<5月と空>そんなときは土手に行ってみたら
朝から降り出した雨はほどなく止んだけど、雨のあとの冴えない空模様を、家の窓ごしにずっと眺めていた。今日も、特にすることがない。
どんよりとした味気ない空なんてあんまり好きでない。なのにそんな空を見ているとまるで自分の姿を見ているみたいで、ため息しかでない。
そうしていたら今日もいつのまにか終わってしまいそうで、ふとした焦燥感にかられた私は、空を見ることを言い訳にして、外に出ることにした。
目的地なんて、ない。何も考えずにぶらぶらしているうちに、川の土手に自然と足が向かう