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最近のヒット曲にイントロがないのはなぜ?「読まれる文章術」にも共通するその理由

コンテンツが世の中に溢れる現代では、音楽も文章も「最初のつかみ」がとても大切になっているそうです。

なぜ「つかみ」が重視されるのか。
気になったので、音楽と文章の共通点について考えてみました。

曲は最初の5秒で判断される

最近知ったんですが、
サブスク時代にヒットする曲には、普通の曲には存在する、あるものがないそうなんです。

LiSA 「紅蓮華」、YOASOBI「夜に駆ける」、Ado「うっせぇわ」、米津玄師「Lemon」、King Gnu「白日」…

皆さんもきっと、一度は聴いたことがある大ヒット曲たち。

これらの曲の共通点、皆さんはなんだかわかりますか?



実はこれらの曲、全てイントロがないんです。

言われてみれば確かに、全ていきなり歌から始まります。

でもどうして、ヒット曲には、共通してイントロがない曲が多いんでしょうか。

2020年版の「インターネット白書」では、こんなデータが出ています。

「サブスクの音楽配信サービスは、曲が始まって最初の5秒で24%がスキップされる」

つまり、聞いている人の4人に1人は、最初の5秒でその曲を判断して、聞く必要がないと思ったら次の曲に切り替えてしまうということです。

では、その5秒で聴いている人にとどまる決断をしてもらうためには、どうすればよいのか。

その一つの答えが、「イントロを無くす」という手段だったんです。

再生してすぐ歌に入ることでインパクトを出し、聴いている人が「この曲聴きたい!」と判断する確率を高める。

そうすることで、より多くの人に聴いてもらうことができ、結果的に曲も大ヒットしていたんですね。

SNS時代の文章は0.2秒の戦い

このサブスクのヒット曲のイントロがないという共通点。

これって、SNS時代の文章術が紹介されている竹村俊助さんの「書くのがしんどい」という本にも、似たようなことが書いてあったよなと思って、ちょっと読み返してみました。

前に読んだ時に僕がラインマーカーを引いていた一文。

これだけコンテンツがあふれているなかでいちばん有効なのは「冒頭、1行目でつかむ」ことです

今の時代、「最後まで読んでもらえればわかるのに」という文章では、中々「読む」という土俵にすらのってもらえない。

だから冒頭で先制パンチを浴びせるために

・一行目に「強い言葉」をいれる
・「読み手のメリット」をいち早く示す

といったことが大切になってくるのだと書かれていました。

これってつまり、読んでもらえる文章=イントロなしでいきなり歌(本題)に入る文章ってことですよね。

ちなみに竹村さんは、SNS時代は「0.2秒のコンテンツ戦争」だと表現されていました。

そうなると、音楽よりも、文章を読んでもらうハードルってさらに高いんですね。

逆にいえば、そんな中で自分が書いた文章を読んでもらえることは奇跡的で、感謝しかないんですが。

サブスク時代に聴かれる音楽も、SNS時代に読まれる文章も、その法則は共通している。

サブスク時代のヒット曲のように書く。

何となくそうイメージしたら、一行目から読み手の意識をつかむ文章を書くヒントになりそうな気がします。

冒頭、1文が勝負

コンテンツが大量にあふれる今の時代は、いかに早く、相手の心を掴むかが、どのジャンルでも本当に大切なことなんですね。

もちろん音楽も文章も、素敵なものはイントロが長かろうが、前置きが長かろうが、最後まで聴いたり読んだりしてもらえるとは思います。

でも、僕にはまだそんなスゴイものを作る文章力も自信も、正直ありません。

なのでせめて、入り口から中を覗くだけで「これはないな」とすぐにお客さんが帰ってしまうような、そんな寂しい文章にならないよう、最初のつかみの技をもっと磨いて行きたいなと思います。

皆さんも、これからの文章は思い切ってイントロ無しで、冒頭、1文目から歌いだすようなイメージで書いてみてはいかがでしょうか。

〈参考文献〉

インターネット白書2021
https://iwparchives.jp/files/pdf/iwp2020/iwp2020-ch01-01-p030.pdf


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