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エネルギー不足が免疫力の低下につながるワケとは❓【これからの免疫力を高める習慣27】

日常のストレスにうまく対処できれば、免疫力の低下を防げることはご存じでしょうか?

前回は慢性ストレスによる「アロスタティック負荷」と「免疫力の低下」の関係について述べました。


日常生活において不安や心配事など、精神的なストレスが多いと、その分、脳はエネルギーを消耗してしまい、次第に体内の限りがあるエネルギーに余裕がなくなり、結果的にエネルギー不足に陥ってしまうということです。

そしてそのことが免疫力の低下へとつながっていくのだと考えられるのですが、その免疫力の低下を防ぐためには「エネルギー」に注目することが大切になってくるのです。

しかしながら「エネルギー」というと、どこか漠然としていますが、このことに関しては例えば、以前の記事で取り上げたロバート・ハシンガー医師が、

「健康とは、免疫システムが正常に作動するのに十分なエネルギーが、体中にあふれている状態といえる」

「生体のどこかでATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー源が不足しているから、人間は病気になるのだ」

と述べていることが参考になります。

また前述したように、免疫学が専門の安保徹氏も『免疫力が上がる! やめるだけ健康法』のなかで、

「「生きるために必要なエネルギー」は、細胞内のミトコンドリアと解糖系という2つのエネルギーによって生み出されます」

と述べています。


つまり繰り返すようですが、「エネルギー通貨」である「ATP(アデノシン三リン酸)」や、その産生に関わっている「ミトコンドリア」を元気にする生き方が、免疫力の低下を防ぐためにより重要になってくるのです。

ミトコンドリア

また、精神的なストレスが多いとエネルギー不足に陥りやすいということに関しては、イギリスの心理学者で臨床心理士のジュリー・スミス博士が『メンタルマネジメント大全』(野中香方子 訳)のなかで、

 ストレス反応は、短期間で限定的なら最善の働きをする。しかし、環境が絶え間ないストレスをもたらし、自分ではその状況を変えることもストレスを軽減することもできない場合、体はエネルギーを使い果たしてしまう。ギアをセカンドに入れたまま高速道路を走るようなものだ。じきに車は故障する。

と述べていることが参考になります。

さらにジュリー・スミス博士は「ストレスが長く続くと、脳はエネルギーをあまり必要としない習慣的な行動を好むようになる」とし、「その結果、衝動を抑えたり、情報を記憶したり、意志決定したりする能力は弱まる」としています。

(このあたりのことは、いわゆる「依存症」とも関わってくるように思われます。)


また「慢性的にストレスを受けている間、アドレナリンは継続的に分泌され、免疫システムを支援している」のですが、「わたしたちが立ち止まると、アドレナリンの分泌は止まり、免疫システムは弱くなる」といいます。

そして、何か月も休むことなく働き通した人が、休暇を取った途端に倒れるという話を聞くのはそのせいだというのです。

ジュリー・スミス『メンタルマネジメント大全』(野中香方子 訳 河出書房新社)
ジュリー・スミス『メンタルマネジメント大全』(野中香方子 訳 河出書房新社)


次回へと続きます😊


ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます💛💛💛

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