Vol.25 腰痛発症の一要因
皆さんこんにちは。
今回はスポーツ選手なら多くの人が悩む腰痛についてのマガジンです。
僕自身腰痛は中学時代から悩まされてきました。
多くの動きに腰というのは関わってくる為、腰痛持ちの人はかなりスポーツにおいて苦労している事でしょう。
今回は腰痛はどういう人に起きやすいのかについてみていきます。どういう人が腰痛になりやすいかがわかれば、そこを改善していけば腰痛を改善できる可能性があります(長期的に取り組まなければならないものだとは思いますが)
○参考論文
股関節の柔軟性と殿筋筋力が大学スポーツ選手の腰痛発症に 及ぼす影響:前向き調査
○方法
①実験開始前に腰痛を持っていない、大学スポーツ選手218名を対象に調査
②身体測定、柔軟性(関節可動域+タイトネステスト)筋力の3つの観点を測定
③測定1ヶ月後に腰痛を発症した群と腰痛を発症していない群に分け、3つの観点から考察
⬆︎これに関して、おそらくオフ期間などを利用して腰痛をもともと持っている選手も痛みが引いてきた事を狙ったのかなと僕は勝手に推測しています。
完全に腰痛を経験した事ない人が、1ヶ月後にいきなり慢性的な腰痛を発症するとはあまり思えません。
また、慢性的な腰痛を持っているアスリートも一定期間休むと痛みが引くということは経験した事があるのではないでしょうか?
○本研究の流れ
図にするとこのような感じで書いてありました。
腰痛を発症した人は19/218だったみたいですね。
・関節可動域測定
体幹(回旋)・股関節(内旋外旋)・足関節(背屈)
の3項目で調べたようです。
・体幹(回旋)
・股関節(内旋外旋)
・足関節(背屈)
おそらくこのような形で測ったと思われます。
・タイトネステスト
A トーマステスト(股関節屈筋を推定)
B ヒールヒップディスタンス(大腿四頭筋を推定)
C ストレートレッグライジング(ハムストリング推定)
D フィンガーフロアディスタンス(ハムストリング推定)
CとDの差は受動的に動かすか能動的に動かすかの違いで、どちらも柔軟性を測るのに効果的だと言われています。
( Finger floor distance(FFD)検査とstraight leg raising(SLR)検査の柔軟性検査としての適用について — それぞれの再現性(信頼性)と両者間の関係から —)
より
・筋力測定
股関節伸展筋力、股関節外転筋力を測定。
5秒間の最大等尺性筋力発揮を2回実施。
・股関節伸展筋力
・股関節外転筋力
動きとしてはこのような感じだと思われます。
○結果及び私見
・身体測定
体重や体脂肪率は腰痛にあまり関係しなかったと見られます。腰痛を感じるから減量しよう、そんなことはあまりしなくて良いのではないかという推察です。
・関節可動域
これをみて分かる通り、
腰痛には柔軟性が大きな問題なのではなく、柔軟性の左右差が問題だという事がわかるでしょう。
これは個人的には良い発見で、
腰痛改善にはストレッチ
------
という考え方ではなかなか改善されないという事です。
要は硬い方を柔らかくしなければならないという事ですね。どちらも介入していったら左右差は改善されません。左右差をなくしていこうというストレッチを実施している人はなかなかいないのではないでしょうか。
・タイトネステスト
こちらに関しても同様です。
柔軟性においてはそこまでの差は見られませんが、左右差は腰痛発症群の方が大きいようにみて取れます。
・股関節筋力
筋力に関しては、左右差よりもそもそもの筋力が影響しているようです。
股関節外転の筋力に注目してみてください。
腰痛を持つ郡は有意に低いです。
股関節外転に主に使われる筋肉は中臀筋です。
中臀筋の弱さがあなたの腰痛を引き出しているかもしれません。
○腰痛予防に効果的なものとは
もうこれはいうまでもないかもしれませんが、
*股関節の柔軟性の左右差をなくす事
*中臀筋を鍛える事
これに尽きると思います。
なかなか腰痛が改善されないアスリートは、
中臀筋を鍛える事はやっていても、柔軟性の左右差をなくす事を見落としているのではないでしょうか。
たしかに僕の周りにも身体が硬くても腰痛を感じないという人も多くいます。
そのような人はおそらく硬くても左右差がないのではないかと思っています。
股関節が硬い事は良いことでは決してないと思います。しかし腰痛の観点から見たら左右差があって柔らかいよりは、硬くても良いから左右差がない方が良いということです。
腰痛に悩むスポーツ選手の皆さんは、ぜひ左右差に着目してストレッチをしてみてください。
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