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冬を越したラベンダー花壇の被害全容が見えてきた件。

①多すぎた圧雪か、花壇構造自体の問題

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食害か圧雪か2

花壇の構造は地面から約20センチほど上に位置しているので、花壇上に積もった雪解け時期の重い圧雪が地面へ流れるように動きます。
そのおかげで枝葉が花壇縁に引きずられ、ブチブチとやられた可能性があります。
これは1号花壇の3年目株で、それなりに大きくなったラベンダー。雪が動くことで受けるダメージもそれなりに大きくなるかなぁと。

昨年度は縛らず枝が360度方向に広がるように雪の下になりました。その方が生存率高かった…?


食害か圧雪か1

食害か圧雪か3

(こんな切り取られたようにキレイに葉っぱだけ残ることある…!?)

そしてもう一方、考えられる被害の予想として、葉っぱのついている柔らかい樹皮を狙いヤチネズミが冬場の食糧とした可能性が。

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よく山の中で地面際の木の皮が一周丸々とハゲていたりしますよね。
それが代表的なネズミの食痕だったり。以下引用
https://blog.goo.ne.jp/asdfgh1940/e/ef1972c40bc3a108b719430a1ec8df9c

話をウチに戻して、さすがに葉っぱはラベンダー臭くて食糧にしなかったのか?とも。
ヤチネズミはラベンダーを食うのか!?食わないのか!?みたいな評価研究はみたことがないのでわかりませんが…

動体カメラでも仕掛けようかなぁ。

②-a ネズミによる食害の疑い

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あな4

雪が溶けて地面が出てきたと思えば、そこらじゅう穴、穴、穴。

穴多すぎィィィィ!!!!

これでもかってくらい花壇脇の通路に穴を穿っています。
これ完全に鹿の足跡とかではないですよねハイ。

本州の方は穴といえばモグラ!とイメージされるかもですが、北海道にはモグラの生息は0。そう津軽海峡を隔てて存在しない動物なんです。
※ちなみにモグラ穴の見分け方は穴の横にこんもりとしっかりめに土山ができていることだそう!(大学同期曰く)

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これ、、、明らかにかじった痕じゃね・・・??

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おそらくエゾヤチネズミだろうネズミ目の頭骨(植物の専門家なので詳しくない)
左手の上顎に注目。前歯が横に削り取るような構造をしてますね。
植物に残された食痕に注目してみると、歯型などで犯人が何者かわかったりします!
引用(https://www.biodic.go.jp/center/hyouhon/MAM_HP/MAM_hyo.html)

シソ科かつ外来の植物食うの?という甚だ疑問も多いけど、動物だし食い物選べないなら嗜好性云々以前にあるもの食べるよね。多分雑食…

エフゲニーマエダの属していた研究室では、エゾシカの個体密度による食べ物の変化(嗜好性の変化)について追跡研究していたり!
大好きな美味しいものがなくなったら、次に美味しいやつ食うしかないよね〜。

②-b ヤチネズミの食害で確定!

雪がとけてくるにつれて、明らかにネズミが動き回った痕跡が出てきました!
穴が集中しているのも、大きく地面がえぐれ、巣穴として使っていたであろう箇所を中心としているみたいです!動物痕跡であることは間違いない。。。

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これはメープル山の豪雪によって倒れた白樺でみられた野ネズミ食痕。
住宅地や平地だけでなく、普段人の立ち入らない山の中でも野ネズミの食害があちらこちらでみられた。
おそらく、野ネズミ(エゾヤチネズミなど)の個体数が増えた”当たり年”である可能性が高い。
(要因としてドングリやブドウの豊作などが個体数上昇に関連)

加えて林業関連の方から寄せられた情報によると、小樽でもネズミ食害が苗木に集中したとのこと。わりと広範囲であることから、①特に多かった降雪量のせいか、②ドングリなど食糧供給する植物が豊作であったことなど予想される。

③雪の下でのカビの発生

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おそらくフランス品種とされるアーリーブルー(L.angustifolia 'Early Blue')に発生したカビ?
菌糸だろうか繊維が葉にめちゃ絡んでいる。

これはおそらく"冬囲い"と称して枯れ落ちない枝葉を束ねたことによる密集・高湿度環境が原因。
全ての株にはカビが発生していないことから、雪の下を這うヤチネズミなどの野生動物が感染させた可能性も高い。

