僕が遭遇したサイクリングでのトラブルの話 (昔話です): その7-最終回
(その6)からの続きです.
これまで僕がサイクリングをはじめた最初の5年間(1986〜1990年) の出来事を綴ってきたが,ここでは「その後」と
僕がそれらのトラブルから学んだことを記したい.
思えば,中学生の頃は,ハンガーノックとか,遭難とか,改造のミスとか,前輪に腕を挟むとか,初歩的なミスばかりであった.
そして,高校生の時には事故を2度経験した(ヤビツと家の近く).
以後は,もちろん同じミスをしないように注意を払うようになった.
ロングライドでのトラブル:「その5」の財布の紛失と,「その6」のホイールの破損もまったくの想定外であった.
しかし実は,僕はこの2回の経験により
「ロングライドでは何かあっても必ずなんとかなる」
という変な自信を持つようにもなった.
財布を無くして130km,凹んだホイールで100kmを走りきったことは,僕にとっては,例えるならば,初めて富士スバルラインを登った時以上の大きな達成感があった.だから,仮にロングライドで何らかのトラブル(ただし怪我と事故を除く)があっても,そのときにはそれもイベントのひとつとして楽しみたいと思えるようになった.
トラブルに遭遇すること,そしてそれに対処すること
そうしたことも全部ひっくるめてのサイクリングでありロードバイクなのだ!
もちろん様々な可能性があることを想定しているし,それらの対策を考えた上での話だ.それらについては,また別の機会にnoteに書きたいと思う.
その後のトラブル
「その6」のダウンヒルでのホイール破損以降,今に至るまでの33年間に経験したトラブルはそれほど多くない.
覚えているものをすべて列挙すると次の通り:(普通のパンクは除く)
1991年:江ノ島からの帰り道,国道467号にて前方不注意で路駐していた車の発見に遅れ,急ブレーキをかけたが間に合わず,自分の体がトランクの上に乗り上げる → 怪我無し,このときは車側にも傷がなく,所有者の方に許してもらえた.
1999年:箱根の旧道をダウンヒル中,猿滑坂の直線手前の左急カーブのコーナリングで自転車を傾けすぎて転倒し反対車線まで飛び出す → 怪我無し,車が来ていたら事故になっていたかもしれない.
2002年:茅ヶ崎の国道1号で前方不注意で赤信号で停止しているトラックの発見に遅れ,急ブレーキをかけて転倒 → 怪我無し,ブレーキレバーに傷が入るだけで済んだ.
2003年:大磯の国道1号でチューブラーがパンク,ところがスペアも経年劣化でパンクしていたので,パンクしたまま30km先の自宅まで走って帰った.摩耗したチューブラーをギリギリまで使いすぎたのと,スペアを管理していなかったのが原因
2004年:鳥取県佐谷峠にて,積雪を甘く見て峠越えに悪戦苦闘する.
2007年:湘南海岸の国道134号を走行中にBBの右ワンが緩み,クランクに干渉して走れなくなる → 1kmおきに手ですこしずつ締めながらなんとか帰宅
2009年:ビワイチで前方不注意で左カーブの先に路駐していた大型車の発見に遅れて転倒 → 怪我無し,LOOK565のシートステーにヒビが入った.その後565は13年間物置保管となったが,昨年DIY修理を施し復活させた.
2018年:秋田県大潟村に向かう途中で磨耗したチューブラーがパンク,スペアも経年劣化でパンクしていたので,パンクしたまま20km先の自宅まで走って帰った(2003年と全く同じ,学んでないですねぇ,笑).
2023年;北上-盛岡300kmランで熱中症になる → やっぱり無理は禁物ですね.でもヒルクライムと同じで,敢えてトライしてみたくなるのもまた事実なのである(笑)
その後の僕のサイクリング
なんだか,最初はこのnoteにトラブル記をまとめるつもりだったのだが,書き終わると自分自身の自転車史みたいになってしまった(笑)
こうしてまとめてみると,僕の中高生時代はトラブルだらけのとんでもないサイクリングだったように感じてしまうが,もちろんそんなことはなくて,深刻な問題が生じたのはほんの数回だけ.
基本的にはそのほとんどが何の問題もない楽しいサイクリングだった.
しかし,90年代まではカメラは荷物になるのと,フィルム代や現像代がかかるため,ほとんど持ち歩かなかった.そのため,トラブルや事故に遭ったときのサイクリングの記憶は鮮明であるものの,写真が無いためによく覚えていないサイクリングも数多い.いまそのことをとても後悔している.
2000年に入ってからデジカメブームがあり,僕も小型のデジカメ(CASIO EXILIM)を携帯し,走行中の様子を気軽に残せるようになった.
事故に遭わない,怪我をしないために必要なこと
パンクやメカトラはどうにでもなる
ロードバイクで最も怖いのは事故と怪我だ.
その昔,サイスポのある編集者がこんなことを言っていた.
「ロードに乗っているなら鎖骨の1本でも折らなきゃ一人前じゃない」
それを読んだ当時高校生の僕は
「やっぱりそうなんだ.ボクもいつか鎖骨を折る時が来るんだろうなぁ」
なんて思っていた.
しかし私は51歳になる今まで,ほぼブランク無しにロードバイクに乗ってきたものの,自転車関連で病院に行くような怪我をしたことは一度もない.
それはなぜか?
理由は簡単だ,
運が良かったからである.
だからこそ,何が起こるかわからない… という覚悟と緊張感をもって走りたいと,いつも思っている.
「運」以外に,事故と怪我に関して,僕が自分の経験で学んだことはただひとつ,事故や怪我のリスクが
事故や怪我のリスク = 前方確認 × 速度
で決まるということだ.
○ 速度が出ていても前方確認をしていればトラブルを避けることができる.
○ 前方確認が不十分でも速度が遅ければ,大事になることはない.
× 速度が出ている状態で前方確認が不十分なときに事故や怪我に遭う
前をよく見ること
この当たり前のことができていないときに,事故が起こる.
最近はハンドル周りに多機能のGPSサイコンやアクションカメラ,そしてトップチューブバックなどをつけることが多くなった.
それらの操作に気をとられて前方確認がおろそかにならないように注意をする必要があるだろう.
長年乗ってきてわかったことは,
要するに,誰でもわかることを何度も再確認してきただけなのであった.
あるひとりのサイクリストのトラブルの記録と体験談として参考にしていただけると幸いです.
最後まで読んでいただき,どうもありがとうございました.
(終わり)
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