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【大実験】花壇栽培でフランス的環境を再現してみよーう!の巻。

ラベンダーの収穫直前からちまちま延々とやっているラベンダー研究園の大規模改修ですが、、、

今回から、ちょいと改良を加えてみます…!!

その名も、『花壇内部をフランスっぽくしてみる』です!!


●今回の主役はコイツ!

ホムセンで売ってた化粧砂利

はいドン!!石灰石〜〜〜〜〜!!

ホームセンターで売ってた、埼玉県秩父産の化粧砂利です。
こいつは太古の昔に海底のサンゴやら貝殻やらが厚く堆積して形成された、炭酸カルシウムを多く含む岩石でっす。

でなんで石灰石を使うのかというと、ズバリ南フランスの天然ラベンダーが育っている地域もこれと同じ地質だからです!!!

石灰岩の岩に抱かれて育つコモンラベンダー

ほら、

石灰岩の隙間に根ざして育つコモンラベンダー

ほらほら、

天然ラベンダーが育つ景観

ほらほらほら!!

山口県秋吉台のカルスト台地みたいな景色にラベンダーが育っていますよね!

おいらエフゲニーマエダは突如思いついたのです!!

 ようは、花壇の鉢底石をこの石灰石に変えちまえば、よりフランスらしい土壌環境を再現できるじゃん!!!ということを〜〜〜!!

ではさっそくやっていこう。。。


●南フランスの高地を再現した花壇をつくってみる。

花壇ブロックの組み上げまでは通常通り

花壇の組み方・造り方はいつもと変わらん感じです、はい。
なので花壇の造り方はどうやってるのー?なんて方はこちらの記事でも見て見てくださいナ。

そしてそして。

とりまベースは完成

いつも通り30分40分くらいでこの形まで組み上げちゃいます!
7スリット分(7株分)、並んでいるいつもの形式の花壇です。

※ブロックの継ぎ目スリット部分にラベンダー株を植えるので7株花壇

で、今回の改良はここから!

土作りに改良を加えます!


●南フランス的環境を再現するための改良!

まずは黒土に赤玉・火山れきを混ぜた

ベースとなる黒土はチッソ分をふんだんに含むので、ラベンダーの肥大成長(葉っぱを増やしたり枝を伸ばして大きくなる事)にとってかかせない土壌材料。
ですが、なにぶん土の粒が細かいので、黒土単体で使用すると雨が降ったり湿ったりすると田んぼのようにドロドロ土になってしまいます。

根腐れコケ発生の原因ですね。

そしてチッソ分も供給過多になってしまうので、デメリットとしてラベンダーの葉っぱが柔らかくなりすぎてカビやすくなったり暑さに弱くなってしまいます。
(これを抑えるために石灰を巻く役割があったり…)

なので少しでも排水性を得るために、火山れきを混ぜました!
これで雨が降った際のドロドロ化、水が溜まることを防げるはずです。

でいよいよ主役。。。

ベースの黒土用土に石灰砂利を混ぜる!

ホムセンで買ってきた石灰石を1袋投入!!

黒っぽい土に純白の石灰石をぶちまけると神々しく輝いて見えますね…。
このあと即汚れるんですが。

予告通り、黒土と石灰石砂利を"ジャカジャカと激しく"混ぜてやります。
石からはがれ落ちた薄片や石粉は細かければ細かいほどラベンダーが利用しやすく好都合です。なので激しめに混ぜてやります。

●石灰砂利の用土を入れる部分にも一工夫!

それら用土を、底に敷く!

ラベンダーを植える花壇用土すべてをこれに置き換えるのではなく、あくまで花壇の底部分のベース用土となってもらいます!

これがミソ。
石灰石を混ぜ込んでやったことの詳しい理由は後述しますが、今まで鉢底石として赤玉土の大粒を敷き詰めていた部分を、石灰石入りの黒土に置き換えてやった感じでっす!

引っ越し元の場所には穴ぼこがたくさん残った。

で引っ越し予定のラベンダー鉢植えをスポスポと引っこ抜いていき、、、

わりと健全気味の根っこだったのでパシャり

花壇には黒土+赤玉土中粒の1:1用土で埋めていってあげました!

こんな感じで、フランスのコモンラベンダー原産地的な定植方法となりやっすbb

大まかな構造はこんな感じになっておりやす!
まぁ厳密には鉢底の部分を変えてやったというだけのお話ですね^^;


●期待する効果〜ただフランスの景色を再現するだけじゃない、別の効果!

今回noteのタイトルをサラッと読み込んだだけでは、ただ花壇の内側をフランスっぽくするだけなの?となるでしょう。

しかし石灰石を土に混ぜ込むことは植物生理学?農学的にもしっかりと大きな役割があります!

それは・・・

ラベンダーの栽培方法をググった方は必ずや目にしている情報かと思いますが、「ラベンダーはアルカリ土壌を好みます」なんて文言。。。

見たことある方多いんじゃないでしょうか?
そしてそのアルカリ土壌を作るために、消石灰や有機石灰なんかをラベンダー用土に混ぜ込んだことも。。。

実は石灰肥料混ぜ込みとは違う一線があるのです…!!!

①有機石灰ではなく石灰石砂利を選んだワケ

ホームセンターで買えた化粧砂利(石灰石)。くそ重い。

ようはホタテや牡蠣などの棄て殼である有機石灰石灰石では、どちらも同じカルシウム供給材なのに、どう違うのか?

