逆噴射小説大賞自薦作品集

逆噴射小説大賞 自薦作品集

楽しかった逆噴射小説大賞の応募期間もついに終わってしまいました。
参加者の皆様、読者の皆様、本当にお疲れ様でした。そしてこんな機会をくださったダイハードテイルズの皆様には心からの感謝を…!

さて。なんであれ振り返りって大事ですよね。
ということで、4つに分けて振り返りをやってみたいと思います。

1. 自分で書いた作品の中で気に入っているやつを自薦
2. 自分で書いた中で「これはあかん」というやつの反省会
3. 他の人が書いた作品で「これ好きだな」と思ったやつのまとめ
4. 逆噴射小説大賞に参加したことでの気づき

今回は 1 の自薦作品集ということになります。

1. Blue Blue Sky.

空から落ちてくる謎の少年。
記念すべき第1作目。
これ、本当に何も考えずに、頭を空っぽにして浮かんできた情景をつらつらと書きましたね。で、やっぱり拙さは拭えず当然のように「スキ」もひとつもつかなかったんですが、個人的には気に入っています。ちゃんと情景はスムーズに流れているので、このテンポがたぶん僕の文章のテンポなんだろうな…と。今まで小説を書いたことなんてなかったんですが、こいつを30分ぐらいで書けてしまったので、それが妙な自信にも繋がってしまいました。

2. 永劫戦争

神話的存在による永遠の戦争。
これも割と勢いだけで書いてしまったやつです。「次元の彼方で繰り広げられる永遠の闘争」みたいなイメージが最初にあって、そこからスムーズに文章が出てきました。名前だけ登場するジゴルとメガンザは理不尽なほど強大な存在です。でも登場人物のインワンも出鱈目なやつで、さらにインワン以外にもイレギュラー存在が何人かいる。そしてパワーバランスが崩れていって…という話になります。これは自分でも続きが読みたいなと思っています。

3. 凱旋英雄

深淵へと落とされた英雄。
これ、けっこう気に入ってます。ただ冒頭の世界観紹介とその後の展開をぶった切らずにもうちょっとスムーズにつなげて書きたかったなぁ…という後悔があります。登場人物の一人、モーザは正真正銘のクズ野郎で、自分で書いてて「こいつクズだなー、大好きだなー」って思っていました。彼にはちゃんと惨たらしい最期を遂げさせてあげたい。ちなみにタイトルは「深淵の英雄」とか「深淵の凱旋英雄」とかも考えたんですが、「凱旋」という言葉が重要になってくるのであえてこのシンプルなタイトルにしました。

4. 白のナダレと花のテオ

精霊と共に生きる村。しかし…。
これは冒頭の光景が映像で浮かんできて、そのまま書いた感じです。特にそこの描写は気に入ってますが、400字の文字数制限で苦労して、国や村の名前がダンバインみたいになっちゃいました(って、ダンバインって知ってますか? 素晴らしいですよ!)。ちなみにこの「創世の神話を踊る巨人」のイメージは、最後に投稿した「創世巨人のゼナン」のイメージにもつながっています。

5. 死闘!ジュクゴニアっ!!

世界を圧倒する「ジュクゴ使い」の帝国。
これは絵面を「キルラキル」みたいな感じでイメージしていました。なのでそんな感じの熱い話にしたかったんですが、全然力量が足りませんでしたね。。ただ「ジュクゴ使い」というアイディアはけっこう気に入っていて、いくらでも話を膨らませることができるなって思っています。ちなみに次回予告に書いた「四字ジュクゴの男」はジュクゴニア帝国貴族で「花鳥風月」を持つ男…になる予定です。話の初期段階で強大な敵が立ちふさがる、少年漫画のテンプレ的展開です。

6. アダム

失楽園の物語。
これはめちゃくちゃスムーズに書けました。そして最後までの話の流れもイメージできているので、続きを書く最有力候補になっています。この冒頭ではまだ登場していませんが、この後出てくる「蛇」のキャラクターが好きなんです。

