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6月20日時点ラベンダー各種の成長比較!

6月半ばに入り、神戸や山梨など本州ではすでに早咲き系(3号濃紫など)に代表される品種が収穫頃合いとなってきているそうです!
いわゆるラベンダーの開花前線ですね!笑

かくいうラベンダーでもかーなり品種がありまして、成長速度そもそもの大きさ系統(コモン,ラバンジン)などの違いによって
●早咲き系
●遅咲き系
●1季咲き系
などど分けることができます。
で、それぞれの開花前線も南からやってくるので、北海道でラベンダーの時期になるのは夏を迎える7月〜頃になります。(これもお天気次第なんですが…)

濃紫花壇

で、北海道の真ん中あたりに居を構えるおいらのラベンダー農園では、早咲き系を代表する3号濃紫(L.angustifolia 'Noushi')の穂先に色がつきはじめました。

他の品種と一緒に冬を越した"2年目以降の株"はみんな成長開始時期が揃っているので、花が咲く前の成長度合いを3号濃紫(早咲き系)を基準に見比べてみたいと思います。

※前提として、2021年度苗を買って植え付けたものは成長開始時期がズレてるので省いています。よって2年目以降の品種のみ比較しています。


■早咲き系ラベンダーのようす

のうし

3号濃紫(L.angustifolia 'No.3 Noushi')ラベンダーです。
いちばんバランスが良い、ネズミ食害を受けていない地植えして3年目の平均的な花芽です。
作出されて半世紀ほどの歴史があるので、これよりさらに成長開花の早いさきがけ(L.angustifolia 'Sakigake')という改良/発展品種もあります。
さきがけは長い時期ラベンダーを楽しみたい!という目的から生み出された品種です。
(詳しく述べると、多数の品種で長期の収穫作業を可能にする為)

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ホルゲイト(L.angustifolia 'Folgate')です。
花穂もコロッと丸まってつくタイプなのでほぼ3号濃紫と見分けがつきませんが、色がやや青く、ドライにして比較するとその青さは一目瞭然です。
アメリカではホルゲイトがよく栽培されているイメージがあります。

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原種:トルー?(Lavandula angustifolia?)です。
去年トルーのつもりで苗木購入し一足遅れてやってきた子です。
遅れたわりに生育旺盛で、すぐ株も大きくなり花穂も暴れるように伸びた個体。トルーかどうか怪しいんですよね。
もう一方2021年植えのトルーが大きくなると答えがわかります。

しっかし今年大鉢に植え替えしたのですが、水環境の変化か植え替えダメージであまり元気なく育っています。そんな中立ち上げていた花芽。
そんなサイズは大きくないです。最終的に薄紫色の花穂となります。

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ナナ・ナリサワ(L.angustifolia 'Nana Narisawa')です。
この品種は3号濃紫より、特に花穂が長く伸びる性質の枝を分けて育て品種固定された発展品種です。
3号濃紫の遺伝を継いでいるので早咲き系に追随する形で花がつくはずです。
しかしこの鉢植え株、去年育った部位を野ネズミに食害されてしまったので、成長を根元から再スタートしています。(それでもこの成長度合い!)

十分に育って花をつけるとロングパープルオカムラサキのように長く立派な花穂となります。

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フランス品種 アヴィニョン・アーリーブルー(L.angustifolia 'Avignon Early Blue')です。
越冬でダメージを受け、根元から成長を再スタートさせている株です。
小さいながらも花芽が伸びてきていますね。

アーリーブルーは早咲きかつ多枝性が特徴の品種で、未だ小さな花芽でも脇芽がたくさんついていますよね。
しばらくするとここからまた花芽が伸びてきます。
ただ枝分かれする数が多いのでモサモサになりやすく、自ら湿気/蒸れでダメージを追いやすいので適度な枝空かし作業が必要になります。

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フランス品種 メイレット(L.angustifolia 'Maillette')です。
数あるラベンダーオイルの中でも最高級とされる香料品種です。
さらっと触れるだけでスッキリする強い香りがして癒されます。

植えたのは今年ですが、小さいながらも花穂を立ち上げ始めています。
割と早咲き特性があるみたいです。
ですが初年度なのでまだ形質が安定していません。アメリカのヘリテージラベンダー園ではメイレットを育ちに癖のある品種と解説しています。
(越冬に失敗しないといいけど…)

■中咲き系/1季咲きラベンダーのようす

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イレーネドイル(L.angustifolia 'Irene Doyle')です。
又の名をアイリーヌドエルとも。
アメリカの医師が運営していたガーデンで生まれた品種です。
やや赤っぽい紫色の花を咲かせるそうで、蕾/ポプリはラベンダーのような紫色にはならないようです。
イレーネドイルは香りがまた独特だそうですよ、楽しみですね!

