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  • 2024年 映画評

    2024年観た映画の評論をあげています。

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映画評 FLY!フライ!🇺🇸

『ミニオンズ』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のイルミネーション・スタジオによるオリジナルの長編アニメーション。カモの一家が、初めての大移動に乗り出すファミリーアドベンチャー。 小さな池から一度も出たことがなかったカモの一家は、ある日、移動中の渡り鳥が立ち寄り、自由で逞しい姿を見たことで、外の世界へと羽ばたく旅に出ることを決意する。一家は、カリブ海の楽園ジャマイカを目指す大移動に乗り出すことになるが、多くの危険が待ち受けていた。 カモの一家が旅をしようと思った動

    • 映画評 ウルフズ🇺🇸

      ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットによる、同じ事件現場で鉢合わせした2人のフィクサーの共闘を描いたクライムアクション。MCUシリーズの『スパイダーマン』を手がけたジョン・ワッツが監督・脚本を務める。 重大事件を隠蔽する裏社会のもみ消し屋のジャック(ジョージ・クルーニー)は、ある男を始末する依頼を受ける。早速現場へ足を運んだものの、そこへもう1人の揉み消し屋であるニック(ブラット・ピット)が現れ、同じ依頼を受けていたことが判明。これまで一匹狼として暗躍してきたジャックとニ

      • 映画評 憐れみの3章🇬🇧

        『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス監督による、愛と支配をめぐる3つの物語で構成したアンソロジー。第77回カンヌ国際映画祭でジェシー・プレモンスが男優賞を受賞。 選択肢を奪われながらも自分の人生を取り戻そうと奮闘する男、海難事故から生還したものの別人のようになってしまった妻に恐怖心を抱く警察官、卓越した教祖になることが定められた特別な人物を必死で探す女。3つの奇想天外な物語を、不穏さを漂わせながらもユーモラスに描き出す。 本作は異なる3つの

        • 映画評 シティーハンター🇯🇵

          北条司の大人気コミック『シティーハンター』を『名もなき世界のエンドロール』『累 かさね』の佐藤祐市監督によって、日本初実写映画化。新宿の裏社会で活動する超一流のスイーパー(始末屋)である主人公・冴羽獠の活躍を描く。 現代の新宿。冴羽獠(鈴木亮平)は相棒の槇村秀幸とともに、有名コスプレイヤー・くるみの捜索という仕事を請け負う。息の合ったコンビネーションでくるみを追うリョウと槇村だったが、突然起こった事件に巻き込まれ、槇村がこの世を去る。現場に居合わせた秀幸の妹・槇村香(森田望

        映画評 FLY!フライ!🇺🇸

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        • 2024年 映画評
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          映画評 サン・セバスチャンへ、ようこそ🇪🇸

          『ハンナとその姉妹』『アニー・ホール』のウッディ・アレン監督による、スペイン最大の国際映画祭「サン・セバスチャン国際映画祭」を舞台に、妻の浮気を疑う大学教授が体験する不思議な出来事を描いたコメディ。 ニューヨークの大学で映画学の教鞭を執る、売れない作家モート・リフキン(ウォーレス・ジョーン)は、有名なフランス人監督フィリップの広報を担当している妻のスー(ジーナ・ガーショ)に同行して、サン・セバスチャン映画祭にやってくる。リフキンはいつも楽しそうな妻とフィリップの浮気を疑って

          映画評 サン・セバスチャンへ、ようこそ🇪🇸

          映画評 青春18×2 君へと続く道🇯🇵🇹🇼

          台湾で話題を呼んだジミー・ライの紀行エッセイ『青春18×2 日本漫車流浪記』を『新聞記者』『余命10年』の藤井道人監督・脚本によって実写映画化。18年前の台湾と現在の日本を舞台に、初恋の記憶を描き出す。 18年前の台湾。カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(シュー・グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミーだが、突然アミが帰国してしまう。時が経ち、現在。人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、彼女が生まれ育

          映画評 青春18×2 君へと続く道🇯🇵🇹🇼

          映画評 不都合な記憶🇯🇵

          『ある男』『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督による、理想を追求する夫とアンドロイドの妻の歪んだ愛のかたちを描いた、SFサイコロマンス。 人類の宇宙移住が進んだ西暦2200年。宇宙に浮かぶ高級レジデンスに暮らすナオキ(伊藤英明)とマユミ(新木優子)は、仲睦まじい理想の夫婦のように見えた。しかし、ナオキは自分を愛していた幸せの日々を取り戻すために、理想像を具現化したアンドロイドのマユミを作る研究に没頭していた。しかし、異変を感じ取ったマユミは、自身の置かれた状況に気が付き始める。 映

