カエデ樹液採取後のレポート2021
こんちはこんちは。
当日に記事が書けず毎日のコンテンツ量に圧倒され、書くべき内容が後へ後へと回ってきている焦り気味のエフゲニーマエダです。
いやーよくない。
何かと動き回っていると1日の時間がアッという間なんですよね。
あーもうほらさっき10時だったのにもう12時じゃん。
1日がそれだけ短いとそれだけ寿命も短くなるよね〜とか
[晩御飯のこと考える]+[それっぽいもの作る]で時間がメッチャ割かれるし、味と価格とがそれなり保証されてれば毎日外食の方が時間節約なるんじゃね?とか思ったり。
結果的に"ヨシギュー"こと吉野家の黒カレーは美味しかったです。
チェーン店のうち1番バランス良い味であることはおいらが保証します((笑
sk家とかしょっぱすぎんだよなアレ…
マルチタスク下手になってきてる言い訳はさておき、そんなヨシギューで晩御飯を済ませてしまった罪な日のこと!
山の中で林業っぽい作業やってました!(切らない林業なんですけどね)
毎年3月〜5月入るまでエフゲニーマエダは北海道産メープルシロップを作っていることご存知かと思います。
もうここ3年連続でやってます。春山の山菜採りは大嫌いなんですが冬山のメープル採りは大好き。甘党なので←
例年の記事を参考がてらチョイスしておきますbb
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で!今回はそのメープルシロップの元となるカエデ樹液がもう出てこなくなった(暖かくなった)ので、生きてる木に空いた穴を塞ぎにいきますよ〜という内容。
●今年は技術指導の役もあったことから、
関連諸処に読んでいただけるようマニュアル的に書いていきますbb
メープル職人もとい山を愛する人はこれやんないと話にならない。
せっかく殺さず長年お世話になるカエデの木にカビや腐朽菌が入り込んだら一貫の終わりですからね!
カエデはそんな菌に弱い樹木でもないんですけどね…
…確か弘前大学の白神山地を研究林に持つ学部生さんがカエデかブナの根元腐朽について研究してたような。
後処理に必要な道具たち
必要な道具はざっとこの4つ!
①枝の皮が削れるナイフ
②穴ふさぎ用の木ダボ(カエデの折れ枝がベスト!)
③ノコギリ
④げんのう
※防腐剤など薬剤使用は無し!
①ナイフに関して、
マイOpinelとかあるとアウトドア好きに関しては便利かもですな!おいらも普段はマイオピネル使ってますbb
②木ダボに関して、
個人見解では遺伝的に喧嘩しないよう同じカエデ同士の木材で穴を塞ぐってことを重視してます。
しかし、カエデの木自体成長がゆっくりな部類で木材が堅く、なかなか折れ枝なんて見当たらないのが実情だったりするんですよね(笑)
今年は豪雪年だったのでたくさんの折れ枝を拾うことができました👌
枝は拾える時に拾っておいて、メープル採集セットと一緒にしておくと乾いてれば腐らないし楽かもですねbb
※はたまた腐りやすい違う樹種の枝を打ち込んじゃうと、菌が中に入ってあまり良い印象がない懸念も兼ねてます。
④トンカチ/げんのうに関して、
両面で凹凸があるトンカチだと後述する作業的に木に優しいメリットがあります。
まぁ家具づくりで釘打ちと同じ要領になります。
③ノコギリに関してはポケットナイフ内装/枝打ち用/用途問わず切れればOKです!断面キレイに仕上げるためにクラフト用持ってきてます。
※防腐剤の使用不使用に関しては詳しく後述します!
