見出し画像

蒸留後の残った植物材料をどうするか問題。

今日は環境エコについて考えてみようという回になります!
産業で生み出される製品廃棄物・・・の"廃棄物"をどうするか…
といった内容!

いよいよ3月に突入しましたね!
雪解けが始まり、例年ではメープルシロップ作りの時期に突入です。
もう穴を開ければ樹液が滴ってくるハズです!

去年はかなり縮小体制で北海道産メープルシロップ(イタヤカエデのメープルシロップ)を作ったんですが、今年はどうか。。。

ノウハウはあるので、札幌の環境教育団体さんなどから「どこかの休養林を使ってメープル作りの実演講習やってくれないか〜」という声はいただいてます。
これら技術講師として、お呼ばれしたらぜんぜん行きますよ〜という感じ!

毎日の樹液回収作業はかなり大変なんですが、作業自体に難はないのでお手伝いしましょか〜というね!


さてさて、つきましては本題。。。

●精油を抜き取ったあとの残渣はどうするか?

実は隠れてコソッとドライラベンダーの蒸留をやってたりするんですよ。
もちろん自家栽培の濃紫ラベンダー(L.angustifolia 'No3 Noushi')を使いました。

1/5に蒸留実施

日々マツ類を蒸留するなかで、ふと3年も経ったドライラベンダーからオイルって採れるの!?という興味が湧き上がったのですよ。。。

2、3年前から持て余して木箱の中に入れっぱなしだった3号濃紫ラベンダーのドライスワッグ。
完全に行き場を逃した大量の初年度ラベンダーの花束がありまして、どうせなら〜と蒸留してみたのですよ。

売るにしても古すぎるし、どうせならオイルサンプルくらいになってもらえれば!と。

●3年放置のラベンダーでもオイルは採れた!

すんません(笑)シーズン前なのにやってしまいました。
ラベンダー花の開花シーズンじゃない冬でも、ドライフラワーならイケるやろ!と思い、気づけば手が動いてました。。。

結果として5ミリビンが満杯になる量のオイルが出てきました!
(写真はうえのほう)

いやぁ驚きましたよ。

まさか3年も経過して乾ききったドライラベンダーの花束から、5ミリものオイルが採れたんですから…!

英語圏の論文なんかを読んで知ったのですが、さすがに3年も経つとオイル成分のほとんどが酸化しており、香りの質はかなり変わっているのもわかりましたけどね。
主成分のリナロールなどがリナロールオキシドとかに変質してたりするんです。


で、蒸留することによって完全に匂い成分は抜け出てしまうワケなんですが。。。

蒸留が終わったあとの残渣を乾かしたもの⤴︎

蒸留後、彼らが残ります。

1ボロボロと落ちた全く香りのしないラベンダーポプリ
2蒸留のためにむしって先端だけにした花穂
3花穂をむしった花茎

この3点。

※普通は蒸留しないのですが、特別”花茎”という部位にわけて単体を蒸留すると、全くオイルは得られませんでした!
ドライラベンダーの花茎は全くオイルを持っていない!


蒸留残渣を乾かした状態

蒸留が終わったあと、釜から出してそのまま部屋の天井に吊って乾かした状態の残渣。
ラベンダーの花の部分だけを蒸留したものです。

かなり前から、ラベンダーの青紫色の色素について注目してたりするんですが、蒸留=100℃以上の蒸気で長時間蒸される環境にあっても、以外と色が残るもんなんだなぁ〜と思った一枚。

ラベンダーの色素って、ホントどんな性質もってるんすかね?

残渣をもみほぐしてポプリだけに分けたもの

1ヶ月近く乾かしていたので、すごいカラッカラに乾いたポプリ。
おまけに、全くラベンダーっぽい香りがしません。(少し畳くさい感じ)

これは何かに使えんかなぁ〜〜〜

と、見た目ラベンダーポプリそのまま状態のコレをみて再利用を思いついた。

ポプリをむしりとり残った花茎

どうやらアメリカではキャンプの着火剤としてまとめられて販売活用されている部位だそうです。
キャンドルの芯なんかに使ってみるのもどうだろう〜とか思っていたりします。

キャンプ文化のHOTな北海道では同様、活路の道があるかもしれない…!!


さて彼らをどうしたらいいかな〜とか思ったりするわけです。
そのまま外にぶん投げておいても、山ができるだけですからね。

●とりあえず製粉してみた…!

超微粉になったラベンダーの蒸留残渣

ウチには製粉機があるのです。それなりに高性能な…
乾燥体で置いておくと体積を食うので、製粉すれば極限体積減らせるよね!ということで、パウダーにしてやりました!

思った以上に乾いていたのでヘタすると"粉塵爆発"でも起きそうなくらい超細かいパウダーになりました!
そして心なしか少しばかり、ほんのりと、ラベンダーっぽい香りがします…!!

完全にラベンダーの香り成分100%を抜き出せてる訳ではないようですね。

しかし課題はこの先なんですよ。
いまだになんの製品の素材として落とし込むかがまだぜんぜん決まっていません。

『ほんのりとラベンダーの香りがする超微粉』

これをどう活用するかがこれからのキモというか製品開発の課題になりそうです。

●海外ではこんな再利用例が。。。

海外のラベンダー農場や蒸留施設はファーム富田さん並みにデッカイ施設であるのが普通だったりするので、この蒸留残渣がどエライ量出るみたい。
なので細々乾かして何かに利用する。。。ということはあまり考えられていない印象!

オーストラリアのスノーリバーラベンダー園では、蒸留後の残渣を馬ふんと混ぜて、ミミズや菌類が分解し、再び畑へ戻せる窒素堆肥にリサイクルしているようす。

彼らの解説によると、馬ふんと混ぜると良いらしい!

Come see us at Downtown Farmers Market today from 9:00-Noon. St George, Utah Ancestor Square.

Posted by Baker Creek Lavender Farm on Saturday, August 21, 2021

アメリカはユタ州セントジョージのベイカークリークラベンダー農場。
こちら農園のマーケットでは、左端でラベンダー花茎だけをまとめて"ファイヤースティック"として販売していますね。

キャンプなどのアウトドアグッズで、着火棒といったアイテムです。
2ドル50セントで販売しているもよう!(¥280くらいですね)


●ラベンダーの残りかすだけではなく。。。

みかんの皮蒸留残渣を乾燥させたもの

みかんオイルを採ったあとのみかん皮残渣(無臭)もしっかり乾燥させて残してあります!

もとがミキサーでかなり細切れのスムージーにされたみかん皮なので、乾くとガリッガリに固まります。すごい硬い。

でこれらも製粉機にもれなくつっこみます。
製粉機もスパイス種子の製粉を前提とされているので、これくらいの硬さなんてナンボのもんやと思っていますbb

まるでウコン・ターメリックのような真っ黄色なみかん粉末が誕生!
これもほんのりとみかんの香りがします…!

いや、ここまで超キメ細かいパウダーになったりするもんなんですねみかんって・・・

ジプロック半分ほどの粉末が生成!

おそらく上記リンクみかん皮蒸留2回目で使用した、みかん皮材料全部の粉末が誕生しました。

ここまでもってくるのは良きなのですが、ラベンダー残渣と同じく何に活用しようかな〜〜〜の宙ぶらりん状態。

植物の粉末って何に使われてるんだろう。。。
ここの分野を攻めないとですね!

ではでは!
コレとして何かに使うワケでもないが、とりまパウダーにしたよ!!
という回でした!

若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。