7. 全宇宙最強伝説

宇宙の「最強」達が集結する!
これは文字通り頭を空っぽにして書きました。けっこう、こういうアホなのが好きなんです。予告に書いた「恒星爆砕拳」を早く書きたい!という気持ちがあったりします。あとさりげなく「少年」の成長物語にもなる予定です。

8. ヘルメス 幻界の狩人

幻想的世界で獲物を求める孤独な狩人。
これもけっこう気に入っているやつですね。幻想的な伝奇ものを書いてみたい願望があって、こいつも割とスムーズに書けました。ただうまく続きを書けるかはちょっと自信がないんですよね。でも短く終わらせることだったらできそうな気がする。

9. 魔人大戦

「普通の高校生」が覚醒する時…。
これは冒頭の暗黒星雲のイメージが映像で浮かんできて、そこから膨らませていった感じです。割ときれいに書けたなと思っています。余談ですがこれを血迷ってリアル知人に読ませたら「栗本薫っぽい」って言われたんですよね。えー、80年代センスってこと?

10. 月の男と墜落するシモン

抑圧の地を覆う熱病のような噂。
これは正直、自信がなかったんです。「そもそもこれはパルプなのか?」みたいなことを思って。ところが「スキ」がそこそこついてしまったので、迷いが深まったんですよねー。方向性を見失いそうになったというか。

11. 灼熱するリベリオン

超越的存在にひとりのサイバネ者が闘いを挑む!
ということで一瞬迷いが深まったんですが、「いやいやいや、好きなものを書けばいいんやで」って思いなおして書いたのがこいつです。熱い話がとにかく好きなんです。読み返すと我ながらすっごく拙いんですが、でも心から気に入ってます。

12. 不遜にして邪悪なる男

幻想的な荒野を進む一人の男。
これも相当に気に入っているやつです。静かに盛り上がっていく感じがいいなって。人間とは弱いものだし、誰しも甘えだって持ってしまう。実際それでいいわけですが、だからこそ、どんな状況でも不屈で己の矜持を捨てない、そういう神話的な人物がヒーローたり得るわけです。

13. 「輝ける人民党」襲撃事件

誰しもが彼のことを「天性のカリスマ」だと思っていた。だが…。
これは全然「スキ」がつかなかったですね。実は王神の演説は全文考えてあったんですが、文字数…ってことで一言だけになりました。いっそのこと冒頭から演説にしてしまった方がインパクトあったかなって少し後悔しています。でも僕は好きですね、この話。

14. 滅びの時に

神秘的な地下神殿で恐るべき神託がくだる。
この話はインカっぽいですが、実はインカではなくもっともっと古いチャビン文明の遺跡、チャビン・デ・ワンタールの地下神殿からイメージを膨らませました。レリーフなどの描写に無駄に文字数を使った感がありますが、そこは絶対に削らない!って思いながら書きました。余談ですが半年以上前に上野でやっていた「古代アンデス文明展」は最高でしたよ。

15. 創世巨人のゼナン

無邪気で元気な創世の巨人。
ラスト投稿作。
ラストは明るくて前向きな話で〆たかったので、他のいくつかのネタをボツにしてこの話を採用しました。最近ありがちな雰囲気の話ではあるんですが、最期はこれにして良かったなと満足しています。出自などの自分の属性や背景にまったく頓着しないで「それが僕と何の関係があるの?」って無邪気に微笑む、そんな主人公を書いてみたかったのです。ちなみに魔王クローンのマガタ君はかなり生意気ですが、めちゃくちゃ強くてめちゃくちゃ根はいい奴です。でも周囲にいるやつらはかなり邪悪…という感じで考えています。

…ということで、長くなってしまいましたが、15作品を自薦してみました。毎日投稿したのでこれで15/24。残り9作品は反省会で扱いたいと思います。

ちなみに次の振り返りまで間が空いてしまうかも。

【「反省会」に続く】

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