定演を振り返る Ⅰ
お疲れさまでした
第54回定期演奏会、無事終了しました。本当にお疲れさまでした。最後のミーティングでも話したとおり、素晴らしい演奏会だったと思います。たくさんの人から「良かった」との声をもらいました。
そして、これもミーティングで言ったように、いろいろ課題も見つかったと思います。それを活かして、必ず来年以降ステップアップしていってほしいと思います。
ということで、具体的に何が良かったのか、何が課題だったのか、忘れないうちにひとつひとつ振り返っていきましょう。広島から見に来ていたわしの高校の同期の感想も交えながら進めていきたいと思います。
開場まで
サマーコンサートを経験したこともあり、開場までの流れはとてもスムーズに進行したと思います。特に、当日係や構成係はサマコンの反省がしっかり活かされていて、当日の動きは素晴らしかったと思います。当日の動きはね。おかげでわしはしっかり自分の準備に時間を割くことができました。
反省点は舞台転換です。リハでも本番でも、とにかく転換に多くの時間がかかりました。これは本番中にも関わってくることですが、ここでまとめて振り返っておきましょう。意外と長くなったのでセクションに分けます。
2部→3部転換
まず、リハをした「2部→3部」の転換。リハで浮き上がった主な課題は、椅子と譜面台の確保でした。膨大な量の椅子と譜面台が必要になる3部。しかし、リハのときには転換が始まった段階では、椅子と譜面台は全然確保できていませんでした。そのため、並べ始めてから「足りない…!」という事態に。また、直前の出演キャンセルなどの影響で、使う椅子や譜面台の個数が配置図と異なるという現象も起きていました。
こんな感じで、なんかよくわからんミスが重なったことで、転換に時間がかかり、1部リハの時間が大幅に削られてしまいました。
この反省を活かして、本番では、転換で舞台上に増やす椅子と譜面台を事前に確保し、置き場所別(ベタとひな壇)に上手と下手に分けて配置しました。ちなみにこれは、某次期Saxパートリーダーの提案です。わしが開場前でバタバタしている中、しっかりと考えてくれていました。素晴らしい行動力と判断力だったと思います。結果的に、2部→3部の転換は、本番ではスムーズに行うことができました。
1部→2部転換
次に、リハができなかった「1部→2部」の転換。「椅子や譜面台の数がそんなに変わらないからいけるだろう」と完全にたかをくくっていたところ、本番で大失敗。大遅延を巻き起こす事態になってしまいました。具体的にどれぐらいの遅延だったかというと、1部が"5分巻き"で終わったのにも関わらず、2部開始は"5分押し"でした。つまり、「25分間の休憩」と言っておきながら、実際は「35分間」休憩していたことになります。休み過ぎや。
こんな事態を招いてしまった要因は3つ。「事前準備が足りなかった」「人が足りなかった」「転換要員の人選ミス」です。
転換失敗要因① : 前日までの準備不足
今回、転換メンバーに事前に配布した資料は、A4サイズ2枚分のレジュメと各部の配置図のみ。また、転換リハーサルについても、1部→2部はなんと0回、2部→3部転換も当日の1回しか行いませんでした。正直、準備は足りなかったと思います。
ですが、これはもう、わしの定演直前の時期の忙しさや日程の都合などから、これ以上事前準備を充実させることはほぼ不可能だったと思います。強いて言うなら、1部→2部の転換も当日にリハをすべきだった…?いや、それも難しいか。
転換失敗要因② : 転換要員の人数不足
転換要員が各パートから一人というのは、少し足りなかったのではないかとも思います。トランペットやトロンボーンはまだしも、クラリネットパートはバスクラとB♭クラで場所が違うし、バスパートなんかは楽器も場所も違います。これらを一人で担当するのはなかなか無理があったかな、というのが今回の反省です。ただ、数を増やせばいいってものでもないような気もします。
転換失敗要因③ : 人選ミス
ものすごいことを言ってるように見えると思いますが、誤解がないようにちゃんと説明します。今回、1部→2部の転換にあたったのは「1部の出演者」でした。しかし、当然この人たちは基本的に2部の配置を知りません。そして、2部のセッティングは、ベタはV字型、ひな壇も1部とは楽器の配置が大きく異なる特徴的なものです。いくら配置図やレジュメを用意したからといって、これらの人に「紙に書いてあるのを頭でイメージしてやってね」というのは酷な話だったのでしょう。これが、「人選ミス」という言葉の真意です。
ただ、この要因が前の2つのと違うのは、これはある程度防ぐことができたという点です。転換のとき、これから本番が控えているとはいえ、2部のセッティングは2部のメンバーにしてもらったほうが良かったのではないか。その方が、効率的に、しかも綺麗に並べたような気がします。これは、次回に向けたステマネの大きな改善点ですね。
いい感じに反省ができたところで、いつまでも転換の話ばかりしていてもつまらないので、そろそろ演奏会本編のお話に入りましょう。
幕前アンサンブル
打楽器5重奏 : くるみ割り人形
本当に編曲がいいですよね。それぞれの鍵盤楽器のサウンドを生かしたかわいいアレンジ。お客さんを迎え入れる「ウェルカムミュージック」としては、これ以上ないくらいのいいものだったと思います。クリスマス感が感じられたのも、個人的にお気に入りポイントでした。
本番前、舞台袖で打楽器パートの皆さんを見てたんですが、他のどのパートにもない唯一無二の雰囲気でまとまっているのが、見ていてとてもほっこりしました。現3回生が引退したあとも仲良く頑張ってほしいな。
管楽8重奏 : 鬼姫
突如始まるアンサンブルコンテスト(の雰囲気)。本当にこの人たちはものすごい勢いで上手くなっていきましたね。音ゲー(タイミング重視)的な要素も多い曲ですが、この曲を短期間であれぐらい吹きこなせるようになるのは大したものです。いつ聴いても、他の団体にはない、アンサンブルコンテストを見据えている「ギラギラ感」が感じられて楽しいですし、少し懐かしくもあります。高校の同期も懐かしさに悶えていました。
現時点での音楽のクオリティの高さに感心しつつも、これからもっと上手くなっていくんだろうなという期待も膨らみます。特に、中間部の表現はどう広がっていくのか本当に楽しみ。また機会があればぜひ聴きたいですね。そして、アンコンで良い演奏ができることを心から願っています。
第1部
ある英雄の記憶
曲が始まる前に一つ。指揮者、なぜ板付き(舞台にいる状態で開演すること)になってたんでしょうね。一応、タイムテーブルには「【指揮者】下手入り」と書いていたし、本人にも「サマコンと同じ感じで!」と口頭で伝えていたと思うんですが、何故か気づいたら指揮台の横に立ってました。コンクールの休憩明けの団体かな?
