【蒸留日記vol.46】わが園初!3年目ラバンジンを蒸留してみる!
では本文いきまっせ!!
●序論
(生育しづらい配合用土の実験にも巻き込んだり紆余曲折ありましたが)
まさか3年でここまでデカく育つとは…!!!
まさかここまでデカく育つとは!!(2回目)
そんな驚きしかない蔵王ハーブ園よりやってきた、我がラベンダー園初のラバンジンであり、品種不明のラベンダー苗こと謎ラバンジンを、ついに8/4蒸留してみました!
おいらの目の前に写るバカデカいラベンダーが植えられた当初のnote記事はコチラ⤴︎⤴︎
ウチにきて植えた当初は片手に乗っかるちょこんとしたサイズだったのに、2年後には横幅1mを越す超ビッグサイズなラベンダーに育っていた謎ラバンジンくん。
ついに本記事でラベンダー精油を抽出します!ご期待!
ではその流れを追っていきましょう。。。
■謎ラバンジンのざっくりとしたプロフィール!
むろん我が園2年目に初めてやってきたLavandula x intermedia系統(ハイブリッドラベンダー、ラバンジン系統とも)です。
富良野をはじめ、道内各地に植えられている"イングリッシュラベンダー"とはまた違ったタイプのラベンダーです。
なので香りも違う、大きさも違う、というのが区別・魅力だったりします。
植えた動機とは。
カインズホーム(ホムセン)にて北海道では噂に聞く「ラバンジン」の苗木をみっけたので、はてどんな育ち方をするものやら〜と試しに1株買ってみた!ってのが始まりなのですな〜
同じ年(2020年)に追加でグロッソ、スーパー、ロングホワイト、スコティッシュコテージ、ボゴング、グロスブルーと遅れてラバンジン各種も追加で植えてみた次第なんですが、、、
2年後?の2022年現在、もっとも大きく育っているのは紛れもなくこの謎ラバンジンちゃん!
育って3年目、どんどんデカくなる。
ラバンジン・ラベンダー(学名はLavandula x intermedia)ってコモンラベンダーとヒロハラベンダーのハイブリッド品種なので、当然双方の性質を受け継いでいます。なので、デッカく育つ!という性質が。
まぁようは、ちっちゃい紫色のつぼみの数がどんどん多くなるって意味ですな。
おいら氏も当初、最初の1,2年でグワァァァァッと大きく育つのかなぁ〜と思っていたら、ラバンジンはそもそも花茎が長く、毎年花穂のサイズがマッシュアップしていくという性質を発見。。。
という有様でした!
後述内容でわかることですが、この「花穂がデッカくなる」という特徴が、ラベンダーオイル産業に革命をもたらしたラバンジンオイルの特徴といいますか、コモンラベンダーからみるとニクいポイントだっらりします。
品種名はわからないけど、ヤツに似てるよね、、、
完全後出しで気づいた特徴になります。
他にもラバンジン品種を多数植えていて、その中でもスコティッシュコテージというラバンジン品種の花穂にもっとも近い外見だよねって特徴を見出したんです。
つぼみがフサフサしてないとか、ヤングコーンみたいに穂先が尖るとかね。
まぁ、ラベンダーを見本園のように研究栽培している中での発見、ということになりますが、、、
いやーーーー見比べるのって楽しぃぃぃぃぃぃ!!!
■収穫はラクっちゃラクだった!
なにより、ラバンジンはでっかいのです。
そもそもでっかいので、細々とした花穂を摘み取るコモンラベンダーの収穫より圧倒的に楽でした!
けど、うーん、まぁ、本数も多いから仕事量としてはどうなんだろう。
摘み取っている時の香りは、コモンラベンダーにはない樟脳臭(メンソレータム的香り)と爽やかで美味しいようなラベンダーの香り!
うーん幸せ!!(別にこの花の香りでもジンにしてしまいたいくらい…)
収穫量をしっかり測りました!
