SWOT分析の危険性
※1分間で読める600文字以内でお伝えします。
経営戦略策定の場面でよく用いられる分析フレームワークに「SWOT分析」があります。直感的に分かりやすく有用なツールである一方、一部からは批判の声も上がっています。
そもそもSWOT分析とは?
SWOT分析とは、ヒトコトで言えば「経営環境を可視化するツール」です。
SWOT分析では、経営環境を外部と内部の2つに切り分けます。それぞれを機会・脅威(外部環境)と強み・弱み(内部環境)の4象限に配置します。
戦略策定において、関係者間で共通認識を形成する際に非常に役立ちます。みんなの目線合わせがしやすくなるわけです。
戦略の「策定」と「実行」の分離
SWOT分析が人気な理由は使い勝手の良さにあります。なぜなら、戦略の「策定」と「実行」を切り分けているからです。この二分法が、MBAのケース・スタディ学習に好都合なのです。
SWOT分析では、実行を考えなくても戦略を策定することができるわけです。言い換えれば、机上の空論を展開できてしまうのです。これが最大の弱点です。
極論をいえば、ケーススタディの文章を読んでSWOTにあてはめれば、それだけで戦略の策定に取り掛かることができます。製品に触れなくても、顧客に会わなくてもOKなのです。
イギリスのある調査によれば、調査対象企業の多くがSWOT分析を取り入れていました。しかし、SWOT分析をその後の戦略プロセスに活用していた企業はゼロだったと報告されています。
SWOT分析の使いやすさは諸刃の剣でもあるわけです。
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