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葉山のアメリカ

葉山町木古庭(きこば)にあるアメリカンレストラン「Sunny Side Kitchen」。4年前の開店以来、存在が気になっていたものの、なかなか食べに行く機会を逸していた。葉山のバー「808LAB」の宇野さんのリコメンドに背中を押され、ようやく初訪問を果たせた。嗜好が通じる他者の口コミはまさしく信頼できる。自分が信じるその法則は今回も正しかった。

横須賀の街と隣り合い、ベースにも近いこの店は葉山町というより横須賀を向いた一軒なのかもしれない。心地佳い空間、美味しい店への嗅覚が鋭いベースの連中が贔屓にしているという噂通り、この日も客の半分はアメリカ人で、店内には英語が飛び交っていた。

アプローチのトタン小屋から薫る芳香にまず惹かれた。コストコやamazonなどでも販売している大型BBQグリルSMOKE HOLLOWの佇まいにときめいてしまったのだ。これでじっくり焼きあげた柔らかな牛肉や鶏肉を供しているのかと見入りながら、ついさっきまで観ていたamazonオリジナル映画『ウイング・アンド・プレイヤー』のシーンを思い返した。アメリカの地域で催される本格的なBBQグリル大会。その情景が具現したようで、不思議な既視感を覚えた。こんなグリルで週末は家族や友人とBBQパーティーをひらいているのかなと妄想。


豪放でありつつ丹念に炭火焼きし、自家製の自慢ソースを和えてとびきりな味わいも追求する。いまだ知らないアメリカの日常、食風景に想いを馳せ、彼の地へと心がトリップした。

上質でモダンなインテリア。隣客はまさにさきの映画に登場したアメリカ人の家族そっくり。ひとつひとつの備品や眩い陽光あふれる窓越しに草の繁茂を眺めつつ、ここはおおらかにアメリカを表した自分の大好きな場所なんだと実感。とりわけ庭が間近なダイニングの間取りが我が家の土間に通じるものがあり、植物の配置工夫を参考にしようと眼に焼きつけた。

訪れる前は日本では口にする機会が少ないけれど、アメリカではBBQグリル料理の超鉄板っぽい牛の肩バラ肉『ブリスケット』をいただこうとぼんやり考えていた。けれど、値段に腰がひけて(笑)グランドメニューの定番『サニーサイドバーガー』と瓶ビールをチョイス。ハラペーニョをトッピングした肉は調味料を厳選し、丁寧に焼いた旨さで感動。想像だけでない、リアルな本場を体験した気分に酔えた。

葉山のアメリカ。月イチの贅沢な食旅行。次回はブリスケット一択で、ランチを堪能しに行きたいな。葉山一色から三浦アルプスの尾根を木古庭付近まで歩き抜けてアクセスっていうプランも楽しそう。必ず実現しようっと。

Sunny Side Kitchenは子供の食育のためにクッキングクラス(ワークショップ)を主催しているけれど、6月にはコストコで買ったステーキ肉を家で美味しく焼く方法を大人向けに教えてくれる予定。このクラスにも興味津々。

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