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【蒸留日記vol.32】ウエスタンレッドシダーの角材を蒸留してみた!のだけれど…

こんちは。久しく社畜デビューしたエフゲニーマエダです。
フォロワー1800もいるくせに誰もラベンダー花壇の改修費なんて出してやくれなかったので、働きに出ることにしました。

最低目標が15万円分。
これで今あるラベンダー株全ての花壇化改修ができます。

さてさて仕事終わりにラベンダー苗の視察を兼ねてホームセンターをフラフラしていたときのこと。こんなものを見つけました。

何やら甘くて癒される香りのするピンクレッド色の木材
床もだけど木材もそれなりに"赤色"を帯びている

1x4とか2x6とかの輸入角材コーナーに、いたんです、が。

ウエスタンレッドシダーの角材が!
あたりには通称レッドシダーというこの木材が放つ甘く癒されるような香りが。

そうなんです、おいら氏がよくこれと同じ木材を使ってカードケースを作っていたことがありました!(ここで買った木材ではないですが)

ここまで赤みは強くないんですが、これと同じ木材がなんとホムセンにも並んでいました!しかもナニバイナニ材として!

前からこのレッドシダー材がもつ甘く癒される香りには関心があり、蒸留技術も手に入ったことだし、どうにかして精油にできないだろうか〜と考えていました。

で、大柄な角材として販売しているのならこれを細切れにして、スギ・ヒノキ木材蒸留と同様に蒸しあげてやれば精油とれんじゃね!?

と思いついたワケなのであります〜〜〜

●同じレッドシダーでも2種類ある!

アメリカから輸入した防虫材ブロック

木のカードケースを作りまくっていた時期にアメリカからレッドシダー木材を輸入していたのですが、その頃買ってカードケースの規格に合わず以来ずっと放置プレイを食らっている防虫材レッドシダーブロックがあります。

コレよく読んでみると学名が"Juniperus Virginia"になっていますよね。
"ウエスタン"ではなくイースタンレッドシダーエンピツビャクシンと呼ばれる方のヒノキ科樹木です。
そしてシダーウッドバージニア精油が採られるのもこのJuniperus Virginiaの方。実はね。

無印良品が防虫ハンガーレッドシダースティックとして売り出していたのはThuja plicataのほう。
Thujaなのでニオイヒバと同じクロべ属樹木なんですナ!

ということで、今回蒸留する木材はニオイヒバと同じ仲間のThuja plicataことウエスタンレッドシダー木材です!


■レッドシダー木材を蒸留してみる。

なっがい
乾燥・劣化が進んで茶色くなっています

軽自動車にギリギリ積めるくらいの長いレッドシダー角材を2本買ってきました。
しっかりレッドシダーの上品で甘い香りがプンプンしているので、この木材からどれだけの精油が出てくるのか、すげー楽しみです。

厚さ1cm以下にひたすら刻んでいく

カラマツの枝を輪切りスライスにして蒸留した回が懐かしいですね。
ソレと同様に3メートルほどもある角材を厚さ1cmほどに刻んでいきます。
えっれぇ〜〜〜疲れた!!!

ここまで薄くしないと、しっかりと蒸気で木材内部の揮発油分を抜き出せないんです。
蒸気がしっかり通る厚みまで薄切りにするのが第一段階!

木材を湿らせて精油分の揮発を防ぐ

木材を薄くするということは、すなわち表面積を増やすということ。
なので揮発して飛んでいく分量も増えてしまいます。
それを抑えるために霧吹きで湿らせておく処置を施します。

おが粉も残さず集めて蒸留する

そしてこのようなセットに分裂しました!
角材を平たくならすとこんな体積になるんですな。。。
(おが粉は2回目の煮込み蒸留にて使用!)

蒸気がしっかり当たって抜けてくるように考えて配置し積んでいく

で蒸留釜に充填する!っと。
角材を仕込むのでどこか垂直に蒸気の抜け穴があるとしっかり木材から成分を抜いてくれない気がするので、しっかりと蒸気がまんべんなくレッドシダー材にあたるよう考えて敷き詰めていきます。

で、いざ蒸留スタート。
木材相手なので少し長めに、最低3時間は蒸留します。


■蒸留の結果!

