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脳卒中

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バレー徴候

バレー徴候

・上肢

座位または立位にて、両上肢の手掌を上にして、前方水平位に挙上させて開眼させる。

そのまま保持させ、上肢が回内し、徐々に落下してくると陽性となり、軽い不全麻痺を示す。

・下肢

腹臥位で両膝を45°屈曲させ、そのまま保持させる。

自然に落下した下肢は軽度の不全麻痺を示す。

理学療法評価学

ヒールライズ

ヒールライズ

①端座位で行う。この時に骨盤前傾位を保つことを忘れずに。

②立位で行う。膝は屈曲して構わない。

③立位、麻痺側下肢後方ステップ位で行う。膝は屈曲して構わない。

※爪先は接地したままで行えるように。

④立位で膝伸展保持で行う。重心が下がらないよう、骨盤は臀部から挙上介助を行う。

歩くということ

歩くということ

●歩行介入における運動量の重要性

脳卒中患者における運動療法が「学習」定義された以上、学習即に基づいた量の確保は大前提である。

運動量の確保は、脳卒中の運動療法においてもはや公理である。

出来るだけ高頻度。高強度で目的動作を続ける方法が最もエビデンスの高い戦術である。

●実用歩行獲得に必要な三つの要素

歩行速度、歩行距離(耐久性)、安定性(転倒)

実用歩行獲得のための最も端的な戦略は、

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足を振り出すということ

足を振り出すということ

脳卒中片麻痺患者の遊脚期の最も一般的な障害として、麻痺側下肢の振り出し困難が挙げられる。

代表例としては、共同運動などにより遊脚時に麻痺側膝関節屈曲が生じないstiff-knee-patternが挙げられ、その代償として体幹の側屈と骨盤挙上による分廻し歩行が観察される。

ヒトの歩行において遊脚期には位置エネルギーを使用した振子運動(遊脚振子)が大きな動力源となっている。

運動麻痺が重度である

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歩行にはイメージも大切

歩行にはイメージも大切

歩行にはイメージも大切

運動イメージ能力とは、心的時間と実行時間の一致性

心的時間:運動イメージの想起に要する時間

実行時間:運動の実行に要する時間

運動イメージと実際の運動の一致性を評価することで、対象者のフィードバック誤差学習を促進させることができると見込まれる。

イメージ想起は「自分が運動しているところを外から見てるようなイメージではなく、あたかも自分が行っているような感覚をイメー

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姿勢よく歩いたほうが良い理由

姿勢よく歩いたほうが良い理由

歩行時に姿勢よく歩いたほうが良い理由

●症例

常に胸腰部および両股関節・膝関節屈曲位を呈す。

・麻痺側立脚中期から後期にかけて、麻痺側股関節屈曲・内転することにより骨盤の過度な麻痺側後側方移動が生じ、遊脚足底が内側へ急速に接地する。

→麻痺側大殿筋の緊張低下により、伸展運動が行えないため、股関節屈曲が生じる。
 麻痺側中殿筋の緊張低下により、立脚期に必要な内転の制動が行えない。

・胸腰部

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麻痺側下肢後方ステップを安定させるために必要なこと

麻痺側下肢後方ステップを安定させるために必要なこと

麻痺側下肢後方ステップを安定させるために必要なこと

●症例

脳梗塞右麻痺

麻痺側後方ステップ時に不安定となる

●問題点の整理と理学療法

①立位姿勢から上位胸椎屈曲位、胸腰椎移行部屈曲、左側屈位

→両側最長筋緊張低下

※体幹直立位が困難だと、股・膝関節を屈曲し膝を前方に位置させ、臀部を後方変移させることで重心を支持基底面に留めている。

<アプローチ>
上位胸椎の伸展、胸腰椎移行部の伸

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歩行中に足部が内反してしまう場合②

歩行中に足部が内反してしまう場合②

●症例

左麻痺

麻痺側底屈位で足尖設置を迎えることで立脚相が始まる。

麻痺側立脚初期から中期にかけて、空間的に後足部が回外し、その直後から、横足根関節の回内に伴い前足部と中足部の回内が生じるが乏しく、下腿が過剰に外側傾斜し、側方への不安定性が生じる。

→麻痺側腓骨筋群の緊張低下、麻痺側後脛骨筋の緊張亢進、麻痺側足関節の外返しROM制限。

麻痺側股関節内転に伴う骨盤非麻痺側下制が生じる。

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歩行中に足部が内反してしまう場合

歩行中に足部が内反してしまう場合

足部内反と歩行

平行棒内歩行にて、麻痺側立脚期に臀部が麻痺側後方へと変位し、安定性が低下する症例をよく見かける。

●歩行評価・分析

麻痺側LR~MStで股関節内転乏しい。距骨下関節の回外に伴い足部全体が空間的に回外し、その直後から、横足根関節の回内に伴い前足部と中足部の回内が生じるのが乏しい。

→右下腿が過剰に外側傾斜し、身体全体が右側へ傾斜してしまう。

足背屈に伴う下腿前傾が生じ、同時

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中心性脊髄損傷

中心性脊髄損傷

頸部が急に後ろに反り返ることにより、頸髄の中心部が損傷を受けて発症する。

交通事故等では、追突事故などで頸髄が不自然な形で過伸展して損傷を受けることが多い。

頸髄には、上下肢を支配する神経線維が集中している。

上肢の神経線維は頸髄の中心寄りに、下肢の神経線維は外側よ寄りにあるので、中心部が損傷を受けると、主に上肢の症状が出現する。

頸髄の中でも、辺縁部は周辺のたくさんの血管から栄養を受ける

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DAPTとは?

DAPTとは?

抗血小板薬2剤併用療法

経皮的冠動脈形成術(PCI)術後にステント血栓症リスクを軽減させる目的で行われる治療法。

併用する2剤は、基本的にアスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬。

チエノピリジン系抗血小板薬としては、クロピトグレル、プラスグレルなどが選択されることが多い。

前庭リハビリテーションの介入戦略

前庭リハビリテーションの介入戦略

①適応

頭部の動きなどの刺激に対し、小脳をはじめとする中枢と末梢前庭機能の神経反応変化や可塑性を促進して、視線安定性、バランス、めまいの改善を目的とする。

例 Gaze stability exercises

②慣れ

めまい症状を誘発する特定の動作や視覚刺激の繰り返しの曝露により、引き起こされるめまい症状やふらつきを軽減することを目的とそる。

例 Habituation exercise

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運動開始困難の場合の対策

運動開始困難の場合の対策

運動開始困難の場合の対策

麻痺側の随意性は保たれているものの、運動がうまく遂行されず、特に開始困難となる症例は多く見られる。

①起き上がり時に麻痺側下肢をベッドから降ろせない

言語指示では運動困難なことが多い。足を降ろしてと言ってもうまく遂行困難。

セラピストの手を提示して、「ここに足を当ててください」と口頭指示することで、随意運動が出現することがある。

②端坐位で股関節屈曲や膝伸展随意

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