【レシピ】トマトをまるごと味わうカタルーニャの定番朝食、パン・コン・トマテが絶品!
こんにちは、しえです!いつもご覧いただきありがとうございます!
夏野菜のおいしい季節ですね。ピーマン、なす、とうもろこし・・そしてトマト!!トマトはスペイン料理に欠かせない野菜。年間を通して様々な種類が食卓に並びます。日本ではあまり目にしない紫や緑色のもの、びっくりするくらい大きなものも。
今回はそんなトマトを使ったカタルーニャ地方の定番の朝食、Pan con Tomateをご紹介します!
シンプルでおいしい!パン・コン・トマテ
パン・コン・トマテはスペイン、カタルーニャ地方の定番朝食。トマトが旬を迎える夏の間だけでなく、一年中いつでも食べられています。
日本語に訳すと「パンとトマト」という名前を持つパン・コン・トマテ。その名の通り、こんがり焼いたパンにトマトを乗せただけというシンプルな料理なのですが、これが驚くほどおいしい。
レシピとして紹介するのもおこがましいほど、あっという間に完成します。早速作ってみましょう。
La receta de Pan con Tomate
材料(2人分)
バゲット 1/2本分(トーストでもOK)
トマト 1/2個
にんにく 1/3片
エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1と適量
塩 適量
①トマトをおろし金ですり下ろします。1/4にカットして、皮を上にしてすりおろせばきれいに皮だけが残ります。
②トマトにオリーブオイルを大さじと塩を加え、よく混ぜます。
③バゲットをトーストし、こんがり焼けた面ににんにくを優しく擦り付けます。優しくがポイント!力を入れすぎると、にんにくの風味が強くなりすぎます。ふんわりと、少し香りをつけるくらいがおすすめ。
☆にんにくが苦手な方は抜いてもおいしく食べられます!にんにくを塗っていないパン・コン・トマテも存在しますよ。
④バゲットに②のトマトを乗せ、オリーブオイルを少しだけ垂らして完成!
パン・コン・トマテの発祥
パン・コン・トマテはスペイン北東部、バルセロナのあるカタルーニャ地方の発祥とされています。
今は全国どこででも見かけますが、特にカタルーニャでは定番中の定番。「スペインのおにぎり」と言われるBocadilloというサンドイッチも、カタルーニャ地方ではパン・コン・トマテで作って!とリクエストすることができるという噂。その他地域のボカディージョは、普通のパンで作られるのが主流です。
パン・コン・トマテの発祥はスペイン国内でも様々な説があるようですが、2日目の固くなったパンにトマトを擦り付け、柔らかくして食べたことから生まれた説が濃厚です。
今日ご紹介したレシピはトマトをすりつぶして使う方法でしたが、カットしたトマトをパンに擦り付ける作り方も一般的。もしかすると、トマトを擦り付けるのがクラシカルで正しい作り方なのかもしれません。
ただ、この方法だとトマトがもったいない気がするんですよねぇ。パンもふやけるし。いや、発祥を考えるとふやかしたいのだからそれでいいのかもしれませんけど。個人的にはすりつぶす派です。
農業の盛んなスペイン
パン、トマト、にんにく、オリーブオイル、塩というシンプルを極めた料理パン・コン・トマテ。こんなに少ない材料でおいしい朝食ができるなんてスペイン人たちは食の天才です。
そしてそれを可能にしているのがスペインの農業。シンプルでおいしい料理はやはり素材が命ですからね。
野菜はそのままが一番!
