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2023年度アキレア各種の種まきしましたー!

えーこんちゃこんちゃ、青の魔術師エフゲニーマエダです!

先のnote記事で触れていた、"新しいプロジェクト"のソレの運びで、ポット苗として手に入らないアキレア品種はタネから苗にしてやろう!って事で。。。

やりました、今年もアキレアの種まきやりました!
(本当に国内で手に入らないヤツは輸入までしてやりました)

そして23年度のアキレアプロジェクトは一味違います。

北海道のそこらで生えているノコギリソウ(A.millefolium)から青いオイルが手に入る!ということが判明した2022年度でしたが、今年2023年度では『日本で手に入るAchillea各種を一気に揃えてその全てから精油を採ってみよう!』プロジェクトが始動します、しました!!

というのも、セイヨウノコギリソウの属するキク科ノコギリソウ/Achillea属って意外と数多くの品種が存在することを学んだのですよ。
ひょんな縁で同じく北海道でハーブガーデンを営まれる方から教わった事でありまして。。。
でその恩師曰く「ノブレッサ(A.ptarmica)とかはどうなんだろうね?」とひょんなアドバイスをいただき、A.millefolium以外のノコギリソウ属植物を詮索するきっかけになったので・す・よ!!

で調べてみたところ、キバナノコギリソウ(A.filipendulina)とかオオバナノコギリソウ(A.ptarmica)とかAchillea sibiricaとかがわりとすぐに見つかる他品種でした!

ノコギリソウはラベンダー(Lavandula)と違って草本植物なので1年で花の開花までこぎつけてくれるキク科植物。
なので1年以内にオイルの採れる採れない、どんな香りか?くらいの結果は得られる!とみて早速栽培を開始したところでっす!


ではまず4/14のアキレア プロジェクトの第一歩をレポートしていきましょう。。。

●Japanese Schafgarbe

Japanese Schafgarbeの苗

白い花を咲かせるAchillea millefoliumの白花園芸品種の苗を探し出して10ポット買ってやりました!!
"Japanese"を付けたのは、後述するSchafgarbeはドイツ育ちドイツ産のものと区別するためにJapanese Schafgarbe(白花園芸品種)と呼称しています。
学術上ではAchillea millefolium cv.albaになるんでしょうかね?

白いAchillea millefoliumはわりとそのへんに雑草として生えていて、見た目も白花園芸品種と大して区別つかないんですが、遺伝的にはかなり違っているみたいなんですよ。
だもので、かなり気を使って区別している感じです。
(見た目はホント見た目ソックリらしいんですが…)

で、さらに日本で購入したJapanese Schafgarbeがドイツから輸入したSchafgarbeと比べてどう精油の成分差が出るのか?がこのプロジェクトの大きなミソ・ポイントとなっております。

14日植えたやつ
とりあえず上からも観察

おそらく本州の園芸屋さんからやってきた苗なんで、北海道へやってきてちょっと季節が戻ってしまった感否めないんですが、セイヨウノコギリソウは寒冷地に適応してきた系統種のため冷涼気候にはわりと強いハズでっす。

だって北極圏にも生えてるくらいなんですもん(フィンランドにいる友人から聞いた)

と!
まずはアキレアプロジェクトの定植場所が確定するまでこの仮植え状態でいてもらいます!

●ドイツ産 Schafgarbe

ドイツの園芸店から輸入してやった

さて大本命!
こいつがこのアキレアプロジェクトの心臓たるやドイツからはるばる直送されてきたSchafgarbeのタネ100グラムです。

どうしてもドイツで売られてるアキレアのタネを使いたい理由がありました。まぁそれはLラボの記事でいつか解説しておきます。

まずは発芽の下準備としてタネに水分を与える工程

いきなりポットに蒔いてもアレなので、大事なタネはしっかり発芽処理から始めていきます。

水にタネを放り込んでも小さすぎて水を弾いて給水してくれないので、培養土にタネを混ぜ込んでから水でシトシトに湿らせて一晩放置します。

用土実験再び

種まき用土ごと前日から給水させておいた種子入り土をポットに分け与えていきます。
この時点ではドイツからやってきたノコギリソウ種子の発芽率がどれほどのものなのかわからなかったので、確実に生育が期待できる量のタネを蒔いておきました!

種まき完了後のようす

で、本命の苗づくりなのでたった24ポットだけでなく発芽トレーx3にもタネを蒔いておきました!(バラマキ播種)
ノコギリソウのタネは細かすぎてまず見えないんですが、上の写真は種まき完了後の様子。。。

さらに発芽後しばらく安定して成長ができるように保湿を厳とするために、この種まきトレーをサランラップで綴じておきます。完全な保湿を実現するためですね…!

さぁーてこのトレーからシーズンが来た頃には何本の株となって生き残ってるか経過観察が楽しみですね〜!

●キバナノコギリソウ(Achillea filipendulina)

苗では売っていなかったのでポットに種を蒔きつける

Achillea filipendulinaの外見はセイヨウノコギリソウに瓜二つなんですが、花が菜の花のように真っ黄色になるコーカサス地方や中央アジアの乾燥地域原産のノコギリソウ属植物ですね。
おそらく乾燥帯に適応進化したノコギリソウです。

まだ未確認なんですが、草丈がとにかく大きくなるらしく、ヒマワリのように1mを越すそうで!!
花部(Flower crown)もそれだけ大きければ採れる精油の量も増えるよね!って理屈で導入を決定しました(笑)

しかもこのキバナノコギリソウ(A.filipendulina)の"原種"がどこを探し回っても売っておらず、園芸品種がいくらか複数売られている状況から、「より多く精油を得る」という目的を優先して、とにかく花が大きくなる(バイオマス量が大きくなる)園芸品種をチョイスしました。

それがこの"ゴールドプレート"という園芸品種のようなんです。
※RHSガーデンセレクションで入賞した品種のようです

1パッケージに入ってるタネの量めっちゃ少ねぇ!

