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さざんかの咲く頃に 後編

※後編です。 運命の前日練習 1月13日、本番前日の練習会場は東大阪市文化創造館。奇しくもYYまつりで演奏した「TAKARAJIMA for Brass Octet」の初演会場です。  13日の朝もアクシデントがあり、集合時間の10時には全員が揃いませんでした。それでも、午前中には全員が練習場所に到着。実は8人がちゃんと揃ったのは、初合わせ(曲決め)、YYまつり本番に続いて3回目でした。これでよくここまで来れたなと、純粋に感心します。  "運命の前日練"と銘打ってスター

    • さざんかの咲く頃に 前編

       2024年1月14日に第51回奈良県アンサンブルコンテストに出場したOsk Kvell Uind 金管八重奏について、普通に振り返ります。 きっかけ そもそもアンコン出場計画が持ち上がったのはいつ頃なのか。それは2021年の1月、3年も前のことです。もちろん最初に言い始めたのは自分。当時自分は「おとつくらぼ」という演奏会に出演するため、一つ上の先輩4人と同期1人と一緒に金管六重奏に取り組んでいました。高校2年以来、久々にやる金管アンサンブルの楽しさに味を占めた自分は、大学

      • 定期演奏会でソロを吹かなかった話

        卒論に追われてるのにnoteまで手を出す馬鹿はこちらです。 交響曲第5番「フェニックス」 2023年12月10日、八尾市立文化会館プリズムホールで開催された「大阪教育大学吹奏楽部 第55回定期演奏会」。自分自身にとって吹奏楽部員として最後の本番でした。演奏会全体についての感想やらは別のnoteにまとめておりますので、興味のある方はそちらをご覧ください。  今回メイン曲として大教吹部が取り組んだ曲は、ジェームズ・バーンズ作曲、交響曲第5番「フェニックス」。吹奏楽界の巨匠バー

        • 「輝く」とは

          吹奏楽部員、卒業 大阪教育大学吹奏楽部 第55回定期演奏会、無事終了しました。ご来場いただいた方々や応援いただいた方々、本当にありがとうございました。この演奏会をもって、約4年間続いた私の「吹奏楽部員」という肩書きは完全に外れることになりました。短かったような、長かったような。  演奏会は、J.バーンズの「交響曲第5番」をメインに据えたボリューム満点のプログラムを見事に駆け抜け、500人以上の観客に見守られながら吹奏楽の楽しさ溢れる素敵な演奏ができたのではないかと思います

        さざんかの咲く頃に 後編

          ChatGPTに定期演奏会の嘘のプログラムノート書かせてみた

          なかなかのものが出来上がりました。 まえがき 先日出演させていただいたある吹奏楽団の指揮者の方が、自身のブログで「Chat-GPTが作成した曲目解説」というものを上げておられました。内容が結構面白かったので、ちょっとアイデアをお借りして「大阪教育大学吹奏楽部 第55回定期演奏会」のプログラムでも同じことをやってみようと思います。  やり方は簡単。ChatGPTに「〇〇作曲の〇〇(曲名)という吹奏楽曲のプログラムノートを書いてください」と指示するだけ。そうするとすぐに…

          ChatGPTに定期演奏会の嘘のプログラムノート書かせてみた

          老害化とたたかう

           時の流れというのは残酷なものです。自分はついこの前大学に入学したというのにあっという間に4年生、来年3月には卒業です。気づけば周りには後輩が増え、自分が中堅ところか集団の年長者であるケースも出てきました。ともすれば自分が"老害"になりかねない立場になってしまったことを記念し、自戒の意も込めて「老害にならないぞ!」という決意のnoteをここに記したいと思います。 定義づけ まずは"老害"のイメージを皆さんと共有したいと思います。←文字面だけ見るとすごいですねこれ。  自分

          老害化とたたかう

          持続可能な演奏会

           新しい演奏会が生まれたり構想が浮上したりしている今日の関西アマチュア吹奏楽界隈。それと同時に演奏会の乱立についていろいろと問題点も議論され始めています。個人的にそこら辺の話について思うことを少しまとめてみようと思います。 らっぱふぇ(Trumpet Festival) 関西…というか六大(阪神国公立大学吹奏楽連盟)特有の文化である、単一楽器による演奏会。通称"フェス系演奏会"。  一番の老舗であるトロンボーンフェスティバルは今回で23回目を数え、クラリネットやホルンなど

          持続可能な演奏会

          「レトロ」とは何か

           全国の吹奏楽民を驚かせ、そして魅了した2023年度全日本吹奏楽コンクール課題曲「レトロ」。今回はそんな新たな名作について、好き勝手にいろいろ語りたいと思います。 課題曲×ポップス 課題曲にドラムセットが登場するのは10年ぶりのことでした。前回は2013年の「復興への序曲『夢の明日に』」。日本の吹奏楽ポップスの祖である岩井直溥先生の作品です。岩井先生は2015年に亡くなったので、実質この曲は"遺作"のような位置づけになります。  課題曲にポップスが登場するのはとても珍しい