スペイン料理は手がこんでいるように思いますが、シンプルなものも多い。野菜を揚げただけ、焼いてオリーブオイルをかけただけ!という料理が大半を占めます。そしてそれがとってもおいしい。
素材で勝負して大勝利してしまうスペイン料理。太陽の恵みですね。スペインでは野菜はそのままを味わうのが一番!というのが共通認識としてあり、サラダのドレッシングも日本ほど種類はありません。
特にお店で出されるサラダにドレッシングがかかっていることは稀。稀、というか私自身は出会ったことがありません。野菜がどーんと盛られたお皿とエクストラバージンオリーブオイル、ビネガー、塩が一緒に運ばれてきて、好きに味をつけて食べるという形式が一般的です。
このオリーブオイルとビネガー、塩で食べる野菜がとっても味わい深い。最初は「ドレッシングは?」となるのですが、食べてみると野菜の甘味が際立ち絶品なんです。
スペインで一番消費されている野菜
日本国内で一番消費されている野菜ってなんでしょう?実は大根だそうです。大根!おいしいですよね。
スペインで一番消費されている野菜は2022年のデータによるとトマト!今回の主役、トマトです。その他、じゃがいも、玉ねぎ、ピーマンなども多く消費されています。
トマトは特にスペインの夏に欠かせない食材で、サラダにスープに大活躍。スペインの夏の定番、ガスパチョも材料はほぼトマト。トマトにきゅうり、玉ねぎ、ビネガー、にんにくなどを加えて作られます。
ガスパチョは夏の健康維持には欠かせない料理として、多くの家庭で冷蔵庫に常備。食事の時に食べるというよりも、ドリンクとして飲む人が多い印象です。正に飲むサラダですね。外から帰って水分と栄養補給のためにガスパチョ、と言った感じで消費されます。
スペインの管理栄養士も「夏を健康に過ごすために、全国民ガスパチョを飲むべき」と推奨するほど栄養満点なスープなんですよ。
スペインの農業事情
スペインは農業がとても盛んで、農業生産額はEUの中で第2位。食料自給率は93%ととても高く、多くの食材を輸入に頼ることなく国内生産で賄っています。
特にトマトは日本にもたくさん輸出されているようで、スペイン→日本の輸入食材の中では第5位。ホールトマト缶などを見ても、「スペイン産トマト」と書かれているものによく出会うので、加工品の素材として輸入されることも多いのでしょう。
ちなみにスペインから日本への輸入食材で一番多いのは豚肉です。最近はイベリコ豚もどこででも見かけますよね。
スペインの農業は野菜だけでなく大麦、小麦などの生産量が多いのも特徴。主食のパン作りに必要な小麦も自国で生産しているという、食に関してかなり盤石な国なんです。
野菜もフルーツも安い!
食料の大半を自国で賄えるということは、国際情勢にも左右されにくいという強みがあります。
全体的な物価は上がってはいるものの、食料品はその他ヨーロッパの国々に比べるとまだまだ安い。スーパーや市場に行けば驚きの値段で野菜やフルーツが販売されています。外食費が比較的安いのも、素材が安く手に入るからということでしょう。野菜やフルーツの平均価格は
トマト1kg 1.9ユーロ(約323円)
ピーマン1kg 1.8ユーロ(約306円)
きゅうり1kg 1.8ユーロ(約306円)
玉ねぎ1kg 1.5ユーロ(約255円)
じゃがいも 1.2ユーロ(約204円)
大玉スイカ1玉 9ユーロ(約1530円)
桃1kg 5ユーロ(850円)
などなど。トマト1kgは大体大きいものが7〜8個分くらいなので、それが300円台はかなり安いですよね。
スペインは量り売りが基本で、市場はもちろん、スーパーやフルーツ屋さんでも欲しい分だけ購入することができます。ピーマン1kgもいらんわ!という方も1個から安価で購入できるので安心。
この量り売り方式、ぜひ日本でも取り入れて欲しい。野菜やフルーツが山盛りになった見た目もかわいいし、ムダも少ない。旅行中、フルーツが欲しくなった時でも気軽に購入できるのでおすすめです。
ただしフルーツの質は・・
安価で様々なフルーツが食べられるスペインですが、これだけははっきり言っておきたい。日本のフルーツは最高品質です。これは間違いない。
スペインのフルーツが決してマズイ、というわけではありません。ちゃんと風味もするしおいしい。安かろう悪かろうではなく、安くて普通。うーん、普通!!おそらくこれは日本のフルーツを知っているからだと思います。
日本のフルーツはクオリティが高すぎる。蜜入りのりんご、ジューシーで果肉のとろけるメロン、甘すぎるほど甘いいちご・・・そんなものはスペインで出会ったことはありません。
スペインも野菜はとってもおいしいのですが、フルーツに関しては絶対に日本の勝ちです。高くてもおいしいから仕方ない。スペインのフルーツは安くて大量に食べられるので、それはそれで良し。バランスが取れていると思う。
カタルーニャの美味しい朝食!
少ない素材で最高においしい朝食になるパン・コン・トマテ。生ハムを乗せたり、サーモンを乗せたりするのもおすすめです。シンプルな料理は組み合わせを楽しめるのも良い点ですよね。
パン・コン・トマテを朝食にして、デザートに日本のフルーツを用意すればそれだけで一日幸せです。
10分もかからずに準備できる時短料理でもあるので、忙しい朝にもぴったり!パン派のみなさん、ぜひ試してみてください!
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