●蒸留水のようす。

蒸留開始から1~2時間は白濁した蒸留水が採れる
蒸留時間が2時間を越えたあたりで蒸留水が透明になる

レッドシダーの蒸留水は水を白く濁す成分が含まれているようです!

コレに関しては、ヒノキの葉っぱ蒸留でも同様の結果がみられましたね。
ヒノキは葉っぱを蒸留しても蒸留水が白くなります。

結果的に2リットル分の蒸留水を手に入れることができました。
レッドシダーの木材の香りとはやや離れてしまいますが、甘くウッディな香りがします。

問題なのが、レッドシダー精油の方。。。

●精油のようす。

蒸留水の下に沈んだ黄色い油玉

これをみっけた時はまさかな〜とやり過ごしていたんですよね。
不純物とかが多くて重いために下に沈んだのだろうと。。。

蒸留水の表面に広がるのでなく液面が下に下がり始める

しかし蒸留を進めていくと溜まる精油が次第に尾を下げ始めました。

もしや…と嫌な予感が。。。
水より重い精油が抽出されるとなると、めんどいことになるのです。

明らかに水より重い黄色い精油が抽出された

結果的に、やはり水より重い精油が抽出されました。
分液漏斗/オイルセパレータの下部に溜まってしまったので蒸留水の排水はセパレータの上よりスポイトを突っ込んで排水することに。(もんのすごい手間)

通常なら精油はセパレータの上部に溜まるので蒸留水を先に排水できるのですが、オイルが下部に溜まるとサイドに伸びた排水路からも吸い出されるので普通通りには精油を取り出すことがなかなかできません。

水蒸気蒸留に加えて、煮込み蒸留も実施した

精油が下に溜まっていくので深くデカいビーカーでも2次受け皿として使用しました。

レッドシダー木材の精油は黄色く水より重かった

結果として10mLいかないくらいの、水より重い精油が得られました。
これには正直驚かされました。水より重い油だったなんて。。。

木材購入コストと木材を薄切りにしていく労力コストを踏まえると、精油の歩留まりはかなり低い感じがしますね。

あれだけやってこんだけ…!?感。

そして肝心のアロマというのが、どことなくヒノキっぽい。
ヒノキ精油のスースー感を強めた感じ。

そしてレッドシダーの特徴である甘い香りはどこいった感。

どうやら甘いアロマ成分は蒸留水の方に溶けていってしまったようです。
ソレっぽい香りが白い蒸留水から香っていました。


■総論!

個人的に断言しますが、ウエスタンレッドシダーの香りは蒸留して精油として抽出するモノではないなという感想です!

レッドシダーは木材としての香りは上品で甘いアロマであり素晴らしいんですが、蒸留するとその香り成分を水と油とで2分してしまうことに。。。

蒸留水は気の抜けたような甘さで、精油はどことなくヒノキ感強い。
(そして抽出がめちゃくちゃめんどくさい


なので木材単体の状態でしかレッドシダーの香りを味わえなかったわけです。
となるとフツーに木材の加工品として扱った方が香りは楽しめるよね!
という結果になりました!

●蒸留後、エコる!

蒸留後の木材はとりえず乾燥保存する!

蒸留に使ったレッドシダー材はとりあえず乾燥させます!
一度蒸しあげたので狂いに狂って木材としては体をなしていませんが、いつか使う機会ができるだろう!と。

ちなみに香りはほぼしません。
エッセンシャルオイルとして油分がしっかり抽出されたのだと思います。
乾くと触感がさらっさらでオイリーさを全く感じないくらいです。

残渣液

蒸留終了後の底に溜まった水の色。。。
まるで紅茶ですね。
赤い木材を蒸したので、水も赤くなりました。

蒸留で飛ばしきれなかった油分が液面に浮き出ていますね。シダー材はオイリーな様子。


【ヘッダーが新鮮なレッドシダー材のnote】

【カラマツ木材から精油を得るnote】

【水蒸気蒸留マガジン】

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。