蝋燭を赤く染めるもの~絵本「赤い蝋燭と人魚」~

早速の絵本である

「赤い蝋燭と人魚」を読む

挿絵から察するに

北方の海の人魚には悲しく寂しい雰囲気が漂っているが

この話の結末がどうなるのかはわからない

挿絵は酒井駒子さんという方が書かれた


本書が発表されたのは1921年

なんと大正10年だ

おお、ちょうど100年前だ

今時の絵本作家さんが書いた本と思いきや

由緒ある作品だった


作者は小川未明さん

「日本のアンデルセン」と呼ばれた方なのだそうだ

拙者誠に遺憾ながら初めて知り申した

というくらい全く存じ上げていなかった

この本のあらすじはネットで検索するとすぐに見つかるが

そのあらすじはこの話のほぼ全ての文字数にあたると言っても過言ではない

しかし実本を読めて良かったと思う私がここにいる

この物語は体に染みた


この本を読んでみることにした理由はと聞かれたら

何気なくネットで絵本を探していてなんとなく

それ以外にはない

しかし、良き本に出会えた

(以下、ネタバレあります)


人魚が陸に子供を残したのは人を信用したからなのだろう

触れたことのない人への期待からだった

人を信じて委ねてみたものの結果は悲しいものに終わる

優しい老夫婦の心変わりを果たしたものは金か不安な気持ちか

それが人というものなのか


人の命をも救っていた蝋燭が赤く染められたのは

売られる人魚の辛い気持ちの現れか

なぜ元から赤い絵の具で書いていたのかなと思うこと然り


大暴風雨によって人魚は海へと帰り

多くの人が命を落とす


人の命を奪う大暴風雨は人魚に冷たい海での穏やかな日々をもたらし

赤い蝋燭に込められた人魚の思いは町をも滅ぼす


人魚の体の半分は魚でも

心は人

人でも人魚でも

思う気持ちの深さは計り知れない


寂しくも悲しい話だったけれど

また一つ体に染み入る本に出会えたことに感謝です


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