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新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「その場面ごとに出てきた人にしか聞けない質問を聞く、っていうのがセオリー」あじゅまるさん(3/n)

あじゅまるさんプロフィール


メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note


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就活生からの尖った質問をしていい適切な場面とは

ーこういうのって説明会の質問コーナーの場だったら、やっても大丈夫かなと思うんですけど、面接とかの逆質問の場で出たら落とされるみたいな可能性もやっぱあるじゃないですか。


 
『あー、はいはいはい。』
 

ーやっぱあれですかね、実際のところ場は選んだ方がいいですかね?


 
『場を選ぶ必要があるんですけど、これって段階によって質問を変える必要があって、いわゆる「その場面ごとに出てきた人にしか聞けない質問を聞く」っていうのがセオリーというか、定石かもしれないですね。』
 

ーどういうことですか?


 
『例えば説明会っていわゆる一般的な事柄は何でも聞いてオッケーって感じじゃないですか。だって、就活生はその会社のこと知らないしっていう。
 
なので、「ホームページでこんな情報を見たんですけど」とか「今話されてた○○の部分で~」みたいなこと言えると思うんですけど、面接って「それ知ってるよね」っていう前提なんですよね。なので、さっきみたいな質問とかをされると「いや、なんで説明会でそれ聞かなかったの?」みたいな話になってくると思うんですよ。
 
なので、面接の場面で現場担当の人が出てきたとかだったら、その人にしか聞けないようなこと聞けよって思うんですよ。

それでも説明会で聞くべき内容の質問を面接で聞くんだったら、例えば一次面接の場面で「現場の人」や「人事担当」が出てきた時に「なんか説明会でこんなん聞いたんですけど」とか「説明会でここ聞きそびれたんですけど」って一言付け加えれば聞けると思います。』
 

ーあー、なるほど。


 
『なので、ちょっと難しいですけど、本来であれば現場の人とかが出てきてたら、例えば「現場の中で実際に苦労する点はどんな点なんですか?」とか、本当にその人からじゃないと聞けないようなことを聞けばいいと思います。
 
例えば説明会の担当が人事の方だったので、「ぜひ現場の方に聞きたいんですけど」みたいな形で経験を聞くみたいな内容は、もうその面接官にしか聞けないよねっていう感じですね。
 
役員とかだったら経営陣なんで「今こういうふうなことやろうっていう話とかを説明会で聞いてて、私はすごくそこに魅力とか共感したんですけど、あの実際、これからどういう方針で進めていこうと思ってるんですか?」みたいな経営のことで現場レベルの人では語れないことを聞くとか。』
 

ーすごい、確かに!これなんでインターネットとかに載ってないんでしょうね。

 
『この話って僕が企業の中にいるからこそ語れると思うんですよ。僕、学生のときにこんな事を思ったこともなかったですし。』
 

ーうん、そうですね。私も無理です。


 
『これから説明する時、質問とか学生さんに何かを伝えるときに、僕は今こういうふうに言うようになりましたけど、人事や採用という場が自分の立場にならなかったら絶対言えなかったなって思うので。』
 

ー確かにこれちょっとあれですね。このnoteで学生に伝えられたらいいですね。めっちゃ良い話。ありがとうございます。



OB訪問はそもそも何のために存在する?

ー私地方の大学なのでOB訪問ができないんですね。なのでOB訪問のことが全く分からないのですが、企業ってなんのためにOB訪問をやってるんですか?


 
『OB訪問って表向きには学生・企業ともにお互いを知る場で、知り合いや学校に縁のある人がいる安心感的なことも踏まえてメリットがあるよ!って打ち出していると思いますが、率直に企業視点での裏の部分で考えるなら、「単純に後輩を引っ張ってこれる(労力をそこまでかけずに採用しやすい)」につきますね。

結局、部活やゼミでの先輩後輩って感じの繋がりとか、大学の繋がりみたいなところを活かそうって、思惑が入り乱れてますよ。(笑)』
 

ーやっぱそんな感じなんですね。


 
『もはや、それでしかないと思いますね。というか、そうでないとメリットがないです。慈善事業ではないので、ゆとりのない企業ほどOB訪問を受け入れできないといった部分もありますけど…。』
 

ー昔のメガバンクとかは結構それ目的で、リクルーター制度とかやってたじゃないですか。で、そのノリがどれぐらい今の日本に残っているのかっていうのが結構謎だったんですけど、OB訪問でいいなって思った子は面接飛ばしたりみたいな感じなんですか?


 
『まずOB訪問の労力を減らせるという点で見ていくと、もちろん面接を飛ばすっていう飛び級みたいな考え方で、選考フローを飛ばすこともありますが、それよりもっと前段階でいうと、人事が個別に説明会をする手間が減りますよねっていう。

説明会で話す会社概要的な説明を先輩社員にやってもらえば人事側は楽が出来るし、上手くやってくれれば「OB社員が親切だったからこの会社で働きたいと思いました!」みたいな採用につながるんですよね。

なので採用にかかるパワーを人事以外の社員に分散できるというか、「OBに任せとけば、あの子取って来てくれるっしょ」みたいな感じで任せてますね。』
 

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