バケーションのススメ!休み上手なスペインが説く休暇の重要性
こんにちは、しえです!いつもご覧いただきありがとうございます!
今週、私のストレス値はマックスです。もう限界。仕事が忙しく、爆発しそう。推しが足りていません。スペインに行かなければ、スペインに・・・。
どうして日本にはバケーション文化が輸入されないのでしょう。1週間やそこらの休暇ではなく、もっとまとまった休みが欲しいと思っているのは私だけではないはず!
だって、日本のお休み制度でどうやってスペインに行くの?例えば7日休みがあったとして、スペインに行くには行き帰りで1日ずつ費やします。そうしたら実質いられるのはたった5日。足らんねん!!
今回はスペインの働き方と羨ましすぎる夏のバケーションについてご紹介します。ぜひ最後まで!
「スペイン人は働かない」は嘘だ!
スペイン人と言うと、なぜか「仕事をしない」というイメージがありませんか。平日の昼間からのんびり日光浴を楽しみ、バルに出かけ、テラスでおしゃべりを楽しみ、昼にシエスタを取り、夕方からちょろっと働く・・。
いや、そんなわけない。スペイン人、ちゃんと仕事をしています。
スペインの失業率
スペイン全体の失業率は15.5%。中でも特に問題となっているのが、若者の失業率です。義務教育が終わる15歳から24歳までの失業率はなんと38%、25歳から34歳までも19.6%と世界的に見てもかなり高い数値。
若い人たちが仕事を見つけることが難しい状態は何年も前から続いていて、職につけたとしても低賃金だとされています。そのためユーロ圏内の他国に働きに出る方も多いのだそうです。
数年前は弁護士資格を持っていても若者は働き口がないくらい、若い人に仕事が回っていない状態だったんだとか。今は少し改善されているようです。
ヨーロッパの中では労働時間が長いスペイン
全体の失業率の高さはさておき、仕事に就いている人たちは基本的には1日7,8時間、労働をしています。日本と同じですね。労働時間を厳格に管理している国が多いヨーロッパの中では、スペインは労働時間が長い方の国にカテゴライズされます。
労働時間は最大で1週間あたり40時間と法律で決められており、超過する場合は労働者との合意が必要となります。
スペインといえば、のシエスタを挟む場合でも大体朝9時から14時まで5時間働き、シエスタを挟み、17時に仕事を再会して20時頃まで働くので合計8時間。労働時間だけを見れば、日本と同じだけ働いていることが分かります。
残業はしない
日本人が働きすぎといわれる訳は、法律で定められている8時間労働のことではありません。残業が多いためです。
スペイン人たちは基本的に残業をしません。今日やるべきことが終わっていれば、明日の仕事が詰まっていても定時で帰ります。明日のことは明日やればいい、なんで今やるのか?という調子。
スペイン人と働いていた時には、就業時間内にどんどん明日のことをやる私を不思議そうに眺め、「そんなに明日のことやらなくても。休憩しよう」とよく言われました。
今日やらなければならない自分の仕事が終わっていれば就業中に一休みするのも、定時ぴったりに帰るのも、彼らにとってはごく自然なことなんです。
世界に轟くサービス残業という悪評
スペインの人と話をしていて、私が日本人で日本で働いていることが分かると必ず聞かれるのが「1日何時間働いているの?」そして「残業したらその分お金は払われるの?」という事です。
ここ数年は少しずつ改善されているものの、日本の労働環境がそれほど良くないことはスペインでもよく知られています。なぜかって?スペインの新聞やニュースで何度も取り上げられているからです。悪評ですね。
日本人は賃金も払われないのに、会社のためにタダで働くらしい。いわゆるサービス残業なんて彼らにしてみると謎以外の何ものでもないので、本当にそんなことが起こり得るのか半信半疑。テレビや新聞の情報は嘘かもしれないと思っているため、そんな質問が飛んでくるんですね。
スペインでは残業が発生するとしても、エクストラで賃金が加算されるのが基本。当然です。
仕事は生活のためにするもので、プライベートの時間を確保するのは当然の権利と考えるスペイン人たち。彼らが一年で一番楽しみにしているのが、毎年夏に訪れるvacaciones(バケーション)です。
羨ましいバケーション文化
スペインを含む他のヨーロッパ諸国でも当然存在するバケーション。これは6〜8月の夏の間に長期間の休みを取る文化のことです。
スペインでは大体2、3週間、長いと1ヶ月のお休みを取るのが普通のこと。職種に関わらず、バケーションは当たり前に存在しています。
1ヶ月!!!1ヶ月ですよ!!