確か1袋¥700くらいしたはずなんですが、中身あまりにすっくなくね…!?って買ってビビったやつです。
種子はアキレアなんでめっちゃ小さいのはわかってたんですが、¥700出してこの量。。。

とりあえず頑張って24ポットに蒔いてみます。(ピンセット使った)

ゴールドプレート蒔きつけ用土は乾燥帯を意識

これが吉と出るか蛇と出るかはわかりませんが、とりあえずA.filipendulinaは中央アジア(イランとか)の乾燥帯に育つノコギリソウなので、乾燥帯の土質を意識してわりと水落ちしやすい用土構成に。

種まき培養土にエゾ砂(細かい火山灰)を混ぜ込んでジャリジャリ感を出しています。そしてそして・・・

キバナノコギリソウでも用土違いによる発芽実験!

キバナノコギリソウででも発芽率と生存率を調べるべく、用土の構成を大きく2タイプに分けたポットに種まきをしました!

昨年22年度ではごく普通のセイヨウノコギリソウを黒土乾性用土それぞれに蒔いた結果、水落ちしやすい乾性用土の方が発芽率75%を記録していましたね。
どうやら水の抜けやすい土壌の方が発芽しやすい…?

原産地こそ違っていますが、それの応用実験としてキバナノコギリソウ(A.filipendulina)でも同様の実験を行っています。

で、、、

14日種まき完了後のようす

一部の苗の仮植えと各種試験用アキレアの種まきをこうして完了しました!
一応種まき・栽培開始元日として記録しておきます。

外に置いておくと春風で表土が乾かされてタネがぶっ飛ばされることが予想できたので、陽のあたる屋内に安置しておくことにしました!

おそらく安定して発芽生育してくれるハズ…!


○種まき4日後。。。

系統種こそ違うものの、早くも明らかな発芽・生育速度の違いが!!!

ドイツから買ったタネの方は種まき前日から行なっていた発芽処理が効いていたんでしょうか?
おそらく種まき培養土に混ぜた種子のほとんどが発芽して、A.millefoliumの方がモッサモサになっていますね、、、こりゃすごい。

キバナノコギリソウ(Achillea filipendulina)は特に給水などの発芽処理をせずポットに直蒔きをしましたが、4日経過時点では子葉の展開がみられないので未発芽ということにしておきます。

タネ少なすぎたかなぁ・・・700円したのになぁ。

種子のストレートな発芽率に関してはちょっと実験手順をミスっちゃいましたね。
発芽処理に用いた種まき培養土の中で発芽を完了してしまったようです。

なので以降見られる実験要素としては若芽の活着率・生存率くらいでしょうか?

せっかくドイツからわざわざ輸入した苗なので、別のポットに取り分けて増やしたいくらいモサモサに生えてきてますね。。。

種まきトレーも若干土質を変えて発芽率を観察している

こちらも発芽処理を施さずにタネを直播きした栽培トレーの方もパシャり。
おまけに用土構成を変えて試しているのですが、黒土成分の多い方が以外にも発芽が多く見られるよう…?

4日経過の時点では発芽した・してない程度の違いしか観察できていないので、さらに日数をかけて様子見して行きましょう〜!

○種まき11日後。。。

やっと発芽確認ができたキバナノコギリソウ(Achillea filipendulina)

やっと大型アキレアことキバナノコギリソウの発芽が確認できました!
Common YarrowことA.millefoliumとはやはり生息地も違えば生育方法も異なっているのでしょうかね?

特に種子を深く埋めたつもりもなかったのですが、発芽までに10日ほど時間を要しましたね。これはキバナ(A.filipendulina)の特性なのでしょう…!!

キバナノコギリソウの実生が肥大成長をはじめた5月末

発芽および成長がおっそいおっそい言われてたA.filipendulinaことキバナノコギリソウですが、種まきから40日ほど経ったところで突如として大きく葉っぱを拡げはじめました!

○キバナ、播種から50日ほどで突然肥大化…‼︎

6/3→6/10のようす。

根っこが先に充実するためなのか独特な生態なのか、突然グングンと大きくなり始めました。
そろそろ鉢上げ(植えてるポットを大きくする)を考えなくてはならないようです。

○種まき56日後。。。

保険でセルトレーでの苗も増やしておりました、実は。
なんか苗トレーにごっちゃでばら撒き播種するよりセルトレーにちょびちょび播種した方がわりと健気に育ってくれている感…?があるんですよね。
いや、自信はかなり乏しいですけど。

9cmポット苗となった子たち

で、苗トレーから育ちの良さそうなのを抜き取って5/27にポット苗化させた子たち。
2週間経過した時点の撮影ですがしっかり大きくなってくれてるよう。
混み混みで育てるより広いところでのびのび育てたほうが大きくなるのも早いんでしょうかね。


ではではこんな形でアキレアの種まき報告回でした!

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。