2年目にてやっと花芽を伸ばし、花芽の成熟が進んでいるのでこちらに配置。花だけ見るとそんなに成長遅そうには見えないんですよね〜。

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フォーボーストーム(L.angustifolia 'Foveaux Storm')です。
淡い青色の花が咲くとされている品種です。
株の配置は上記イレーネドイルと並んでいて、今の姿似ているのですがどう変わってくるのかに期待!

フォーボーストームもIreneDoyleと同じく2年目に花芽を伸ばしてきた品種です。

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ペレンニアル ラベンダー ピンクです。
ホームセンターで購入したピンクラベンダーで品種名は表記がありませんでした
"Perennial"という語も宿根草という意味で、メーカーのつけた商品名のようです。

ピンクラベンダーなので他のピンク品種と同じく、花首がピンク色に色づいていますね。

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品種名はなく、小樽の高橋農園さんで作られたコンパクトホワイトラベンダーです。
コンパクトに育つラベンダーで、3年目でも株の高さ10センチほどにしかならず、横に伏せるような丸まった育ち方をします。
加えて1季咲き(年に1度しか花芽を伸ばさない)性質を持っています。
花穂は年を追うごとにどんどん大きく立ち上げます。2年目で30センチほど。
もしかしてコンパクトさに定評のあるL.angustifolia 'Hidcote'系列かな?と思っています。

3年目株は花壇を空けるために鉢へ植え替えたのですが、馴染んでないようで今年は小ぶりに成長しています。ちょっと心配ですね…。

■背の高い品種のようす

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日野春ハーブ園で作出されたロングパープル(L.angustifolia 'Long Purple')です。
今日時点で15cm定規では表せないほどの高さまで花穂を伸ばしていました。6月の快晴日続き/昨日今日の雨で一気に背丈を伸ばしてきた感があります。
ガクに閉じられたつぼみはもう紫色なのが見えるのですが、ガクが開くと蕾の並んだ花穂もさらにみょーんと伸びていきます。
ロングパープルはその名の通り、花穂が丸くつく早咲き系とは違い花穂が長いんです。

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英国品種 ミスキャサリン(L.angustifolia 'Miss Katherine')です。
ロゼアココナッツアイスと並ぶ代表的なピンクラベンダーです。
今日時点で花穂のたもとがすでに赤っぽく色づき始めていますね。

ノーフォークラベンダー園という英国王室に由緒あるガーデンで作出された歴史があります。かなり背が高く育つのですが、見ての通り早咲きの気もあります。
植物学的に、イギリスは北海道と比べて曇りや雨が多いので、水環境に恵まれているから大きくも早く育つのでしょうかね?

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こちらも英国品種 ロイヤルパープル(L.angustifolia 'Royal Purple')です。
トウィッケルパープルオカムラサキと並ぶ高性品種に代表される品種です。
苗で植える初年度は枝葉がかなり暴れますが、2年目個体は割と安定して育っています。高性品種なので花穂もロングパープルやナリサワのように長く立派なものになります。

水やりの加減次第で茎がヘニョヘニョ〜っと曲がりくねったりするそうですが、似ている"オカムラサキと比べられている方"曰く「オカムラサキよりはまっすぐ育つ」そう。

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ブルーマウンテン(L.angustifolia 'Blue Mountain')です。
コモンラベンダーの中で最も濃い花色と説明されています。が、蕾はまだうっすら紫色ですね。
遅咲き系だそうで、2年目にてようやく花芽を伸ばし始めました。
現時点で3号濃紫ほどと同じ背丈に育っています。


■ラバンジン系統のようす

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去年より試験的に半地中式で植えはじめたラバンジン グロッソ(L.x intermedia 'Grosso')です。
世界的に有名な"量産"香料品種ですね。
ほかの品種と比べて花穂近く花茎が赤いです。
明らかに早咲き濃紫より背が高くなってきています。
当園での開花個体はまだいないのですが、ネット調べだと遅咲き系とされるオカムラサキのさらに後に見頃を迎えるようです。((ホントすかね?

