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物食日記

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美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。
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2023年4月の記事一覧

疲れ果てたときのパスタ帖

疲れ果てたときのパスタ帖

一日中外で刃物を扱い、高い所に登る危険な仕事をする毎日。ときには映画『レオン』のジャン・レノみたいに掃除を遂げ帰宅したとたん緊張感が緩んで座りこみ呆然と何もしたくない日もある。それでも風呂を沸かし、洗濯し、家根裏に干すルーティンを粛々と進める。そして晩御飯の準備。米を研いで鉄鍋で炊く場合はおかずをどうするか。そこで思考停止に陥いる。

そんな疲労困憊した夕暮れはお助け本にすがる。写真家・萬田康文さ

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ぼくの葉山芸術祭

ぼくの葉山芸術祭

今週末からG.W.に向けてさまざまなアーティストの自宅やアトリエなど葉山や逗子のあちこちで展示が本格始動する葉山芸術祭。

毎春、この時季になると、どこへ観に行こうかソワソワしてしまう。

まずは友人の写真展には足を運ぼうかな。

佐藤ショージさん宅外壁の『葉山の風景』展。
ミヤジシンゴさんアトリエでの『暗室で写真展』。

ブルースオズボーンさんの野外展示『nature calls』。

これは何

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雨のウェンズデー

雨のウェンズデー

雨の水曜日。朝早くから全身濡れて黙々と掃除仕事。午後は横浜での会議に参加。鎌倉から金沢文庫を経てバイクで国道16号を北上。雨に加えて強風が吹き始め、休憩を兼ねて雨宿りに横浜・谷津坂のロイヤルホストにエスケープ。

世界でいちばん好きなファミレスなのに、家の近くには無く、寄れたのはいつ以来だろう。

午後3時前の店内は静かで、ラウンジ感がいっそう増している。深く腰かけたら悪天候で波立っていた気分がた

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色合わせ

色合わせ

ぼくはミリタリーマニアではないけれど、武骨な道具がまとう色には、控えめで汚れを気にせずに日用使いできるカーキが相応しいと思う。

頑丈な足クロスカブ110ccはカーキ色。荷物を納め運ぶ箱も同色にするのが無難だけど、あえて工業製品っぽく素っ気ないグレーを選んだのは、さりげない調和を良しとする嗜好から。

そのコンテナにはPAC FABRIC DYEの染料で染めた80年代のボート&トートを。このカーキ

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ボート&トートを染める

ボート&トートを染める

つい先日、80年代に国際FAXで北米メイン州から取り寄せたL.L.Beanのボート&トート、ミディアムサイズ(重さ約500グラム)を家の納屋にて発掘。

長らく放置している間に埃まみれで黒ずみ、ペンキなど汚れがあちこちに付着。薄情な扱いを謝り、油汚れを落とす強力な洗剤で洗濯。

その勢いで藍色に染めてしまおうと以前、黄ばんだ麻の白シャツを染めた染料に漬けた。ところがうろ覚えのまま、水量と水温、さら

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フジのちコーヒー&ケーキ

フジのちコーヒー&ケーキ

横須賀しょうぶ園のフジが満開。というか枯れ落ち始めていると聞き、あわてて観に行った。例年以上に暖かく、花は2週間近く早めに咲いている。大きな気候変動に伴い、以後は植物の手入れも前倒ししていかなくては、と実感。

青紫が茂り垂れる藤棚は夢のように美しい。陶然と眺め惚けるたびに我が家の小さな裏庭にコンパクトな藤棚を設けて酒を呑みながら昼寝できないられないかと夢みてしまう。

快楽に溺れそうなパーゴラに

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LIFXのスマート電球

LIFXのスマート電球

アイデアに多くの賛同、支援を受けて10年前にオーストラリアで起業したLIFX(ライフエックス)社。Wi-Fi経由スマホでON/OFF、光量の強弱、色温度を自在に操れる同社のスマート電球をビックカメラの貯まったポイントで購入。

スマート電球を買うのは初めてで、ユーザーの評判を参考に約2,000円のLIFX製品を選んだ。スマート電球としては値段が手頃なのは白色から暖色系へと調整可能な色幅が限られてい