何度もバケツ含め0gになっているのを確かめて!
素材重量は[ 656グラム ]!
まさかの、ラベンダー1株から500グラム超えを叩き出しました!これには心底ビビった!!
だって、ほかのコモンラベンダーだと5株分で500グラムいくかいかないかぐらいだったんですよ!?
体積比(バイオマス量)的にはざっと5倍以上ってところなんでしょうね。
そんな収穫量をたった1株だけで成してしまうラバンジンラベンダーって、、、すごすぎる。
もちろん収穫したままの70センチ超え状態では蒸留機に収まらないので、花穂と葉茎に切り分けました。
ここで思ったんですが、ラバンジンの純粋な花オイルを作ってみてもよかったんじゃないかって思ったんですよね。
樟脳臭・Camphor値をどれだけ下げられるのか気になったので。
けどまぁ、ラバンジン初回の蒸留だし1株単体からどれだけの収油率(Oil Yield)になるのかの探求を優先しましたとさっ。
どういう効果があるかはわかりませんが、樟脳やシネオールを多く含むとされる葉っぱ茎は下層に敷き、ラベンダーオイルを含む花穂素材を上層にして蒸気排出口に近くなるよう配置しました。
これにて蒸留釜のセッティング完了、いざ蒸留開始です。
■蒸留中のようす。
蒸留開始から数十分後、、、ラボに溢れる、アレの香り。
そうです、まさにアレの香りが分液漏斗からプンプンと溢れ出してくるではありませんか!!
まさに、いやこれぞラバンジン!!
しかしいまのところ、このアレ臭(カンファー臭)が葉っぱ由来のものなのか、花由来のものなのかはわかっていません。。。
そして驚きはさらに続き・・・
ビーカーにまだ300mlほどしか溜まっていない段階でも、信じられないほど溜まっているラベンダーオイルの層…!!!!!
こんなに厚くラベンダーオイルが溜まっている光景って、3号濃紫ラベンダーを1キロ分蒸留したときぐらいなんですよ、間違いなく10mL以上は採れちゃってます。。。
この写真だと開始20分ぐらいなのですが、念のためしっかり1時間30分は回しておきました。
■蒸留結果は…!?
ニオイヒバ蒸留を思い出すような蒸留結果でした。
これがラバンジンラベンダーのオイルか、、、
抽出結果はこのぐらい。
3年目ラバンジンラベンダー1株分からの抽出量です。コモンラベンダーからは比較にならないほど多いですね。
オイル中にもやというか濁りが見えると思うのですが、おそらく樟脳かボルネオールの細かな結晶でしょう。
ラバンジンオイルには平均5%以上ほど含まれているそうです。
40株ほどの3号濃紫(L.angustifolia 'No3 Noushi')から得られたオイル量との比較です。
コモンラベンダーが40株もってしてこのオイル量だったのに対し、ラバンジンはたった1株で約20株相当に匹敵するオイル抽出量となっています。
おおよそ15~20mLの間での収油量でしょう。
これが世界で最もオイル生産されるのがラバンジンであることがわかりますね。。。
さてさて、肝心の収油率の計算をしてみましょうか。
■総評!!
ラバンジン ラベンダーはどうやら噂通り、3%近いオイルの収油率になるよーです!
数あるハーブの中でもトップレベルの多さなんだとか。
商業主義的に考えると、こんなにたくさんラベンダーオイルが採れるならこぞってみんな育ててオイル採るよね、というのがわかる蒸留結果でした。
でもみんな作るもの同じでいいの?って思っちゃうのがこのエフゲニーマエダ。小ロットですがたくさんのラベンダー品種のオイルを展開していきたい考え。
じゃ、うちの研究園にあるほかラバンジンたちではどーなるの?という蒸留記事をこれからボンボンと上げていくことにしましょう。。。
ではでは!
初のラバンジンラベンダーの蒸留回でした!