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クーリエジャポンの記事から考察

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日本が国境を閉ざし続ければ「純然たる発明」になるおそれがある【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.232】

日本が国境を閉ざし続ければ「純然たる発明」になるおそれがある【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.232】

日本が世界の視界から消え、忘れ去られるおそれがある。世界との主要連絡路がいまだに断たれているからだ。

コロナ前は何千万人という観光客が毎年、日本を訪れ、そこで出会った人々や文化や食を褒めちぎる土産話と共に帰国していた。

だが、コロナ禍で門戸がピシャリと閉じられる前に来日できたのはわずか400万人だった。五輪は2021年に開催されたが、国内の観客すらなしだった。

日本は何を待っているのか?日本

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国内市場を席巻する中国スポーツブランド 「北朝鮮労働者」問題が米国展開の足かせに【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.231】

国内市場を席巻する中国スポーツブランド 「北朝鮮労働者」問題が米国展開の足かせに【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.231】

中国発のスポーツブランドが、中国国内でナイキやアディダスをしのぐ勢いをみせていることが近年報じられてきた。

大きな転換点となったのは、2021年3月に大きな話題となった「新疆綿」問題だ。それまでナイキやアディダスは中国スポーツウェア市場の4割以上を占めていたが、この一件以降、急激に低迷している。

綿の生産地である新疆ウイグル自治区で人権侵害があるとして複数の海外ブランドが中国を非難したが、一方

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スーパーから「ダイエット〇〇」の飲料が消えた理由【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.230】

スーパーから「ダイエット〇〇」の飲料が消えた理由【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.230】

米「CNN」は、アメリカのスーパーの炭酸飲料の棚から「ダイエット」という名前のついた製品が以前に比べて少なくなった、と報じている。

同メディアは、食品企業の「ペプシコ・ビバレッジ・ノース・アメリカ」のチーフ・マーケティング・オフィサーの「若い人たちは 『ダイエット 』という言葉を好みません」「Z世代は、このところダイエットをしたがりません」というコメントを紹介。同社のペプシコーラはすでに2016

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中国メディアの記者が「ロシア側で独占従軍取材」している事実が物語っていること 【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.229】

中国メディアの記者が「ロシア側で独占従軍取材」している事実が物語っていること 【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.229】

フェニックステレビのベテラン戦争記者のルーは、ウクライナへの残忍な侵攻を続けるロシア軍に従軍するおそらく唯一の外国特派員だ。

ルーはロシア側から独占取材をしているようだ。3月2日には、ウクライナ東部で一方的に独立を宣言した親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」の指導者・デニス・プシーリンにインタビューを敢行。ドネツクの武装勢力はウクライナ軍にはかなわないが、「ロシア軍の支援により、行政区内の4

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「反体制の象徴」だったリーバイスの“ロシア撤退”は何を意味するのか? 【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.228】

「反体制の象徴」だったリーバイスの“ロシア撤退”は何を意味するのか? 【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.228】

1959年、モスクワでアメリカ博覧会が開催されたとき、米国副大統領が当時のソビエト連邦首相ニキータ・フルシチョフに見せびらかすために、ペプシ・コーラ、ポラロイドカメラ、ダッジのコンバーチブル・カーが展示された。

だが、もっとも反響を呼んだのは、リーバイ・ストラウス社のコーナーだった。ジーンズを履いた米国人が、モスクワの人々に向けてカウボーイ・ソングを披露したのだった。同社のジーンズは展示されてい

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メニューを投げつけられ、F**kと言われ… 「最高の料理、最悪のサービス」を謳うレストラン【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.222】

メニューを投げつけられ、F**kと言われ… 「最高の料理、最悪のサービス」を謳うレストラン【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.222】

日本ではよく「お客様は神様です」と言われるが、オーストラリアのこのレストランではそんな常識はまったく通じないらしい。

シドニーにある「カレンズ・ダイナー」のモットーは「最高のフード、最悪のサービス」。店の窓には、「座って黙って食え」の文字が。ここの店員たちは、客に暴言を吐いたり無礼を働いたりするようトレーニングされている。

最近このダイナーで家族とランチを食べたサリー・クインは、ウェイターがメ

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NBA八村塁の休養で浮き彫りになったメンタルヘルスに対する「日本社会の強い風当たり」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.221】

NBA八村塁の休養で浮き彫りになったメンタルヘルスに対する「日本社会の強い風当たり」【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.221】

八村塁が復帰した夜、しばらくチームを離れていたことについて、彼はほとんど何も語らなかった。

八村はもともと口数が多いタイプではない。常にプライベートな存在であり、5ヵ月の休養は、彼を取り巻く「沈黙」によって守られていた。

そして八村は記者会見をすることも、大坂なおみが全仏オープンを棄権したときのようにインスタグラムで発表することもなかった。チームメイトのカイル・クーズマだけが、八村の状況につい

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「気候変動への不安」に対する専門的なセラピストのニーズが急増している

