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「キミが働く理由」 福島正伸


「お互い悩みを共有し、励ましあい、情報を交換しあうことで、新しい力とモチベーションが生まれてきます。」



「キミが働く理由」 福島正伸




今、あなたは仕事や会社に対して悩んでいますか?


もしも落ち込んでいるのなら、何もする気になれませんよね?


僕もこの何ヶ月か、仕事の忙しさと辛さで何度も何度も落ち込み、心が折れそうになりました。


家に帰ってきてから、ため息が何度も出るほど働くことに悩んでいたら、この本を読んでみてください。


どん底に落ち込んだ人にしかわからない辛い気持ちを、福島正伸さんの希望のある優しい『言葉』であなたを包んでくれるでしょう。


普通の時に読むと絶対に感じることができない感動が、この本にはありました。


まず最初に「おわりに」を読んでみてください。
僕は福島さんと同じ気持ちになりました。


ずっと、ずっと、これはちがうんじゃないかと思ってきた考え・感情を、福島さんが代弁してくれていました。

私は、競争というものに長年、疑問を持っていました。人に勝つことで社会は本当によくなるのか、すべての人が幸せにならなければ、意味がないんじゃないか、と。

(中略)

お互い悩みを共有し、励ましあい、情報を交換しあうことで、新しい力とモチベーションが生まれてきます。

お互い実現したいことは異なりますが、それぞれの夢を尊重し、助け合うことで大きな力が生まれてくるのです。

競争とは、全く別の力が生まれてくるのです。


これからの時代は競争ではなく、共創なのだと思っています。


過度な競争は心を壊してしまいます。いくら便利な世の中になるとしても、心が不自由だと幸せは、どこか遠くの方に行ってしまうのではないでしょうか。


幸せを感じないと、人を幸せにはできないとこの何ヶ月間にイヤというほど感じました。


まずは自分を大切に、元気になることが一番です。元気になったら人のために何か自分にできることをすれば、大きな力が生まれるのだと思いました。共創ですね。


この本にあるエピソード=まさにこれが働くことの素晴らしさだと思った話がこれなんです。


福島さんが新宿で、事務所をかまえていた時のお話です。


福島さんの事務所の近くに駐車場があります。その駐車場の管理人さんは、いつも笑顔で楽しそうに元気に福島さんと接してくれました.


福島さんはその管理人さんに会うと、いつも元気になれたそうです。


ある朝、駐車場に着いたら土砂降りの雨。


家を出るときは、雨が降っていなかったので傘を持っていませんでした。


「どうしよう・・・」と思っていたら、
福島さんの車に管理人さんは走ってきて

「福島さん、よかったら、私の傘を持っていってください」


と言うのです。


さらに

「私が(傘を)持っていったら、帰りにおじさんが困るでしょう」と言ったら、「私はどうなってもいいんですよ」と言います。


福島さんはこのおじさんをすごい人だと思いました。


また、新宿という場所柄か、駐車場の時間貸しはいつも満車になります。

満車になると入り口にロープを張って、外に「満車」という看板を出して、中に入れないようにしてしまいます。


そんなとき


その管理人のおじさんは、入ろうとする車1台1台に頭を下げて謝るんですね。満車と聞いて、中には怒る人もいます。

「いつ来ても、満車じゃないか。何をやっているんだ?」


他にもこの駐車場は従業員がいるのですが、他の人は囲碁をしたり、漫画を読んだり・・・このおじさんだけが、外に立ち、謝り続けるのだそうです。


福島さんは思います。


「あんなことをしなくていいのに。なぜあんな大変なこと、嫌なことを、あのおじさんはしているのだろう」


ある日、おじさんは福島さんに

「福島さん、いろいろお世話になりました。来週いっぱいで、この仕事を辞めることにしました」


おじさんの奥さんが病気になり、空気の
きれいな地方に引っ越すのだそうです。


福島さんはお世話になったお礼に、おじさんが
最後の日に菓子折りを持っていきました。


そこで福島さんは信じられない光景に出逢ったのでした。

駐車場の管理人室には、花束や色とりどりのおみやげが積み上げられていました。

そして、駐車場の中は人でいっぱいで、みんなが順番待ちをして、管理人のおじさんと記念写真を撮っていたのです。

(中略)

おじさんは、教えてくれたのです。「この仕事が面白いかどうかではない。この仕事を自分が面白くできるんだよ」と。

(中略)

「どうしたら、みんなに喜んでもらえるだろう?」と考えていたのです。


駐車場がいっぱいになったら、喜んでもらえないので素直に謝ろうと、素直に頭を下げ続けていたんだそうです。


その純粋な行動と想いが、周りの人に
笑顔と元気と感動を配っていたんです。


今の現状に不満を抱いていても、なかなか
解決できないことが多いですよね?


それならば、周りの人を少しだけ笑顔にしてみようと。


笑顔で挨拶するだけでも、周りの人に
元気を配れるかもしれません。


そうすると、現状が少しだけかもしれませんが、
改善するのではないかと思いました。


瀬戸内寂聴さんが語っていましたが、私たちはみんな苦しみを持っています。それに耐えて生きているのです。


そういうことを思いやって、どなたにも、優しくしてください。

そして、どなたを見ても、にっこりとしてください、これを仏教では「顔施(がんせ)」、あるいは「和顔施(わがんせ)」といいます。

笑顔を、優しい顔を人に施すということです。

「寂聴 あおぞら説法Ⅱ」 より



にっこりされて、不機嫌になるのはなかなかむずかしい。


苦しい状況を変えることは難しいと思いますが、周りの人たちが元気になる!楽しくなる!笑顔になる!ように頑張ろうと、このエピソードを読んで思いましたし、そこから “何か” 状況が変わっていくんじゃないかなって希望を感じました。

もっと人に喜んでもらうためにはどうしたらいいだろう

どんな仕事でもまず大事なことは、その仕事の先に
意味や価値を見つけることです。


この本は仕事について、一貫してこのことが流れています。


人に喜んでもらえる仕事をすることによってのみ、周りの人にも自分自身にも、良い変化が訪れるのでしょう。



【出典】

「キミが働く理由」 福島正伸 中経出版


いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。