多様性はややこしくて楽じゃないけどー 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んで
楽ばかりしてると無知になる
仕事の関係もあり、「多様性」ということについて考える機会が多い。
そんな中、最近読んだ、
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という本に書いてあった冒頭の言葉にガツンと心を打たれました。
「多様性」は楽じゃない
この本は、イギリスで暮らす著書のブレイディみかこさんが、人種も貧富の差もごちゃまぜの中学校に通う息子に起こる様々な出来事を書き綴った物語です。
「多様性」とは何かを言葉だけでなく、実際に自分ごととして肌で感じている息子さんのエピソードは、たくさんのことを考えさせてくれました。
そんな中でとても印象に残ってるのが、
友達同士が人種差別や偏見の問題で揉めてばかりいて、そのはざまで板挟みになり悩んでいる息子が持った「多様性」への疑問について、ブレイディみかこさんが答えるシーン。
そんな疑問をぶつけられたブレイディみかこさんは、
と答えます。
そう言われた息子はさらに
と聞いてきます。
そこでブレイディみかこさんが言った言葉。
この言葉を見た時、なんだかとても素敵でカッコいいなと思ったんですよね。
「多様性は大切だ」と、口で言うのはとても簡単なことです。
でも、実際には自分と違う人が目の前に現れたら、なんの偏見も持たずに真っ直ぐ向き合えるかといったらそんなことばかりではないはず。
きっと、理解しようと思えば思うほど、大変なことも多くて、しんどいこともたくさんあると思います。
ただそれでも、相手のことを知ろうと学び続けること、行動し続けることが大切なんだなと、改めて思わせてくれました。
「わからない」と正直に終わるのもリアルでいい
この本はブレイディみかこさんと息子の物語を通して、人間関係や多様性、社会問題について考える「ヒント」をたくさんくれました。
すごい大切だなと思ったのはこの「ヒント」をくれる、ということ。
明確な「答え」を教えてくれるわけではないのだけれど、それこそがこの本の魅力的なところなんだろうなと思いました。
そもそも、多様性のような複雑な問題は、簡単に「答え」が出せて、白黒がはっきりつけられるものではないはず。
本の中でブレイディみかこさんが息子に、
と言っている場面があったんだけど、まさにこの本はそんな風に書かれたものなんだろうと思います。
簡単には、答えはわからない。
その前提で、それでも考え続けることが大切なんだと、そんな勇気をもらえる素敵な本でした。
読んでくださりありがとうございました😊 ほんの1ミリでも良いので、あなたの行動や考えに影響があれば嬉しいです。