「気候変動への不安」に対する専門的なセラピストのニーズが急増している

「エコ不安」こと気候変動に対する不安、それは長らく懐疑的に見られてきた。

アメリカ心理学会(APA)が「エコ不安」を「気候変動に対する慢性的な恐怖」と定義したのは2017年。以来、この分野に変化がみられるようになった。

エコ不安は「本物である」との認識が少しずつ広がり、特にこの2〜3年で、気候変動を専門とする心理学者やセラピストが本格的に求められるようになっていると、米紙「ニューヨーク・タイム

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北京五輪に外国人アスリートから“不満噴出”「夜中3時に起こされた」「あたたかい食べ物がない」

北京五輪に外国人アスリートから“不満噴出”「夜中3時に起こされた」「あたたかい食べ物がない」

北京五輪の開催後わずか2日で、主催者はアスリートや参加国から寄せられる、さまざまな苦情に直面している。

たとえば、冬季五輪中に気温が急落するのはよくあることだ。しかしスウェーデンの選手団は、女子7.5km+7.5kmスキーアスロンを5位でゴールしたフリーダ・カールソン選手が、ゴール後に震え、崩れ落ちそうになっているのを見て、昼間のより早い時間帯にクロスカントリースキーの試合を開催するよう求めてい

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「スーパーうんち」を飲み込むだけで健康に! ここまで来た“糞便移植”の未来【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.218】

「スーパーうんち」を飲み込むだけで健康に! ここまで来た“糞便移植”の未来【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.218】

良いうんちのドナー(提供者)はなかなか見つからないため、伝説の一角獣に例えて「ユニコーン」と呼ばれることもある。

ヒトの腸内細菌の集団「マイクロバイオーム」が健康に与える影響は、従来の想像をはるかに超えるものであることが、最新の科学で明らかにされている。

マイクロバイオーム内の遺伝物質の集合体は、数え切れないほどの機能を果たしており、私たちの気分や免疫、心身の健康に影響を及ぼしているのだ。また

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新曲が売れないのはなぜ? 米国の音楽市場の70%を占めるのは「古い曲」だった【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.217】

新曲が売れないのはなぜ? 米国の音楽市場の70%を占めるのは「古い曲」だった【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.217】

現在、「アメリカの音楽市場の70%を古い曲が占めている」と、音楽・カルチャーライターのテッド・ジョイアが米誌「アトランティック」に寄稿している。

すべての音楽ストリーミングにおいて、最も人気のある200曲のうち、新曲(過去18ヶ月以内にリリースされた曲)が占める割合は、なんと5%未満。少なくとも3年前は「10%はあった」と、同氏は述べている。

一体なぜ、新曲は売れなくなってしまったのか。

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イスラム教徒がヒンドゥー教徒の女性を誘惑し改宗させようとしている─インドで広がる陰謀論「愛の聖戦」とは何なのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.216】

イスラム教徒がヒンドゥー教徒の女性を誘惑し改宗させようとしている─インドで広がる陰謀論「愛の聖戦」とは何なのか【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.216】

インドの英字週刊誌「アウトルック」は、インドに広まる“ある陰謀論”が女性を苦しめていると報じる。その陰謀論はヒンドゥー過激派によって信じられているもので、「愛の聖戦」と呼ばれている。これは、イスラム教徒の男性がヒンドゥー教徒の女性を誘惑し、妻にして、イスラム教に改宗させようとしているというものだ。

ヒンドゥー過激派がこうしたプロパガンダを展開する背景には、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の宗教対立が

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海外メディアが分析「モンゴル人力士たちが“日本の国技・相撲”で頂点に立ち続けられる理由」

海外メディアが分析「モンゴル人力士たちが“日本の国技・相撲”で頂点に立ち続けられる理由」

陸に囲まれたモンゴルの人口は、わずか330万人ほどだ。しかし、年に1回、伝統的なモンゴルのスポーツであるブフ(モンゴル相撲)、弓射、競馬が競われる「ナーダム祭」の期間は、毎日2万人がブフの選手として参加する。

一方、2020年時点で、日本全国でプロの力士として現役なのは683人だ。

相撲文化の頂点に君臨する人物として、横綱は他のスポーツアイコンや、映画スターよりも敬われている。

横綱たちが集

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【ウクライナ危機】プーチン大統領は、アメリカの“弱み”を見透かしている【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.214】

【ウクライナ危機】プーチン大統領は、アメリカの“弱み”を見透かしている【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.214】

2007年のミュンヘン安全保障会議。登壇したプーチン大統領の演説は世界を震撼させた。

ドイツのメルケル首相、アメリカのゲーツ国防長官、マケイン上院議員など世界の名だたるリーダーたちを前にプーチン大統領は西側諸国を激しい口調で非難した。

NATOは拡大しないという西側の高官の過去の発言を引用し「この約束はどこに行ったのだ」と語気を強めた。そして「最大の問題はアメリカが他国に介入しようとしているこ

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