就活に体育会が有利な理由とは?
突然かつ、目を背けたくなるような言葉になるのですが、
「学習院大学出身のあなたが新卒で企業に入社しても、一年目はまず戦力にはなりません」
誤解を恐れずに発したのですが、これはひとつの事実であると私は思います。
たとえ、
大学で真面目に勉強をし、"優" の単位で埋め尽くされていたとしても、
部活動でリーグ優勝をし、最優秀選手にノミネートされていたとしても、
あるいは、バイトリーダーとして活躍をしていたとしても、
社会人としての土俵は、それらとは全くと言っていいほどステージが違うことでしょう。
新卒のあなたはまず間違いなく最初は無力を実感すると思います。
むしろ、私はそれくらいの覚悟をしていた方が、健全に就活に臨めると思います。
<挫折した経験>
そういった観点から、あらためてどうして体育会が有利なのかというと、
「挫折をした経験があるから」です。
体育会の出身者は、
挫折や理不尽さを通して自分の無力さを知っている可能性が高いです。
・先輩は絶対という環境
・レギュラーになれず、試合に出られない葛藤
・自分の責任で負けてしまったときの絶望した経験 など
どこかで一度は挫折をしていることでしょう。
「自分は本当にダメなんだ」という根拠のないプライドをリセットした経験があります。
リセットした経験のうえで、また自分というものをつくっていった経験を持っています。
実際に仕事を始めるとわかるのですが、就職は新たな自分の始まりであって、できるだけ早く自分をリセットする体験をして生まれ変わることが大事であると思います。
企業側の立場を想像してみてください。学習院出身のあなたをはじめから戦力としていると思いますか?
残念ながら考えてはいません。戦力となるなら中途採用をすればいいのですから。
では、新卒になにを求めているかというと、もちろんいろいろな要素があるのですが、大きな一つは
「自分の無力さと向き合う勇気」です。
要は、不必要なプライドをいかに捨てられるか。ということとも言えます。
不必要なプライドというのは歳をとればとるほど拭うのが難しくなります。
根拠のない中途半端なプライドをもって、本気の失敗をしないまま、歳を重ねて初めて挫折を味わうと、絶対に心が折れます。
それからだと、取り返しがつかないのです。
早いうちに、新しく生まれ変わる経験が大切です。
<あなたは何者ですか?>
2016年に朝井リョウの小説である、『何者』という就活が舞台の映画が公開されました。
就活を通して若者の自意識や承認要求を描いた傑作映画なのですが、
「あなたは何者でもないですよ」
ということが腑に落ちる経験をしていると、新卒としての就活は大変有利です。
企業側も間違いなく、そういった素直で伸びしろのある人材を求めていることでしょう。
体育会の出身者は、そういった挫折の経験を積んでいる可能性が高いため、重宝されやすいと私は考えています。
もちろん、体育会ではなくても、挫折の経験をこれまでの人生で経験してきた方は多いと思います。
受験でもいいし、失恋でも構いません。
そして、この就職活動そのものからでも十分OKでしょう。むしろ、説得力が増すと思います。
一生懸命の過程こそ、挫折と成長と人間味が滲み出ます。
企業は一生懸命ができる人を求めていると思います。
「あなたが挫折を味わうほど、一生懸命取り組んできたことはなんですか?」
「そして、そこからなにを学びましたか?」
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