※グロッソよりさらに香りの強いスーパーという品種もいるのですが、越冬でダメージを受けたので、今だに花穂が出てません。

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ラバンジン ロングホワイト(L.x intermedia 'Long White')です。
こちらはラバンジンのホワイト系品種。グロッソと違って花茎は赤くありませんね。
ラバンジンの特徴である"脇芽"が形成されている(←)ので、ラバンジン系統の中ではわりと成長が早いのかもしれません。

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ラバンジン スコティッシュコテージ(L.x intermedia 'Scottish Cottage')です。
「ラバンジンの中でも特に湿気や水気に強い」とされ、日本の気候に適している品種だと品種解説があったので試しに植えてみているやつです。
説明の通り、越冬もさほどダメージを受けずラバンジンの中でわりと健全に育っています。1株だけの栽培なので確証はありませんけど。。。

●ラバンジンって南方系ヒロハラベンダー(L.latifolia)コモン系統のいずれかの品種とを交配させて作出される"ハイブリッド種"なので、親となっているコモン品種によって特性の異なるラバンジン品種ができます。
理論的にはコモンの数だけ生み出せるというわけです。

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ラバンジン グロスブルー(L.x intermedia 'Gros Blue')です。
苗木で植えた初年度は成長がめっちゃくちゃ遅かったのでかなり心配していた子/品種です。けど2年目で無事花芽を伸ばしているので安心!
まだ花芽が小さいので、ラバンジンの中でもかなり遅咲きの部類なんでしょうかね。はては1期咲きかもしれません。
現時点ではわかりませんが、品種名の通り花の色が濃いそうです。ラバンジンの中で最も濃い紫色とすら言われています。

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 ラバンジンの中でも最大の大きさとなるラバンジン ボゴング(L.x intermedia 'Bogong')です。
見ての通り、越冬に失敗した個体とダメージが比較的少なかった方とで育ち方が大いに違っています。。。
グロッソと同じく花茎が赤く色づくタイプのようです。
現時点で一番大きく育っているラバンジンです。比較においらの片足を入れてみましたが、50センチは越えてるはずです。

ラバンジンはどれも共通ですが、2年目でこのように花芽を伸ばし始めました。

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去年5/1に初めて我が園にやってきた品種名のないラバンジンです。通称:謎ラバンジン。
グロッソだと仮定して育ててきましたが、グロッソと品種表記のある苗木とどうやら特徴が逸れてきています。
花茎がぜんぜん赤くないですね、ここがグロッソと違っています。

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そして初年度に花芽を立ち上げるほど生育旺盛でした!(上画像は初年度の成長具合)
初年度から収穫が楽しめるのは家庭菜園に向いてる性質ですね。

ただし今年度に場所替えで花壇ごとボゴングの隣にお引越しした影響あってか、今年はあまり元気じゃないみたいです。去年と同じようにモッシャモシャ枝分かれしてくれてはいない。。。
新たな土壌に根っこが馴染むまで時間かかったりしますからね。


■ほかのミント類

他にもいくらか紹介したい子たちがいるのでぜひ。

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モヒートミント。完全にカクテルを作る素材目的で育てています。
そして用土を変えてみるとどんな違いがでるのかな〜と比べてみてる結果、このような感じに。。。

黒土を使うと緑色で旺盛に育っていますが、ラベンダーで使っている排水性用土だと葉っぱの色が・・・笑

ま!このような違いになるっぽいですよっと。

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成熟した花からしか香りがしないジャーマンカモミール
いつか蒸留できたらいいな〜と思っている子。
もう白い花びらの形成がスタートしていますね!

黒土で育てていますが、晴れの日は毎日水をあげているので水気が大好きなようです。
あと1週間くらいでカモミールティー楽しめるのかな〜とワクワク!


か〜〜〜〜なり画像作成に手間かけて長時間で書きましたすんません!笑
多分4時間くらいかかりました、、、
わりとウチのラベンダー花園で育っている品種のほとんどを網羅しているかと思います!
今年買った品種は載せてないのも多々あるのですが、何種類記載したんだろ…

とりま一挙現状を紹介できたのでよしとします!ではでは!

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