日常生活のなかの、いつもの「運が悪い」を、マインドフルネス習慣によって変えてみませんか?
前回の記事では、健康になるためには、ストレスの捉え方を変えることが大切だということについて書きました。
予測したところで結果的に思った通りにはならない、確実ではない、すなわち「不確実」であるということが「ストレス」になるということに関して、「マインドフルネスの母」とも呼ばれているハーバード大のエレン・ランガー教授は、『マインドフル・ボディ』という著作のなかで、
「予測や推測が可能だというのは幻想にすぎない。それを忘れがちなのは、私たちがマインドレスだからだ」
とし、「多くの可能性にマインドフルに向き合えば、推測は実際には難しいということも納得できる」が、「ものの見方が硬直化していると、推測の誤りは見過ごされて、推測が可能だという幻想を持ち続けることになる」と述べています(注1)
そして以下のように述べていることは傾聴に値します。
また「心こそが健康を決める主要な鍵であることと、心の持ちようを変える簡単な介入によって健康を劇的に改善できる、ということを示すために」研究を始めたというエレン・ランガー教授は、「マインドフルネス」を、
「「積極的な気づき」という単純なプロセスであり、特に瞑想を必要としない」
とし、
とも述べています。
そしてエレン・ランガー教授が「私が「マインドフルネス」という言葉を使う時は、これが重要な点だが、身体の状態にも言及している」とし、
というような「心と身体の一体性」について言及しています。
「心と身体の一体性」とは、簡単に言えば、「心」と「身体」は「一体」であるため、そもそも別のものとして区別出来るものではなく、お互いが影響し合う、切っても切り離せない関係にあるということなのですが、ランガー教授は『マインドフル・ボディ』のなかで以下のように説明しています。
またランガー教授は「マインドフルネス」を「健康」に活かすカギは、「変動制」に注目することだと言います。
この「変動制」に注目するとは、
と述べられているように(注2)、分かりやすく言えば、血圧や血糖値、体温といった、健康かどうかを判断するための数値は一定ではなく、痛みやかゆみなどの症状も含め、身体の状態は常に変化しているということに気づくということです。
つまり、血液検査などで一部の数値が高すぎたり低すぎたりして落ち込んだとしても、もしくは痛みやかゆみといった症状が体の一部にあって不安を感じたとしても、ずっと同じように続くわけではない……すなわち常に変化しているということに気づくだけで、健康に対するコントロール感覚が増し、ストレスを減らせるということなのです。
「セルフ・コンパッション」の習慣が健康に寄与する。
もうひとつ、「健康」になるためには、「マインドフルネス」に加えて、自分自身を思いやる「セルフ・コンパッション」を実践するのもオススメです。
「コンパッション」とは、表面的な共感や同情のことではなく、思いやりや慈悲の心、他者を気遣い幸福を願う気持ちのことなどを指しますが、普段から自分自身や他人に対して、ダメ出ししたり否定的になったりするのではなく、慈しみや思いやりの気持ちを持って接するよう心がけると、日常のストレスにうまく対処出来るようになることにつながります。
先日Kindle出版いたしました電子書籍のほうではより詳しく解説していますが、「運が悪い」を変えていくために、この「セルフ・コンパッション」も実践してみてはいかがでしょうか?
注1 『マインドフル・ボディ』 エレン・J・ランガー 著 高橋由紀子 訳 徳間書店
注2 前掲書
次回へと続きます……😊
お忙しい中ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