          「レトロ」とは何か

          再起動

          お久しぶりです。 なぜ戻ってきたのか 9月に入って永遠に続くかに思われた酷暑も段々と落ち着きを見せ始めました。個人的には大学生活最後の夏が終わってしまうことへの寂しさも若干あるんですが、今年の夏も熱中症で命を落とさずに済んだことへの安堵も同じくらいあるので、両者引き分けということにしていきましょう。  さあ前置きはこれくらいにしておいて、なぜ再起動してしまったのか。答えは簡単です。大教吹奏楽部に戻ってきたからです。  このnoteは大教吹部の「シルバ・スクエア」として思っ

          再起動

          それからというもの

           お久しぶりです。用があって帰ってきました。  今回は、引退後のお話と、わしとnoteのこれからについて少しだけまとめます。 納会  2022年12月14日、この日をもって、わしは大阪教育大学吹奏楽部を引退しました。おめでとうございますありがとうございます。最後の納会はなんだか少しグダグダでしたが、後輩の力強い所信表明を聞くことができてとても嬉しかったです。  この日、新部長を本当に久々に見たんですよね。納会の前、いつも通りの感じで「こんにちわ〜」って目の前に現れました

          それからというもの

          シルバ・スクエアとはなんだったのか

          「顧問だよね。」  わしが部員からどう見えているのか、その疑問の答えとして、いつか、誰かから聞いた言葉です。そうか、顧問か…。「顧問のいない吹奏楽団」として、この部を良い集団にしようと努力した結果、自分が顧問になっていたという最大のパラドックス。あんまり笑えませんね。  まあ、でも人生そんなものなのかもしれません。全部が全部うまくいっていたら気持ち悪いですもんね。そのときはそうやって、無理矢理に自分を納得させました。  振り返ってみたら、わしがこの1年間やってきたことは、

          シルバ・スクエアとはなんだったのか

          定演を振り返る Ⅲ

          いよいよシリーズ最終回。第3部、アンコール、そして終演後を振り返ります。 第3部 宇宙の音楽t=0  ホルンソロ、完璧でしたね。広島から見に来ていた高校の同期も「プロですか?」って言ってました。彼の母国語は日本語と音楽です。それくらい音楽で表現ができる人。今回のあのソロで完璧にそれが証明されたんじゃないでしょうか。 THE BIG BANG  1週間前の土曜日の鬼練で姿が見え始め、水曜日の合奏でついにその全貌を現した「ビッグバン」。なんとか本番に間に合いましたね。

          定演を振り返る Ⅲ

          定演を振り返る Ⅱ

          前回の続きです。今回は、幕間アンサンブルと第2部を振り返ります。 幕間アンサンブル金管8重奏 : 晴れた日は恋人と市場へ!  「!」までがタイトルです。リビエールホールで3回目の金管8重奏。個人的にはオーディションの失敗を取り返すべく臨んだ本番でしたが、これまでで一番楽しむことができました。やっぱり金管アンサンブルは楽しいですね。また来年もしようね。 サックス8重奏 : インフィニティ  ごめん、本番ほぼ聴けてないです。サックス8人集まってあんな曲やったら、そりゃ

          定演を振り返る Ⅱ

          定演を振り返る Ⅰ

          お疲れさまでした  第54回定期演奏会、無事終了しました。本当にお疲れさまでした。最後のミーティングでも話したとおり、素晴らしい演奏会だったと思います。たくさんの人から「良かった」との声をもらいました。  そして、これもミーティングで言ったように、いろいろ課題も見つかったと思います。それを活かして、必ず来年以降ステップアップしていってほしいと思います。  ということで、具体的に何が良かったのか、何が課題だったのか、忘れないうちにひとつひとつ振り返っていきましょう。広島から

          定演を振り返る Ⅰ

          決意の朝に

          ごあいさつ  おはようございます。ついにこの日がやって来ました。本当にあっという間ですね。水曜日にホール打ち合わせに行った際、リビエールホールのスタッフの方も「12月10日って…もうすぐじゃん…」って感じで静かに驚いていました。いやお前は驚かんでええねん。  冗談はさておき、今回はせっかくなので、本番当日だから書けること、本番当日のためになることを書いていきたいと思います。本番が始まるその瞬間まで、良い演奏会をつくることに全力を捧げましょう。 「リハーサル」の意味  

          決意の朝に

          金管n重奏の記憶 後編

          後編です。過去最長です。 はじめての金管5重奏  前回の投稿でお話した、ssが参加することになった2つのアンサンブルチームについて話していきたいと思います。まずは金管5重奏。曲は、ネーゲル作曲、「Jive for Five」。  クラシック曲の多い金管5重奏の曲には珍しいポップスの楽曲です。3つの楽章に分かれていて、それぞれ「スウィング」「ファンク」「ジャズワルツ」とブラックミュージックを題材にしたこの曲、聞けば分かるんですが、まあまあ個人技を必要とする楽譜です。  

          金管n重奏の記憶 後編