見出し画像

最上級の「教師」とは。

今日は、僕がカウンセラーになる前、イギリスで日本語教師をしていた時のお話です。

恩師から大切なことを教わり、いまも大切にしているモットーがあるのでシェアさせてくださいね。

今から13年前のこと。

イギリスで働き始めて一カ月が過ぎた頃、僕はスランプに陥っていました。

生徒たちから嫌われ、無視され、「授業が面白くない」と言われて、教壇に立つ度に頭が真っ白になり、もう、どうしていいかわかりませんでした。

そんな時、校長室に呼ばれて、こんなことを言われました。

はい、まずは深呼吸!
リラックス!
完璧でなくていいのよ。
あなたは、『答え』を教えようとするからつらいのよ。
あなたは、あなたの知識とやり方を見せるだけでいいのよ。

てっきり叱られると思っていたので、これには驚きました。

…完璧でなくていい???…

日本ではありえない言葉だったので、目がテンになりました。

えっ?
教師が完璧でなくていいんですか?
『答え』を教えなくていいって、どういうことですか?

混乱しながら聞き返すと、

本校では、生徒たちが『自分で答えを見つける』教育をしているのよ。
だから、あなたが『答え』を教える必要はないわ。
あなたは、あなたの知識とやり方を見せるだけでいいの。

そして、こんなことも付け足しました。

普通の教師は『答え』を教えるよね?
でもね、良い教師は、『背中』を見せるわ。
そして、最高の教師は、生徒の心に『火』をつけるものなのよ!
あなたは私が採用した教師だから大丈夫なの!
私が責任をとるから、リラックスして、もっと堂々と自由にやりなさい!

ガチガチだった僕の心が、一瞬にして溶かされて、ハッと目が覚めました。

この時、僕は「在り方を一新しよう」と覚悟を決めました。

そうして、僕は一変しました。

これまでの日本の様式だと、つい知識や情報を一方的に教えたくなりますが、教えるという行為の裏には、相手をコントロールしたり、自分のやり方を押し付けたり、いろんな意味で、相手を制限をする要素が潜んでいたんだなぁと思い知りました。

本来、教える立場という者は、自ら学んだ知識ややり方を見せることが重要であって、反対に学ぶ者は、そのまま受け取るのではなく、他人の知識ややり方を参考に、そこから自分なりに「答え」を導き出してゆくことが大事なんだなぁと痛感しました。

もし、いま、あなたの目の前に、人生の「答え」を教えようとする人がいたら、すぐに、その場から離れた方がいいですよ。

なぜなら、真面目できっちりした人ほど、他人の言うことを鵜呑みにして、自分を見失い、混乱してしまいますからね。

まわりから与えられる知識や情報は、単なるひとつの見方や考え方であって、「他人の教える答えは、所詮、他人の答え」です。
それが、あなたにとって、正しい「答え」とは限りません。

もちろん、学業を修めたり、知識を身に付けるためには、必要最低限の暗記や学びが必要であって、時には「答え」を学ばなければイケナイことも多々あります。

しかし、あなたがいま、あなたの人生を生き行く中で、あなたの「答え」は、あなた自身が導くべきもので、それは、あなたの中にしかないことを覚えておく必要があります。

だから、あなたの「答え」を応援してくれて、傍で見守り、背中を押し続けてくれる人こそ、これからを生きるあなたに、一番必要な人になってくるのだと思います。

これから、ますます「答え」「正解」の無い時代に突入していきますから、よかったら、ちょっと頭の片隅に置いていていただけたらいいなって思います。

僕は運よく、そのことを教えてもらい、そのおかげでいま、僕の人生がより豊かに、より自由に、よりハッピーになっています。

今日も、読んでくれて、ありがとうございます。

僕はいま、自身が困難から学んだことを、他の人の人生に生かしてもらう活動をしています。よろしければ「サポート」をお願いします。いただいたサポートは、作家としての活動費に使わせていただきます。