というと、まず1つは粒の大きさがミソだと思ってます。

緩効性の石灰肥料である、貝殻などを主体とした有機石灰。

農業肥料・資材コーナーに置かれている有機石灰は粉末状であり、土に混ぜても土の粒度に関してはそこまで影響を与えません。
むしろ細かい砂状なのですぐに土壌のペーハー改善に効果を発揮します。

そして細かいのですぐに溶けて用土・土壌を中和しやすく、効くのが早いのです。

本日2度目の登場

が、石灰石はあくまで砂利。石です。

これが土中にあると、ポットや鉢の底で根っこを受け止める鉢底石のような役割を果たします。根っこの進む向きを強制的に変えるのです。

根っこが石に当たるとどうなるかというと、石を避けようとして曲がりくねるのですが、石の数が多いとそれだけ根っこがぐねぐねと曲がります。
細かいことは端折りますが、石を巻き込んで根っこが曲がりくねってくれると、太くて強靭な根っこになってくれるのです。

太い根っこだとより多くの栄養を貯めることができ、ラベンダーが大きなダメージを負ってもその分の復活が早いなどのメリットがあります!

「根っこを太くする」これを狙って石灰石砂利を用いたのです!

②石灰石の砂利が花壇底にあることで得られる効果

①では根っこが曲がりくねることで太くなってラベンダーもより健康になるんじゃね!?と唱えました。
でお次は、ラベンダーがいかにこの石灰の石ころを利用するか?というポイントです。

それはズバリ、ラベンダー株の根っこの大部分が花壇の底に達した時に、石灰効果が効きはじめることを狙っているのです!!(時間差攻撃だハッハッハ‼︎)

どういうことかというと、、、
一般的にラベンダーを育てる時に石灰を混ぜて用土を作ると思うんですが、慣行法だとしょっぱなから石灰効果がラベンダー苗に効いてしまうことになります(梅雨や台風・酷暑のある本州ではこれで良い)。

が、Glowing seasonの長い北海道でこれをやるとせっかくの伸びしろ/成長時期を多少なり潰してしまっていることに。。。
なので、時間差で石灰効果が効くことを狙うのです!

ようはラベンダーの生育時間/成長度合いによって石灰効果の効きをコントロールしているワケです。

せつめいしたいこと

図説の通りなのですが、コモンラベンダー生育の最適地である北海道では、ラベンダーを枯らしてしまう要因の「台風」や「酷暑」に苛まれることはほぼなく、窒素を与えた分だけ伸び伸びとデッカく育ちます。

元気さがぜんぜん違うよね

しかし秋や冬が迫るとどうしても雨が多くなったり、半年は雪の下になってしまったりなどで腐れカビのリスクがでてきます。
なのでこの時期には肥大成長を抑制させて病害リスクに備えたい。

というときに、この石灰石を鉢底石にもってくる工夫なのでぇぇぇぇす!!

お前デッカくなりすぎるなよということっすね(笑)

③中長期の土壌pH変動対策!

そして植えてから2年3年と経ちラベンダーがデッカくなってくると、当然土中の根っこの密度は増します。
そうすると根酸の分泌量も多くなるので、当然ながらラベンダー周辺の用土pHは酸性に。。。
(フランス以外で育つラベンダーは止むを得ず根っこストレスを受けることに…)

大きくなってからの根っこ周辺トラブルを解消するのも、花壇の底に敷いた石灰石なので〜〜〜す!!
デッカく育って、根っこが石灰砂利層に達すると、根酸で石灰石を必要な分だけ溶かし、自身に利用することができるのです!


「いやいやそんな石っころ撒いただけでちゃんと効果発揮してくれるの!?」
とお思いでしょうが、そもそもラベンダーの原産地であるフランスでは、石どころか石灰岩の岩盤のすぐ上に生えています!

またまた2度目の登場

なので石灰利用に関しては植物進化の過程でその身になじませているんですナ!

○ラベンダーの石灰利用のアレコレ

そもそもラベンダーはどういう石灰/カルシウム利用を?

というと、冬には雪も降るめっちゃ寒い石灰岩の高山で、ラベンダーはその極寒を耐えなくてはなりませんね。
タンポポなどに代表されるキク科のロゼッタ型植物なんかはタネをばら撒いたら地上部分を枯らして根っこで越冬するように進化しましたが、
ラベンダーは硬い樹皮をもつ低木になることを選んだみたいです。

そして葉っぱも硬く厚くしておくことで温度変化や多少の湿度には耐えられるように進化しました。(わからんけど)

その自身の硬化のために、すぐ直下にある石灰岩のカルシウムを根酸で溶かして取り込むことを覚えたのですな!(多分)

どうやら植物はカルシウムを取り込むと、よっぽどでもない限り成長が鈍ります。
そして樹木・低木類が成長が鈍るとどうなるかというと、枝を木質化させて硬化しはじめます。

どうやらこの摂理がコモンラベンダーを1000m以上の高山地域で生き残らせるに至ったのですね!


なので、今回の趣旨をひっくるめて説明すると、しっかりと丈夫なラベンダーを作るための、原産地に倣った一工夫というワケなのですな〜〜〜!!

はい。
ひとくちnoteを書こうとしたら、またも気づけば長々とした文章モリモリ記事に変えてしまったラベンダー愛の止まらないエフゲニーマエダでした!

ということで、いつもの新規格ラベンダー花壇にちょっとした工夫をしてみたよー!!という回でした!

若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。