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水の命の青となる

仕事の合間に小高い山に登る。

部屋の中の紫陽花を見た。

咲いてはいるが、活きてはいない。

どうしても、活きている、自然の中の紫陽花を見たかった…。

わずかばかりの紫陽花は そのひとひらが匂いけり
夕陽に融ける街並みの 
茜色にも染まらない
雨に打たれて散りもせず 秘めた思いで息ひそめ 水の命の青となる

紫陽花は、室内では、水を吸い尽くせない。
花の命は水なれど、紫陽花にはもう水しか頼るものが他にはないのに…。

そして紫陽花は、恋するごとくに、山を小川を夢見てる。

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2016年6月19日 五島秀一

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