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ブリスケットのコンビーフ

ブリスケットのコンビーフ

自分には未知だけど、アメリカではカジュアルな食材である牛の肩バラ肉「ブリスケット」に関心が湧いている。じっくり漬けこんだり、手間と時間をかけて焼き上げいくと極上の美味しさに昇華するようだ。

アメリカのマニアックな食文化と味わいを知りたくて葉山で本場の旨さを探求する研究所的バー「808LAB」へ仕事帰りに寄った。2週間前ほど友人とここで呑んだ際、オーナーの宇野さんから佳いブリスケットを独白なコネで

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土間ライフ

土間ライフ

小さく長方形の我が家。一階の床は大半がコンクリートの基礎が剥き出しになっていて、京都の古い長屋みたいに靴を履いて料理をしたりベンチでくつろぐ。

猫の額ほどの庭と土間がゆるやかにつながり、毎日キャンプしているような室内、屋外の境が曖昧な生活を楽しんでいる。

採光のため地面近くに設けた南側の窓からは庭に植えたり、自然と繁茂する草花が観られ、食事したり、コーヒーや酒を呑みながら雑然、混沌とした緑の景

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葉山のアメリカ

葉山のアメリカ

葉山町木古庭(きこば)にあるアメリカンレストラン「Sunny Side Kitchen」。4年前の開店以来、存在が気になっていたものの、なかなか食べに行く機会を逸していた。葉山のバー「808LAB」の宇野さんのリコメンドに背中を押され、ようやく初訪問を果たせた。嗜好が通じる他者の口コミはまさしく信頼できる。自分が信じるその法則は今回も正しかった。

横須賀の街と隣り合い、ベースにも近いこの店は葉山

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雨の読書

雨の読書

土曜・祝日出勤が当たり前の造園業界にあって、鎌倉にある今の職場はお彼岸やお盆、年末年始を除いて基本、両日ともお休み。日給月給の給与体制だから、そのぶん収入は減っちゃうけど、怠け者の自分にはそのくらいのペースがちょうどいい感じ。大雨降った土曜日は身体を休めながら家にこもって読書三昧。本当はお気に入りの店に出かけたいけれど雨を理由に辛抱できる。そんな佳きめぐり合わせ。

早朝からの雨音が心鎮めてくれる

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DP3Merrillで散歩

DP3Merrillで散歩

ISO感度は400が限界。1ショットあたりのデータ量が膨大ゆえバッテリーの消耗が速い。シグマ純正のアプリによるRAW現像はとても時間がかかる。10年前に発売された、そんな面倒で超個性的なオールドデジタルカメラ『シグマDP3 Merrill』を今も散歩の友に携えている。独特の描写に魅せられ続けているからだ。

たまたま手にしたアートディレクター・清水シンゾーさんデザインのカタログ。セイケトミオさんが

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4月のダイヤモンド富士

4月のダイヤモンド富士

ここ数日、葉山に暮らす知人たちが、富士山山頂に夕陽が落ちる『ダイヤモンド富士』の写真をインスタにアップしていて、今はそんなタイミングなのかと気づいた。いつも参照しているサイト『富士山とともに』を覗いたら昨日は家から近い葉山一色海岸が鑑賞に適したポイントだとわかり、仕事から戻ってひと風呂浴びて日没の5時55分を目指してビーチに向かった。

陰翳が劇的なこの小径を歩いて行くのは久しぶりだなぁ。海からは

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友人と近所バーへ

友人と近所バーへ

家から歩いて10数分で行ける葉山下山口のバー「808LAB」に出会えたのは1週間前の日曜日。店主、宇野さんの嗜好に魅了され、植木仕事仲間の友人に熱く語ったら、すぐ行きたい!と熱望された。友人はアパレル業界で長く仕事したのち50代でキャンプ料理をコンセプトにした飲食店を開店しようとしたものの、コロナ騒動で諦め、造園業に転じた。なんとなく宇野さんの経歴と通じるものを感じて、二人を引き合わせたいなとぼく

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