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いのちのことば

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いのちへの祈りの言葉と、撮影した空や雲、花々たちがゆるやかに紡がれる、フェイスブックより転載した記事です。(2014年〜更新中)
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#詩

愛と大悲

愛と大悲

この木は、おそらくは外の世界を知らない。

だが、優しく、力強く立っている。

知ることがあなたに力を与えるなら、知ることだ。

知ることであなたが力を失うのなら、むしろ知らない方がいい。

だが、愛だけは違う。

私たちはどんなときでも愛することで力を得る。

さて、武家茶道の一つに三斎流がある。

ここは、家元の観音寺。

一つ一つの木々は、際立つのではなく、溶け込むようにして、そこにある。

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自分の美しいとできるに夢中になる

自分の美しいとできるに夢中になる

大阪人は、民のニーズをつかみ

東京人は、未来のニーズをつかむ

その上に、地球のニーズを置くのか、神のメッセージを置くのか。

自分を超えたものを持つ超自は成功へのキーワードだ。

では、自分の花はいつ咲くのか?

向山庭園。一番美しいソメイヨシノだけが、三分咲きだった。

どうやら、美しい花ほど、遅く咲く。

他人に嫉妬するより、自分の「美しい」と

自分の「できる」に、夢中になろう。

そっ

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花は競わず光るのみ

花は競わず光るのみ

先駆けの花は春先駆けて  咲く梅は

天へ天へと 伸びてゆく

紅を浮かべて  微笑んで

天へ天へと 伸びてゆく

寒衣  鶯歌い  春光る

光る  光る  花光る

花は競わず  光るのみ

2017年3月19日

何を求め

何処へ行く

何を求め 何処へ行く

道よ、道よ、果てしなく続く道よ

時折、雲間が途切れ

太陽がその熱視線を投げ掛けるたび

麦わら帽子一つで、何処までも歩き続けた

少年の自分が目に浮かぶ

何を求め

何処へ行く

この道をどこまでも行けば

やがてきっとどこかで

あの自由無限の大空にかかる梯子が見つかるとでも言うのか

ああ、今は、神々しいまでにそそりたつ山の稜線が

道しかないこの大地と

道など一つもないあの大空を切り

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水の命の青となる

水の命の青となる

仕事の合間に小高い山に登る。

部屋の中の紫陽花を見た。

咲いてはいるが、活きてはいない。

どうしても、活きている、自然の中の紫陽花を見たかった…。

わずかばかりの紫陽花は そのひとひらが匂いけり
夕陽に融ける街並みの 茜色にも染まらない
雨に打たれて散りもせず 秘めた思いで息ひそめ 水の命の青となる

紫陽花は、室内では、水を吸い尽くせない。
花の命は水なれど、紫陽花にはもう水しか頼るもの

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