けて移動するか…と、ここもしっかりと1,000円未満でお会計完了。

【8店舗目】すばる(三ノ輪)

最後の移動にするかも…と話しながら回したルーレットで出たのは三ノ輪。
それどこ?と言う方も少なくないかもしれませんが、東京メトロ日比谷線で南千住の隣り、都電荒川線の端っこ・三ノ輪橋駅からすぐ近く、地図で示すとこのあたりです。

台東区と荒川区の狭間くらいらしい

リサーチ済みのリストを見て、三ノ輪駅近くにあるらしい良さげな店を目指します。

照明はバッチリな割に人の気配が少ない商店街に足を踏み入れつつ、googleマップが示している地点に行ってもお店がない…!

あたふたうろうろしながらドロボーの侵入に気をつけていそうな路地に侵入したところ…

ありました!
区画整理の過程で大通りからの道がなくなったよう、わかるか!

ですが、お店が狭い上に、常連と思しきお客さんでぎちぎち。外まで笑い声が響くほど盛り上がっていたので超絶新規にもほどがある我々は入り口の扉に手をかけるまでもなく撤退。

リサーチしていたもう1つのお店へ。

どっちの料理を推しているかよく分からない上に過去最高に飛んでいそうなチキンの看板を横目に見つつ、駅へ戻って反対側に歩くこと4分ほど…

目的地のお店に到着。入り口ではマリオが不穏にぶら下がっていますね。
店内のテレビではワールドカップが流れており、おっちゃんたちがダラダラと飲みながら観戦していました。(もちろん、お店の人も観戦していました。)

と、いうわけで乾杯。

このお店はショーケースのような冷蔵庫から希望のつまみを選び、お酒や温かい料理の注文と併せてレジで前払いするシステム。大学の学食を思い出しました。

料理がショボく見えてしまうのは仕方ない

マグロほろほろ煮は濃い目の味付けで酎ハイが進む。
これで100円はコスパ○。

マカロニサラダはどストレートな家庭の味。

炭酸系のお酒には揚げ物が合うってことで、餃子の皮でチーズを挟んで揚げたチーズカリカリも。

全体的にこじんまりとしているので、1件目には選ばないな…と思いつつも、お店のゆるい空気感と安い価格帯は、近所にあったら飲み会をしたものの飲み足りない日に寄っちゃいそう。

もちろん1,000円に収まる金額でお会計。


三ノ輪で終わりにする案もあったものの、他に良さげなお店がなく、直前のお店もラストっぽくはなかったため、ラストにルーレットを回して移動することに。

【9店舗目】おでん屋たけし(日暮里)

そこで出たのは日暮里。
行けばどうにかなりそうな大モノ駅かつ、三ノ輪からすぐ、そして三ノ輪より帰りやすいという良い引き。

リサーチ済みの良さげなお店に行くものの、直近で閉店しており貸店舗と化していました。
駅からすぐの好立地なので、日暮里で飲み屋を開きたい方はいかがでしょうか。オープンしたら呼んでください。

気を取り直して、駅前で見かけていたおでん居酒屋へ。
チェーンらしいけど、時間も遅くなってきたし、寒いからおでんも食べたいしで、仕方なし!

ここで初めて見た、厚焼き玉子のおでんが美味しかった。
出汁巻き玉子に追加で出汁を吸わせたような仕上がりで、冷えた身体に温かい出汁がこの上なく染み渡る。

ここで本日ラストのお会計。
金額には気をつけていたものの、お通し代により完全に1,000円をオーバー。1日の締めにしてチェーン店の洗礼に遭いました。

お店を出て日暮里駅から各自帰路へ。帰宅したのはたしか23:30ごろ。
集合が12:00だったのでほぼ午後まるまるのせんべろ巡りでした。

まとめ

事前に用意をして動き回ったこの休日で、いろいろ学べた気がします。(別の機会や他の人の生活のためになるかは置いといて)

  • 下調べは裏切らない

  • アメ横はバリエーション豊富なせんべろスポット

  • ルーレットに行き先を委ねるだけで非日常感が顔を出す

  • こういうときでしか行かない駅が楽しい

  • 飲み歩く途中の銭湯は格別

  • 醸造施設を見ながら飲むビールは美味い

  • 知らない店が地元民で混んでる時は心の中で小さくガッツポーズが出ちゃう

  • ストイックせんべろ最大の敵は生ビールの容れ物指定とお通し代

大人になっても、工夫すればただの飲み会ではなくイベントになると感じた1日でした。

冒頭に貼ったルーレットはどなたでも使っていいので、ブックマークしてアレンジするなりでご自由にお使いください。

第2回も開催したいと思っているので、もしこれをお読みの方で東京近郊で飲み歩くのにおすすめの街・沿線・エリアがある方はコメントなりTwitterなりで教えてもらえるとありがたいです。

長々と書いてしまいましたが、若おじさんたちの休日を見守ってくれてありがとうございました。

それじゃ、また。


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