目覚めた人であるブッダを目指していくためには、日々、「瞑想」を実践していく必要があります。
しかし「瞑想」といっても難しく考える必要はありません。そして今すぐ「瞑想」するためのシンプルな方法のひとつは、自分自身の<いま>の呼吸を観察することです。
このことに関して、たとえばワールポラ・ラーフラ師は、『ブッダが説いたこと』(今枝由郎 訳)のなかで、
としたうえで、以下のように述べています。
そして、「身体に関する瞑想のなかで、もっともよく知られ、一般的で、実践的なのは、意識的呼吸法である」とし、さらに「意識的呼吸法のときは、「結跏趺坐し、背を伸ばして、心を集中させて」坐る必要がある」と述べています。
また、
とし、そのうえで、
と説明しています。
「呼吸」に関しては『ブッダの智恵で、脳ストレスを減らす生き方』で詳しく述べましたが、ブッダやマインドフルネスの呼吸法のポイントは、無理に自分でコントロールしようとしないことです。
つまり、「いま」の呼吸が浅ければ「浅い」と認め、深ければ「深い」と認めてあげることです。もしせわしなければ「せわしない」と認め、「ゆっくり」であれば「ゆっくり」とただ認めてあげるのです。
しかしこのように「いま」の呼吸をありのままに観察するというのは、慣れないうちはけっこう難しいのです。
なぜなら、吐く息と吸う息の出入りを観察しているつもりでも、注意が散漫になり、スマホのことが気になったり、休日は何をして過ごそうかなどと考えたり、もっと良い呼吸法はないものかと模索したりしてしまいます。
また、他人に傷つけられたという過去の嫌な出来事を思い出してそのことを反芻したり、未来の計画に対してうまくいくだろうかと不安になったりするなど、すぐに意識は呼吸以外の様々なことにとらわれてしまいます。
しかしすぐに挫折するのではなく「一日二回朝晩に、各々五-一〇分ほどこの瞑想を繰り返せば、少しずつ呼吸に集中できるようになる」ため、心の修行・修養のつもりで、毎日五分から十分程度、自分自身のいまの呼吸を観察する時間を何回か設けると、やがていまの呼吸を意識する機会が多くなっていきます。
つまり大切なのは最初から一時間続けようとして途中であきらめてしまうのではなく、必ず毎日、少しずつこまめに、ありのままの呼吸の観察を実践することなのです。
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