若干意味が分からない感じで始まった1曲目でしたが、演奏はとても上手くいったと思います。わしは個人的に、開演直前まで髪のセットに奔走していたこともあって、本番モードへの切り替えができていたかどうか怪しかったんですが、皆さんの集中力の高い演奏を聴いて、遅ればせながら本番の雰囲気にわしも溶け込むことができました。
たくさんのソロがあった今回の定期演奏会の中で、一番最初のソロがこの曲の中間部のオーボエソロ。前に座る彼の大きな背中を見ながら、これまで必死に頑張ってきた姿を思い出して、彼の音から音楽以上のものを感じていました。感慨深くなったわけじゃありませんが、あの8小節間は、まるでスローモーションのようにときが流れていたように思います。
そして、もう一つ印象的だったのが「Soar!」のトランペット1stのメロディ。わしが高校のコンクールでこの曲をやったとき、この箇所でトランペットが失敗してしまったので、個人的にその記憶がずっとこの曲にはつきまとっていました。ですが、今回の副指揮者の演奏でその記憶は塗り替えられました。堂々なまでの「Soar!」。高校の同期もあの演奏には同じような感想を抱いていたようです。「吹奏楽部トランペットのエースは俺だ」と音で証明してくれて嬉しかったです。
終わりなき歌
練習ではあまり取り組む時間が取れなかったこの曲。少々危なっかしい箇所もありましたが、それでも緊張感をもって、曲の持つ雰囲気を観客に伝えられたのではないかと思います。
トランペットソロは、すべて4回生の先輩。個人的に、金管アンサンブル(おとつくらぼ)でお世話になった大好きな先輩だったので、自分がリクエストした曲のソロを吹いてもらえるのはこれ以上ないくらい嬉しいことでした。そして、この先輩はやっぱり本番が一番うまい。また絶対にいつか一緒に音楽やりたい、そう思いながらソロの伴奏を吹いていました。
そして、やっぱり一番印象的だったのは副指揮者の表情。きっと、本番の指揮台でしか聴くことができない音、見ることができない景色があるんでしょうね。あふれる思いを噛み締めるように振っていた彼の姿がとても印象的でした。指揮も確実にグレードアップしていて、彼の音楽や気持ちがいつも以上に手にとるようにこちらに伝わってきました。
最後に、この曲のプログラムノートを書いてくれたのは、この演奏会に出られなかった、2年生のファゴット奏者の部員です。本当に素敵な曲紹介を書いてくれました。現在休部中の彼女の分まで良い演奏をしたいと思っていたので、みんなが素晴らしい演奏をしてくれて本当に嬉しかったです。来年こそは、彼女と同じ舞台で演奏できることを願っています。
マゼランの未知なる大陸への挑戦
MCを短めにしていたので、少し舞台上の準備が間に合っていなかったのが、具体的な反省点ですね。演奏の方は、とても上手くいっていたと思います。みんなこういう曲には慣れている感じがして、安心して演奏することができました。ホールの響きも味方して、今までで一番、曲の世界観が出た演奏だったと思います。そして、元船乗りさんからのメッセージがあったように、それはお客さんにも伝わっていたようですね。
打楽器の躍動、各パートのソロ、この曲でも曲の持つ良さを十分に引き出さして、お客さんに伝えることができたのではないかと思います。
第1部は全体的に、奏者の経験値の高さが現れた落ち着いたステージだったと思います。演奏会の幕開けに、お客さんも安心して音楽を聴くことができたのではないでしょうか。
次回に続く
開演前から第1部終了までを振り返りました。果たしてこのペースで書いていて終わるのか…? あと投稿2つぐらいで全部の振り返りができたらいいなと考えています。
というわけで、今日はここまで。お疲れさまでした。
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