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ストレス緩和のために効果的な運動とは?【これからの免疫力を高める習慣19】

運動を日々実践することが免疫力アップにつながる、ということはご存じですか?

前回は運動によってストレスに強くなることが免疫力の低下を防ぐということについて述べました。


前回の記事でも述べたように、免疫力の低下の原因の一つは、慢性ストレスによってストレスホルモンの値が高くなることなのですが、定期的に運動することは、「闘争か逃走か」というストレス反応のループを抑えるために有効なのです。

このことに関して、精神科医のアンデシュ・ハンセン氏は、前出の『運動脳』のなかで、

 運動をしたからといってストレスを根こそぎ取り除くことはできないが、うまく制御できるようにはなる。運動を習慣づければ、脳のブレーキペダルが強化され、「闘争か逃走か」モードに入りにくくなるからだ。

と述べています。

アンデシュ・ハンセン『運動脳』

また、アンデシュ・ハンセン氏は、「ストレスと運動は、ほぼ正反対の作用を脳に与えている」とし、以下を挙げています。


「ストレスが増すと、つまりコルチゾールの血中濃度が高くなると、脳内で情報を伝達する機能が妨げられるが、運動は逆にその機能を高める」

「ストレスは脳の変化する特性(可塑性)を損なわせるが、運動はそれを高める」

「ストレスが高まると短期記憶(数分から数時間の記憶)が長期記憶に変わる仕組みにブレーキがかかるが、運動はその逆の作用を促す」


では、実際にどのような運動をどのくらい行うことがストレス緩和のために効果的なのでしょうか?

アンデシュ・ハンセン氏は、「研究で裏づける具体的な運動量や時間を示した絶対的なプログラムというものはまだ存在しない」としながらも、

ストレスの緩和が目的なら、筋力トレーニングよりも有酸素運動のトレーニングのほうが効果がある。もし体力に余裕があれば、30~45分続けよう。

としています。また、

週に少なくとも2、3回は心拍数が大幅に増えるような運動をしよう。たとえ動悸が激しくなっても、脳はそれが恐怖から来るものではなく、プラスの変化をもたらすものであることを学習する。

とし、

 もし何らかの理由で心拍数を増やせない、あるいは増やしたくないのであれば、ただ散歩に出かけるだけでもよい。より活発に身体を動かしたときほどではないにしても、ストレスを抑える効果は望める。

と述べていることが参考になります。


このように、ストレス対策のためにウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を30~40分程度行うことは有効なのだというのですが、そうはいっても、

「だからといってあえて運動する気が起きない」
「以前はジムに通っていたが結局長続きせずにやめてしまった」

という方はたくさんいらっしゃると思われます。


このことに関して、たとえば神経科学者・認知心理学者のダニエル・J・レヴィティン氏は『サクセスフル・エイジング 老いない人生の作り方』(俵晶子 訳)のなかで、

運動の問題点の一つは、ダイエットと同様に、続けるのが困難な、野心的すぎる計画で始めてしまうことです。大多数の人は、興味を失ったり、つまらなくなったり、日常生活にうまく組み込めなかったりするせいで、そうした計画をやり通すことができません。

としています。

かくいう私自身も、かつては身体を動かすことがそれほど好きではなく、読書やPCでの作業などで、座る時間が長ければ長いほど、身体を動かすことが億劫になったものでした。


では、運動することが苦手な方が、無理なく運動を続けていくにはどうすれば良いでしょうか?

まず挙げられるのが、ハードな運動をするためにトレーニングジムにせっせと通うのではなく、近所を散歩したり、軽くウォーキングしたりするなど、最初のハードル設定を低くすることです。


次回へと続きます😊

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます💛💛💛


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