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「シロクマのことだけは考えるな!人生が急にオモシロくなる心理術 」 植木理恵

「性格は、必ず自分で変えられます。性格が変れば、人生の持つ「色合い」が変ります。」



「シロクマのことだけは考えるな!」 人生が急にオモシロくなる心理術 植木理恵  



「どうしてこんなことを、忘れてしまったんだろう?」


覚えていないといけないことを完全に忘れてしまったり、「もう、忘れてしまいたい!」っていうことを、いつまでも忘れられなかったり。


心ってなんか複雑ですよね。


植木さんは「はじめに」でこのように語っています。


だって、人間の脳は本当にアマノジャク。覚えたいことはなかなか覚えられない。それなのに、忘れたいことに限っていつまでも忘れられない。


心理カウンセリングで多くの人たちと接している植木さんは、『幸せに向かって努力している人』よりも『自分に甘くてイイカゲンな人』のほうが、人生をオモシロおかしく謳歌している現実によく直面するそうです。


矛盾することの多い世の中で植木さんが信じているのが


「認知心理学」



「記憶心理学」


心のモヤモヤに、いちばんてっとり早く結論を与えてくれるもの。自己とどう向き合い、他者とどう交わることが、お互いの幸福感を紡ぎ出すのか。それを最も科学的に、明快に示してくれるもの。


1987年にある実験が行われました。


集めた人を3グループに分けて何の説明もせずに、シロクマの一日を追った50分ほどの映像を見せました。


そして


見終わったあと、3グループの人たちそれぞれに


①「シロクマのことを覚えておけ」

②「シロクマのことは考えても考えなくてもお好きなように」

③「シロクマのことだけは考えるな」


と言いました。


さて・・・


1年後、内容を一番克明に覚えていたのは
どのグループだったでしょうか?


ちなみに、なぜシロクマかというと、心理学的にシロクマは、何の象徴(シンボル)でもなく、イメージが固定されていない動物だから


なのだそう。


答え、わかりましたでしょうか?









答えは


③の「シロクマのことだけは考えるな!」なんです。


忘れようと努力すればするほど、脳には「覚えておけ!」と命令することになっていたんですね。


心はむずかしいと思いましたが、心理学を知れば、いろんな解決法があるんだということが、この本を読んでみてわかりました。


では


忘れたいこと(悲しいこと、辛いこと)を、忘れるようにするには、どうしたらよいのでしょう。


辛くて、悲しいことはなかなか忘れたくても忘れられませんよね。


植木さんはこう答えています。


それはズバリ、脳のメーターが振り切れるまで考えることです!考えて、考えて、思う存分考えまくってください。

失恋したのなら、泣きたいだけ泣き続けるほうがいいんです。

(中略)

大丈夫、いくら悲しくてもつらくても、人生は半年たつと、その対象への興味が薄れていく、という、非常に都合のいい機能を持っています。


「半年なんて長いよ!」ってつぶやいたあなた。


そうですよね。「早くシロクマを忘れてしまいたい!」そんなときには、裏技があるんです。


それが


「塩ぬり療法」


そのつらく悲しい出来事を、詳細に日記につけること、そして自虐的に人に話すこと!


女性が失恋しても引きずらないのは、恋愛のことを人に話す傾向にあるからなんですって。


アウトプットすることによって、早く「どうでもよくなる」からだそうです。


他にも


頭の中で誤解していた心の不思議と、悩みの処方箋がギッシリ書かれています。


僕が一番ためになったのは、「パニックを鎮める必殺技」です。


パニックに陥ったとき、自分の心に
「落ち着け…落ち着け…」とか
「大丈夫…大丈夫…」とか 
今までつぶやいていたのですが、
コレ、よくなかったのかも?と思いました。


さきほどの「シロクマ」くん。


忘れようとすればするほど、シロクマが心から離れない状態になってしまいます。


植木さんはこのように語っています。


緊張や不安を鎮めてくれるのは、「それを抑え込んで、なんとか乗り切ろう」というメンタルコントロールではありません。歯を食いしばって抵抗してはいけないのです。


今まで何とか逃げよう、逃げよう、と考えていたのですが、そうではなく、思いっきり、その状況を堪能することの方がうまくいくのですね。


状況を堪能するのに良い方法があります。それが、「ひとり実況中継」をすること。


例えば、私は、緊張してちょっと手が冷たくなってきたら、「おっと手が冷たい。ジーンと冷たくなってきた」と、一人でブツブツ言うのが習慣になっています。

(中略)

つまり、苦しい状況から逃げずに、逆に詳しく言語化することがポイント。

(中略)

ひとり実況中継をしていれば、それ以上に具合が悪くなってしまうことはありません。むしろ、しつこく言語化しているうちに、いつの間にか身体症状は軽減され、冷静さを取り戻すことができるのです。


とても読みやすく、わかりやすく、植木さんのお人柄まで垣間見れた、そんな1冊でありました。



【出典】

「シロクマのことだけは考えるな!」 人生が急にオモシロくなる心理術 植木理恵 新潮社


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