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横紋筋融解症。

手術直後から気付いたことだが、右脚の様子が変だ。

左脚と比べても、一回り腫れぼったい感じがする。
右脚に触れてみるが、どこを触れても感覚が鈍い。まるで、サランラップを二重、三重にも巻かれたような感じ。
膝下から足先は、全体的にじりじりと痺れている。
そして、足の指先しか動かない。足首を動かすと、ふくらはぎがものすごい突っ張って、それ以上動かせない。まるで非伸縮性の布でも入っているようだ。そして、ひどい筋肉痛のような痛み。。

この状態は、回診の時に主治医にも話した。
すると主治医からは「人工心肺の影響ではないか?」と推測した。

自分が行った弁形成術では、右鼠径部の血管から人工心肺装置を挿入して、一旦心臓を停止した状態で手術を行う為、右脚への繋がる血管は閉塞しやすくなる。血流が滞ってしまうといろいろな弊害が出てしまう為、そうならない為に薬剤を使用しながら手術を行うが、どうやら今回は右脚への影響が出てしまったらしい。

手術翌日(2020年4月10日)の血液検査のデータでは、CPKの値が13559を示していた。正常値59~248の範囲から、えげつないほど外れた桁違いの値が出ていた。これがドラ○ンボールでいうところの戦闘力だったらどんなに良かったことか。。。(いまさら誰と戦うつもりですか)

この検査項目は、筋肉の中にある酵素を検出するものであることから、かなりの筋細胞に異常が現れ、酵素が血管の中へ流れ出てきている事を意味していた。

後々つけられた診断名が「横紋筋融解症」だった。

職場でも、時々横紋筋融解症の患者さんが入院してきて、リハビリで対応することがあった。
患者さん達は「痛い」「キツイ」「動きたくない」との言葉を発して、リハビリが進まない状況も多々あったが、
「横紋筋融解症って、きついのか・・・??」
と、恥ずかしながら、横紋筋融解症の症状をあまり配慮出来ていなかった。

だけど今ならわかる。
これは相当キツイ。

なんならリハビリで座って、足を地面につけているだけで少々苦痛。
感覚のない右脚で立って、身体を支えているだけで、ふくらはぎの筋肉は引きちぎられるようにつっぱり、痺れも強くなる。早く座りたいと思うくらい、右脚は別物の状態になっていた。

右脚は血が通っている感じもしなかった為、ベッド上にいる時はなるべくカフパンピングを行っていたが、足首を大きく動かせない上、痛みがすぐ出るので、なかなか高頻度では行えなかった。

正直、このようなことが起こることを想像していなかったが、またひとつ、貴重な経験をさせてもらった。

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