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【決算】日本企業で最も研究開発に投資しているのは?

日本企業で最も研究開発に投資している企業はどこでしょうか。今回は、2020年の最新決算から、研究開発費ランキングTOP20社を紹介します。

2020年の研究開発費ランキング

日本企業の研究開発費ランキング

上記は2019年4月~2020年3月に決算を迎えた日本の上場企業のうち、研究開発費の金額が高かった上位20社のランキングです。対象は東証の上場企業です。

ランキング上位は自動車・電気・医薬品の3業界が多数を占めていることが分かります。

特に際立つのは、上位4社までを自動車関連企業が独占していることです。トップのトヨタ自動車は、日本企業で唯一研究開発費に1兆円以上を投じています。

トヨタの研究開発費は6年連続で1兆円を超えています。今期は2割の減収を見込んでいながら、研究開発費の削減には手を付けていません。自動運転技術の開発など大きな変革期を迎えている自動車業界において、投資を続けなければ競争力を失ってしまうという危機感があると推察されます。

研究開発費比率では医薬品業界が圧倒的

日本企業の研究開発費比率ランキング

次に、売上高に占める研究開発費の比率で見てみます。すると、医薬品業界の比率の高さが際立ちます。医薬品メーカーでは、実に売上高の15%~20%を研究開発費に投じているのです。

背景にあるのは、新薬開発の難易度の上昇です。

厚生労働省の資料によれば、新薬開発の成功確率は過去10年で約半分に低下しています(1.3万件に1件成功 → 2.5万件に1件成功)。また、一般に医薬品の研究開発は10年以上の期間を要します。

それだけ長い期間をかけて、成功確率の低い新薬開発に取り組む医薬品メーカーには、特許権で守られ高い利益率が保証されています。そこで得た利益を次の「ブロックバスター」開発に向けて投資し続けているわけです。

今回は以上です。

※ 業種別の平均的な研究開発費比率については下記noteをご参照ください。


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