          映画評 不都合な記憶🇯🇵

          映画評 落下の解剖学🇫🇷

          『愛欲のセラピー』のジュスティーヌ・トリエ監督による、仲睦まじい夫婦の真が裁判を通じて解剖されていく法廷ミステリー。カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール受賞。アカデミー賞4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。 人里離れた雪山の山荘で1人の男性が転落死する。その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、死んだ男性の妻であるベストセラー作家サンドラ(サンドラ・ヒュー)に殺人容疑がかけられる。息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の

          映画評 落下の解剖学🇫🇷

          映画評 SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース🇳🇴

          ノルウェーの山岳地帯で大自然に囲まれて生きる老夫婦の姿を、娘であるドキュメンタリー作家のマルグレート・オリンがとらえたドキュメンタリー映画。 壮大なフィヨルドや力強く根付いた生い茂る草木など美しい大自然を誇るノルウェー西部の山岳地帯「オルデダーレン」。ドキュメンタリー作家で知られるマルグレート・オリン監督は、オルデダーレンに暮らす両親の姿をカメラに収める。美しくも厳しいノルウェーの大自然とシンプルで豊かに生きる両親の姿から、人生の意味や生きることの意味が映し出されていく。

          映画評 SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース🇳🇴

          映画評 あまろっく🇯🇵

          「尼ロック」と呼ばれる「尼崎閘門(こうもん)」によって水害から守られている兵庫県尼崎市を舞台に、年齢も性格も異なるバラバラな家族が、さまざまな困難を通じてひとつになっていく人生喜劇。 リストラにより尼崎の実家に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)は、自堕落な毎日を送っていた。ある日、能天気な父(笑福亭鶴瓶)が再婚相手として20歳の早希(中条あやみ)を連れてくる。自分より年下の母の登場に、優子は受け入れきれずにいた。しかし、ある悲劇が近松家を襲ったことをきっかけに、優子は

          映画評 あまろっく🇯🇵

          映画評 哀れなるものたち🇬🇧

          スコットランドの作家アラスター・グレイの同名小説を『ロブスター』『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督によって実写映画化。ベネチア国際映画祭で金獅子賞、アカデミー賞主演女優賞含む4部門受賞。 自ら命を絶ったベラ(エマ・ストーン)は、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)によって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。大人の体を持ちながら新生児のように過ごすベラは、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望の基、放蕩者の弁護士ダンカン(マーク

          映画評 哀れなるものたち🇬🇧

          映画評 夜明けのすべて🇯🇵

          『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの原作同名小説を『きみの鳥はうたえる』『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督で実写化。 PMS(月経前症候群)のせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢(上白石萌音)と、パニック障害を抱え生きがいも気力も失っていた山添(松村北斗)は、職場の人たちの理解に支えられながら過ごす中で、恋人でも友達でもない同志のような特別な感情が芽生えはじめる。やがて2人は、自分の症状は改善されなくても相手を助けることはできるのではないか

          映画評 夜明けのすべて🇯🇵

          映画評 碁盤斬り🇯🇵

          『孤狼の血』『凶悪』の白石和彌監督による初の時代劇。古典落語の演目『柳田格之進』から着想を経た冤罪事件によって娘と引き裂かれた男が武士の誇りをかけて復讐に臨む姿を描く。 身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。実直な格之進は、囲碁にもその人柄が表れることで有名であった。そんなある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進は復讐を決意する。 白石和彌映画といえば、血

          映画評 碁盤斬り🇯🇵

          映画評 スオミの話をしよう🇯🇵

          『ラヂオの時間』『THE 有頂天ホテル』の三谷幸喜が『記憶にございません!』以来5年ぶりの映画監督・脚本作品。突然失踪した女性と、彼女について語り出す5人の男たちを描いたミステリーコメディ。 豪邸に暮らす著名な詩人・寒川(坂東彌十郎)の新妻・スオミ(長澤まさみ)が行方不明となった。元夫で刑事の草野(西島秀俊)をはじめスオミを知る4人の元夫ら(遠藤憲一、松坂桃李、小林隆)が次々と屋敷にやってくる。操作そっちのけで、誰がスオミをよく知っているか、誰が一番愛されていたか白熱した議

          映画評 スオミの話をしよう🇯🇵

          映画評 あんのこと🇯🇵

          『SR サイタマノラッパー』『AI崩壊』の入江悠が監督・脚本を務める、ある少女の壮絶な人生をつづった2020年6月の朝日新聞に掲載された記事から着想を得た人間ドラマ。 売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏(河合優実)は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らし。子どもの頃から母親に殴られて育ち、小学4年生で不登校、12歳の時に母親の紹介で売春に手を出す。刑事の多々羅(佐藤二郎)との出会いを機に、更生の道を歩み出した杏は、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野(稲垣吾

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          映画評 ジョーカー🇺🇸

          『バットマン』のヴィランとして名高いジョーカーの誕生秘話をホアキン・フェニックス主演、『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップスで映画化。原作DCコミックにはない映画オリジナルストーリーで描かれる。 「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。 社会的に失うものが何も無く、犯罪を起こすことに躊躇

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