さてさてお次は、、、
採集穴をふさぐ手順
ワケあって採集対象木はピンクテープを巻いてました。
空知地域の森は雪がなくなると一気に笹ランドになり一面見渡しづらくなるのでカエデの木を見つけるのに便利です。
しっかしすごい高さにまかさってますよね。3月はこの位置が胸元でした。
樹液セットを取り外した後なのですが、画像の下ギリギリに穴が空いてますね〜
ココを塞いでみます。
当然ながらカエデは樹体上部(樹冠ともいう)に樹液を吸い上げきっているので、樹液はもう出てきてませんね。
手順1.カエデ折れ枝の外皮を削る。
記事的にやっとかよって感じだろうと思います。
やっと本題です(笑)
折れ枝を削り、採集穴のサイズより+1mm程度くらいに整えます。
なぜ同じカエデの枝を使うべきか?の理由は上でサクッと述べましたね。
加えて、細菌の侵入な部分にも気を使ってしっかり枝の皮を削ぎ落としています。
樹木の生活史において、いきなり自分の体に横穴があくなんてことはキクイムシに食われるなど自然界においてありえない話なわけです。
キツツキことアカゲラは腐ってイモムシの潜んでる部分を打音によって探ってるので、かたい生木部分は穴を開けない。(ハズ)
そんな無防備なデリケートゾーンにいきなりコケ藻類や菌類のビッシリな枝を打ち込むなんて人としてももってのほかですよね。
そうです樹木は我々と同じかそれ以上役に立つ生き物なんです。
大事なので長ったらしく述べましたが、なのでキレイな材を打ち込みましょう。
手順2.差し込んでみる。
穴の径+1mm太くとはいっても、先端をやや細くしなけりゃそもそも入りませんね(TAT)
そして採集穴は深さ2cmほどなので3cmくらい削っておけばOKです。
次にノコギリで不要な部分を落としちゃうので、先にグリグリっと腕力で押し込んじゃってください。
手順3.折れ枝をカットする。
Внимание!このとき木肌ギリギリに沿って切り落とさないよう注意!
トンカチで隙間なく打ち込めなくなります!
見づらいですが、2センチほど飛び出す形で切っているのがわかるかと思います。トンカチで打ち込めるよう余裕をもたせてカットしてくださいね。
手順4.玄能で打ち込む。
この飛び出た部分を玄能/トンカチで押し込み、フタをするって寸法ですナ!
●トンカチのタイプについても上記で触れましたが、押し込むときはトンカチの凹面を使いましょう。
凸面を使うとダボのお尻が割れたり毛羽立ってしまい、腐りやすくなってしまいます。
音の感覚としては、キュッ!キュッ!キュッ!カッ!カッ!…
と音が変化したら木ダボが奥まで届いた証になります。
しっかり打ち込めると鈍くカエデの木に響くような音になるハズです。
これで終わりではありませんよ。。。
手順5.飛び出た部分を整えて終了!
飛び出て残った部分は、
トンカチの凸面でカエデの木/樹皮に傷がつかぬようキレイに打ち込むか、
ノコギリの先端やナイフを使って樹皮に沿うよう整えてあげましょう。
これは木ダボを打った穴をなるべく早く樹皮で覆って塞いでもらいやすくするためですbb
簡単な図で説明するとこんなイメージ⤴︎⤴︎
ネットで街路樹がフェンスや街灯を飲み込んでいる写真みたことありますよね。そのように樹木は毎年外側へ樹皮を広げて大きくなるので、数年経てば穴も図のように新しい樹皮に覆われて塞がっていきます。
しかし木材内部(よくみる木材)は外側の樹皮と違って死んだ細胞の塊なので、自力で塞がることができません。なので木ダボを打ちます。
●しかし中に大きな空洞や強い菌類の根があると、そこから腐れが内部に広がっていってしまい、将来的にカエデの木材価値を下げてしまうのでそれはなんとしても気をつけたいところです!
後述.防腐剤など薬剤不使用のお話
そんなに菌類の侵入を恐れるなら、防腐剤とか塗ればいいじゃん!ってなりますよね。
で・す・がエフゲニーマエダがこの点カエデの穴を塞ぐときに薬剤の使用を控えているのには理由があります。
初年度のメープル納め記事でも書いたのですが、
メープルシロップづくりは連年同じ木で樹液を採集してメープルづくりができます。
口に入るものなので、前年の薬剤成分が樹木に浸透して翌年薬剤が含まれた樹液にならないよう警戒して防腐薬剤の使用を控えています。
という観点からです。
・・・だって薬剤成分含まれたメープルシロップとか、嫌じゃん((笑
はい、つまりはつまるところ、そういった理由ですw
あくまで穴の回復も自然の力に任せてる面があります。
もちろん大学時代では所属研究室で年輪学習の際に、成長すい(樹木に対し真横に穴を開けて年輪の数を調べる)という道具を使ったのですが、その際は木ダボを打つ際キクイムシ侵入防止の防腐剤を穴に塗り込みました。
あくまで用途を考えての施策〜ということなんですね。
こんなあたりから山を愛する感情を汲み取っていただけると嬉しいです(笑)
⤴︎⤴︎別の木にも作業を施したようす。
今年つくった時期違いのメープルシロップ(一部)⤴︎⤴︎
ではでは!
長くなりましたが今年は豪雪による深い積雪でカエデの木が気温の変化をあまり感じることができず、安定しないメープルシロップ精製量でしたが、以上に倣ってあなたもアウトドアライフをお楽しみくださいな٩( ᐛ )و
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