枝葉が分散していればカビ菌糸が絡む要素は減らせたのではないかと考えている。


④枝を縛った株と縛ってない株の外見評価

去る昨年11月末に書いた冬囲いやったよー!記事ではあえて株の枝葉を縛りあげたものと縛り上げてないものに分けました。
どう雪害の影響が出るか調べたかったんですよね。

④-a 3号濃紫の場合

放ったらかした濃紫

やっと4/16にお目見えした3号濃紫の植わっている花壇3号機。
縛り上げてないタイプになるので、平たく潰されているようすがわかりますね。
なぜか葉が全部落ちたアーリーブルー(後述)と比べて枝葉もしっかり元気そう!

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縛り上げた方はほぼほぼネズミにより葉をむしり取られ、樹皮をかじられていました。
おそらく枝の太い根元は積雪下で空間ができやすく、ネズミが効率よく侵入・食害しやすいと考えられる。

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画像にも説明を添えましたが、その通り2、3年株となると根元の木部が指の太さくらいになってます!
ラベンダーは花という印象が強いので根元が樹木になることなかなかご存じない方多いかと思います。
●その堅く丈夫な木部が雪を抑え、空間を作ります。
そこに体長10センチと満たないサイズのネズミがたやすく侵入し、樹木の根元をかじる
という行動が予想できますね。


④-b ラバンジンなど他の品種

ラバンジンはコモン系統に比べて湿布臭がキツい。これが効いてるのか、そもそも植えてまだ1年しか経ってない若い株ばかりで木質化した可食部が少なかったからか、ネズミ食害を受けた様子は見受けられなかった。

主に枝葉を縛り上げた個体とそうでない個体で2021年度シーズンどのような成長を見せるのか見ていきたい。

アーリーブツー

アーリーブルー

一目でみてわかるほど枯れたアーリーブルー(L.angustifolia 'Early Blue')
雪が溶けて出てきた直後ものすごいカビ繊維が絡んでいた。
この品種だけ狙われたかのように葉っぱが落ちている。
完全に死んだわけではないようで、根元の方には小さくも新芽が出ていた。

冬に葉っぱを落とす品種特性かもしれないし、フランス品種は湿気に弱い特性なのかもしれない可能性も。

ミスキャサリン

すでに"冬囲い"のビニテを取り去った後ですが、これは高性品種である英国生まれのミスキャサリン(L.angustifolia 'Miss Katherine')
←がなんの施しもしなかった個体で、→がビニテで縛り上げてた個体。

幸いカビの発生は見られませんが、この違いでどのような生育差が出るか今後が気になるところ。追加報告しまーす!

これから春を感じてゆっくりと水分を根から上体に戻し始めると、徐々にしなやかに枝が開いてくるはず。

ラティフォリア

これはポルトガル原産の別系統ヒロハラベンダー(Lavandula latifolia)
違いは見ての通りですが、主幹をまっすぐ上に伸ばす育ち方をしていたので、縛ってない方は多分主幹がボッキリ逝ってる。
根っこが元気であれば脇芽がニョキニョキと出て横に広がってくるはず。
折れた枝葉は土に挿しておくとまた復活します。蘇生させてあげましょう。

縛っている方が案外無傷なのかな?とも見て取れる。
しかしすっごい折りたたまれ方だなぁ。。。

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上は縛っていないグロスブルー、下は縛ったブルーマウンテン。
ぜんぜん生きてますね!
植えた去年は両種とも成長が遅く花穂を伸ばさなかったのですが、今年は見られるかな〜!?待ってるよ!


考察!!!!

今年は予想外にも、シソ科植物のくせにネズミに食われる!カビにやられる!という被害を受けました。
うーんどうしたらよいのやら〜と考えてみて、4/17現在の状況だと

ネズミの食害に対しては、秋まきで殺鼠剤を撒いておく対策

雪の重さでまっすぐ伸びる品種はボキボキといったりするものもありましたが、

基本的には枝葉を束ねず360度方向に押し拡がるように雪の下で寝かせた方が、
①翌年の新芽展開・伸長にメリット
②ネズミによる可食部への侵入防止
③カビ菌糸が絡まることの防止
④過度な湾曲による枝折れ              を防止できる!

ことがわかるかと思います!
おおきな成果ですね!

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。