コロナ禍で小売業の勝ち組、負け組が鮮明に。経済産業省のデータから読み解く。
コロナ禍で小売業態の勝ち負けがはっきりしてきました。スーパーやドラッグストア、ホームセンターが業績を伸ばす一方、百貨店とコンビニは非常に厳しい状況にあります。今回は2020年の小売業をデータで振り返ります。
小売業の業態別売上高(前年比)
上記のグラフは、小売業の業態別売上高前年比を示したものです。2020年1月~11月までの最新販売金額から前年比を算出したものです。業態別に勝ち負けが鮮明になっている印象です。
二ケタ成長のスーパーマーケット
最も業績を伸ばしたのはスーパーマーケットです。売上高は前年から12.9%アップしました。最近では、イオン系スーパーのユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)の決算で純利益が前年から6.3倍になったというニュースがありました。スーパー各社の決算は好調です。
食品 × 郊外型のドラッグストアが好調
次に好調だったのはドラッグストア業界です。好調さを読み解くキーワードは「食品 × 郊外型」です。食品に強みを持ち、郊外店舗主体のドラッグ企業の業績が極めて好調です。巣ごもり需要をがっちり捉えているからです。
「食品 × 郊外型」ドラッグストアの代表格はコスモス薬品です。同社の上期決算も、純利益が49%増と非常に好調なものでした。売上高、営業利益ともに過去最高を更新したのも納得です。
極めて厳しい百貨店の業績
スーパーやドラッグストア、ホームセンターが好調な一方、厳しいのは百貨店です。いまや百貨店冬の時代といえます。かつて「小売の王様」と呼ばれた百貨店は、コロナ前から厳しい状況が続いていました。
百貨店の業績を下支えしていたインバウンド(免税)売上も消失してしまいました。大手百貨店の高島屋とJフロントリテイリングは、揃って100億円を超える最終赤字を計上しています。
まとめ
コロナ禍で小売業の勝ち負けはかなりはっきりしてきました。テレワークの普及や巣ごもり需要の拡大など、人々のライフスタイルが大きく変わったいま、各企業はどのように対応していくのか注目しています。
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