みなさん、社会人になってからというもの、1ヶ月もお休みを取れたことがあるでしょうか?
継続して同じ会社で働かれている方や、転職を考えていない方が1ヶ月の休みを取るのは至難の業なのではないでしょうか。大企業ならあり得るん?いや、大企業でも1ヶ月もの休みは休職以外耳にしたことがありません。
お互い様のバケーション
スペインでも日本と同じく有給休暇があります。1年目は12日でそこから勤続年数に応じて増え続ける仕組み。こちらも日本と同じですね。ですが、スペインの有休消化率はほぼ100%という徹底ぶりです。
夏のバケーションはこの有給休暇と土日などを組み合わせて作り出されます。
もちろん従業員全員が一度に休んでしまうと仕事が回らなくなってしまうので、オフィスなどでは順番に休暇を取ります。誰々は6月後半、誰々は7月前半という風に上手に調整するんですね。
飲食店や小さなお店であれば、店を丸ごとお休みすることも少なくありません。「◯月◯日から◯月◯日までバケーション」と書かれた紙が店頭に貼り出されており、お店の利用者もそれを当然受け入れます。
「休みすぎじゃない?」なんて言う利用者はいません。あのお店は不定期で休むから行かない、なんてことも起こりません。それどころか店員さんに「明日からバケーションね!どこか行くの?」と声をかける常連さんの姿をよく見かけます。素晴らしい。
夏の旅行を計画している人・・94%!
長いバケーションを前に、夏が近くなるとスペインの街中で”viajar(旅行をする)という文字を多く見かけるようになります。
旅行オフィスや服屋さん、カバン屋さんなどのショーウィンドーには夏のバケーションを意識した文字がずらり。お店に出入りする人たちもウキウキして見えます。なんとスペインでは夏の間にバケーションに出かける予定のある人は全体の94%!!脅威の数字です。
スペインではコロナウイルスの収束後、旅行に出かける人が増えたのだとか。どこにも出かけられなかった反動でしょうか。かなりの人達がバケーションを予定していることが分かります。
バケーションの過ごし方
スペイン人に言わせると、「バケーション」と「観光」は違うもの。
バケーションは海や山などに出かけ、日がな一日ゆったりと過ごす事を指し、観光は様々な名所に出かけることを指すのだそうです。夏は動くと暑いし、快適な環境でのんびりするのが最高の過ごし方と考える人が多いですね。
スペイン国内のバケーション先として人気なのは
・アンダルシアのCosta del sol
・マジョルカ島などのバレアレス諸島
・バレンシア
などです。どれも海沿いですね。
スペインの夏のバケーションの定番は、美しい海!海に出かけ何をしているかというと、ひたすらのんびり寝ているだけ。バケーションから戻るとみんな真っ黒に日焼けしているのも定番です。
休暇に罪悪感を感じる日本人
スペインの人に「日本人はバケーションなしで、どうして誰も暴動を起こさないの?」と言われたことは一度や二度ではありません。
海外のものを何でも取り入れる日本なのに、どうしてバケーション文化だけ未だに多くの企業で取り入れられていないのでしょうか。「日本人は最大でも10日くらいのバケーションしかないらしい」というスペインの新聞記事を見つけました。10日もないけどな。
2019年のものでちょっと古いけれど、記事によると「日本人の60%は長期休暇を取ることに罪悪感があると感じている」とのこと。この休暇を取ることへの罪悪感が、バケーションが根付かない大きな原因だと私も感じます。
休暇=怠惰ではない!!
スペインでは休暇=怠惰という考えは成り立ちません。休暇を取ることはその他の日々を頑張って働くために、とても重要なことだと理解されているからです。
何をするでもない、ただ海辺でのんびりしたり、おいしいものを食べたり、読書をしたり、テラスでゆっくり朝食をとったりする。このバケーションの過ごし方が、残りの日々を元気に過ごすコツだとスペイン人たちは言います。
行きたい所に行く、会いたい人に会う、家族とゆっくり過ごすことは働くためのモチベーションになり得るということをスペインの人々は何年も前から知っているんですね。
日本にもバケーションを!
とっても羨ましいスペインのバケーション文化。先程の新聞記事からも、明るく楽しく人生を過ごすために仕事ばかりしていたらダメよ、というスペインからの助言を強く感じます。
ゆっくり過ごす時間が人生には必要。行きたいところに行けないなら、何のために働くんだ!というスペインの価値観が、ぜひ日本でも広がってほしいものです。
バケーションさえあれば、私のような人間も同じ会社で働き続けられるかもしれない。今行われているEURO2024も現地観戦できたかもしれない。もっとスペインに長期滞在できる。
バケーションをください。
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